ブランドの存在を問う、「架空ブランド」衝撃の登場
- 2018/10/19
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ブランドのニセモノではなく、架空のブランドが登場
「JF」とか「noob」と呼ばれる特定の工場で製造されたロレックスのニセモノが、5万とか8万といつ値段で取引されている。という話は以前「YAZIUP!」でもお話させていただいたのです。
どれだけ出来がよかったとしてもニセモノはニセモノ、商標法に明らかに違反しているものですから本来は1円の価値もないばかりか、購入すること自体が犯罪の片棒をかつぐようなもの。なのに、まともな時計が購入できるような価格でニセモノが取引されているとは驚き。これはニセモノのブランド化ですね……なんて内容だったのですが、今回さらにぶっ飛んだ話を耳にしました。
それは「架空のブランドが流通している」という話です。
架空のブランドを買取させるという手口
架空のブランド、ここでは「A」としておきましょう。そんなブランドのTシャツがリサイクルショップに持ち込まれるというのです。
当然、査定するスタッフはAというブランドを知りません。あわててWebで検索すると、複数のブログがヒットします。
……いわく、「ラフォーレ原宿で期間限定で出展していた『A』のTシャツ購入しました」「今注目しているのは『A』、歴史は短いですが熱いブランドです」「ようやく街中で『A』を着ている人を見かけるようになりましたね」。その下にはショップに持ち込まれたTシャツと色違いのものが紹介されており、定価は6万円とか書かれている。
ショップスタッフは「A」を知らなかった自分の不明を恥じつつ、Tシャツを数万円の買取価格を提示して買取るのですが何やらおかしい。改めて検索をかけてみると、「A」なるブランドの公式HPもありませんし、ファッション関係のデータベースでもヒットしない。
さらにはTシャツの洗濯表示には、実在しない電話番号と住所が印刷されているのです。
果たして「A」というブランドは実在しているのか?
つまり「A」なるブランドは存在していない。
もちろんラフォーレで販売されていたという実績もありません。
ならば、検索でヒットしたブログは何か?というと恐らく「A」のTシャツを製造したグループが立ち上げたもの。さも「A」が人気であるかのように演出していただけでしょう。
しかし、段々わからなくなってくるのが「『A』なるブランドって、本当に存在していないのか?」ということ。ブランドの公式HPやショップこそありませんが、Tシャツは現に存在しているのです。ということはブランド自体、存在していることにならないか?ということです。
じゃあ、その「A」のTシャツに価値を見出したのは誰?ということになると、リサイクルショップの店員さん。まあ、その店員さん以外に、その価値を見出せる人がいないところに悲劇があるのですが。
ブランドとは何なのかを、もう一度考えてみよう
シュプリームやオフホワイトなど「ラグジュアリーストリート」のトレンドが定着してずいぶんたちます。
そんなブランドと先にお話した「A」の違いはどこにあるか?と考えてみると、つまらないTシャツに適当なプリントを入れて何らかの価値を発生させているという点でまったく同じ、何ら違いはない。
今後「A」なるブランドを誰かが着用して大ブレイク!!ということが起こらないともいえません。
こんなことをツラツラと考えていると、ブランドとはいったい何なのか?ということが、まったくわからなくなってしまいます。
ただはっきりしていることは、いい年の大人になったならばブランドだからというだけで何かを選択するのはやめるべきということ。何でもトレンドに乗せられっぱなしというのはカッコ悪いということ。シュプリームでも「A」でも何でもいいですから、自身が本当によいと思ったものだけを選択すべきということでしょう。
ちなみに「A」なるブランド、現在は複数のリサイクルショップで絶賛販売中なのです。