結婚式に招待された!服はどうする!?
- 2019/05/03
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令和になったと、世間では色々報道などされている様ですね。私はといえば、元号がどうなろうとお届けするファッションアドバイスの研鑽には何ら変わるところがありませんので、通常運転でおります。
暖かい日が当たり前になってくる頃、そろそろ梅雨が視界に入ってきますが、合わせてやってくるのが結婚式シーズン。June bride(ジューンブライド)というヤツです。若い頃、結婚式に呼ばれて着ていく服は勢いでなんとかなったとしても、我々オヤジ世代はそうはいきません。勢いに任せた服装は、単なる「歳を食っているだけの世間知らず」にしか見えませんから。
実際のところ、お問い合わせとしては主催側である新郎からも何を着たら良いのか?というのがあるもの。対して招待される側は、どちらかというとその場で恥をかいてから次に活かそうとする男性が多い様ですね。私が招待されて行った式の現場で服装の間違いに気付き、どうしたら良いのか、その場で相談を受けた事もあります。
でも、そんなにしょっちゅうあるものでもないですから、ぜひ恥をかく前に、着こなしの基礎を知っておきたいものです。
◇主催者の意向によるもの
ただ、結婚式や結婚披露宴、その後の二次会などは主役の意向によってかなり変わります。厳粛に行われるものもあれば、もの凄くカジュアルに行われるものだってあります。なので、基本は「主役の意向に沿った服を着る」が大前提。最近では様々なドレスコードを設ける場合もあるので、招待状に書かれた内容を把握することが第一歩です。
さらに、結婚式ともなると主役側だって「もう何十回もやってるベテラン」みたいな人はいないのですから、招待する人たちにどんな服装をお願いして良いか、あんまりはっきりは分からない。というのがまあ当たり前なんですよね。ですから、招待状を読んでもイマイチどんな服装にして良いか分からないなら、とにかく主催者に聞いてしまうというのが1番。
聞くポイントは、まず新郎新婦の服装のフォーマル度。主役よりもフォーマル度の高い服を着るのはNGですからね。結婚式ではさらに、主役の親御さんよりもフォーマル度を下げる必要があります。主役、そしてその親御さんよりも一段低いフォーマル度の装いを選べば良いのです。
◇フォーマル度って!?
さて、ここで服装におけるフォーマル度のお話を。時代とともに変わってきていますが、私が学んだところからお伝えしましょう。スーツといえば発祥はイギリスですから、イギリスの基準です。洋服でもっともフォーマル度が高い装いは、宮廷服を除いておけば、軍服などのユニフォーム、もしくはテールコート(燕尾服)です。王室行事では、昼夜を問わずこの燕尾服ということになっているようです。
ただ、時代の流れでこのテールコートは次第にその出番が少なくなってきています。今ではオーケストラの指揮者が着ていたりするくらいでしょうか。フォーマル(正礼装)といわれ、ドレスコードとしては「ホワイトタイ着用」とあればこの燕尾服を着る事を指します。
次にくるのがセミフォーマル(準礼装)。これは昼と夜で分かれます。昼がモーニングコートで、夜がディナージャケット(タキシードとも呼ばれます)。テールコートの「ホワイトタイ」に続き、「ブラックタイ」という指定があれば、これはディナージャケットの着用を意味します。装う上での厳格なルールがあるフォーマルウェアはここまで。
この次に来るのが、フェスティブオケイジョンなんて言い回しをヨーロッパでは使うそうですが、まあ、日本語では略礼服です。これが、昼間はディレクターズスーツ。そして昼夜問わずではダーク・ラウンジ・スーツということになっています。ここでやっと出てきましたね、スーツ。「ダーク・ラウンジ」なんて言葉が付いていますが、つまりはダークな色のスーツということ。そして、略礼服には厳格な装いのルールが存在しません。なので、実は以外にも自由に着こなせるのです。
◇スーツは万能選手…だけれど
人類の多種多様で長い歴史から見れば、イギリスのフォーマルウェアも「1つの民族衣装が栄えた一時期の名残り」なんて言えるものです。でも現在の日本ではそれが大事にされているのですから、知っておく必要はありますね。そしてこのフォーマルウェアは時代とともに変化します。最もフォーマルな装いは過去のものとなり、準じてフォーマルだった装いが最上位の座につくのが、これまでの流れ。変化する判断基準で、「高級レストランのウェイターがそれを着始めたら、もう過去の衣装だ」なんて言われることがあります。最近ではタキシードを着ているウェイターを見る事もありますから、フォーマルウェアはかなりの部分が過去のものへと移行しているのかもしれません。
そんな中、スーツは今もなお大活躍しています。ビジネスウェアとしても、ちょっと畏まった場でも、様々なシーンで使われていますね。それだけ汎用性が高い装いと言えるでしょう。ですから、このスーツを着こなせておいた方が良い、というのはまあ、当然ともいえます。
スーツを結婚式の招待客として装うにはまず、ビジネススーツと間違われない事が大事です。「この人、仕事帰りに来たのかな?」なんて思われては失敗と言わざるを得ません。派手にしすぎてどこかの漫才師に見られたり、仮装パーティーと間違われたり、方向性を間違えてホストに見られるのも同様に失敗ですね。なので、お祝いの場での、スーツの基本的な部分をお伝えしておきましょう。
スーツの色はダーク。濃紺か、濃いチャコールグレイが良いでしょう。フォーマルではないので、スーツでは黒は喪の色と見られる場合も。あくまで「ダーク」な色が良いですね。ネクタイはシルバーグレイか、シルバーグレイと黒の柄物。シャツは白。靴下は黒。靴は光沢のある黒の革靴。スーツの上着はシングルでもダブルでも構いません。どちらがよりフォーマルか?などはありません。ポケットチーフは白もしくはシルバグレイ。これを基本に考えれば良いでしょう。
でも、注意点があります。ここまではヨーロッパの基本的な着こなしのルール。しかし日本は過去、独自のルールが出来てきたという背景があります。それは、スーツは黒で、上着はダブルがシングルよりフォーマルでネクタイは白。というもの。これは日本独自のルールなので、本場ヨーロッパの方々が多く招待された場では変な装いに見えてしまいます。逆に、昔ながらの年配の日本の方々ばかりの招待客だと、ヨーロッパの装いがいくら本場でグローバルスタンダードだからと言っても、失礼だと見られてしまう場合があります。
ですから、招待状のドレスコードや、披露宴会場の格といったものの他に、どういった招待客が多いか?というのが、着こなしを決める上での判断基準になるのです。そしてフォーマル度の基本は「これくらいで良いかな?」と思うよりも1つフォーマル度の高い装いにしておく事。フォーマル度が高くて失礼に当たることは殆どありませんが、カジュアル度が高いと、それは失礼に直結する事が多いですからね。
それぞれの具体的な着こなしはさておき、まずはこの辺りを押さえておけるだけでも、大人度はグッと上がります。元号が変わると、昔の元号生まれほど昔の人間に思われてしまうもの(元号が変わって何か良いことあるのか考えちゃいますね)。我々、昭和生まれ世代のオヤジはぜひ、別格の大人度を纏った装いで招待された結婚式も楽しみたいものです。