ダイソンやLIXILがシンガポール移転を目指す理由とは?どんなメリットがあるの?
- 2019/02/02
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ダイソンやLIXILがシンガポール移転?
イギリスの大手電機メーカーであるダイソンが、本社をシンガポールに移転する方針であることがニュースになりました。さらに、日本ではLIXILがシンガポールに本社を移そうとしているとのスクープもされています。
なぜ、ダイソンやLIXILなどはシンガポールに本社を移転することを画策しているのでしょうか。実は、シンガポールに本社を置くことで、大きなメリットがあるのです。そこで今回は、シンガポールに本社を置くメリットについて紹介していきます。
法人税でのメリットが大きい!
シンガポールに本社を置くメリットは、法人税が挙げられます。日本の法人税率は、約30%となっています。これに対して、シンガポールの法人税率は17%です。この差は大きく、シンガポールに本社を移転する大きなメリットと言えるでしょう。
シンガポールの法人税がこれほど低いのは、外資企業を誘致するのが目的です。しかも、シンガポールに本社を移転するメリットはこれだけではありません。実は、シンガポールの実効法人税率は、17%よりも低くなっています。シンガポールには、様々な優遇税制が用意されており、実効法人税率はさらに低くなっているのです。
シンガポールの様々な優遇税制とは?
<部分免税制度>
シンガポールには、部分免税制度という制度があります。制度名からわかるように、課税所得について、部分的に免税となる制度です。この制度は、基本的にすべての法人に適用されます。
部分的にとは言え、免税になるのは大きいです。2020年から免税額は縮小されますが、それでも部分免税制度は維持される予定となっており、実効税率を下げることができます。
<タックスリベート>
シンガポールには、タックスリベートという制度もあります。タックスリベートとは、法事税額の何%かを控除するという制度です。控除率や限度額については、毎年改訂されます。これは、シンガポールの国家予算によって変更されるからです。
当たり前ですが、法人税額が控除されるということは、実効法人税率を下げることにつながります。
<キャピタルゲインに課税をしない>
シンガポールでは、キャピタルゲインへの課税がありません。これも企業にとっては、大きなメリットです。キャピタルゲインとは株式や債券、不動産などの資産を売却することによって得られる売買収益のことです。
キャピタルゲインに課税されないため、例えば事業の再編で子会社の売却によるキャピタルゲインも非課税となります。そのため、新規事業の失敗した際の撤退コストなど、様々な戦略を含めて企業にはメリットがあるのです。
シンガポールはアジアの拠点にピッタリ
税制面だけでなく、シンガポールはアジアの拠点としてメリットがあります。古くからシンガポールは「物流のハブ」として栄えており、それは現在も変わりません。そのため、多くの海外企業がアジアの統括拠点としてシンガポールを選択しています。
陸送・海運・空輸すべてのインフラが、シンガポールでは整備されています。そのため、アジアの拠点としてピッタリです。税制面にプラスして、地の利でもシンガポールは魅力的な国なのです。
シンガポールでのビジネスには多くのメリットがある!
シンガポールは、税制面と地理的要因から本社を移転するメリットは大いにあると考えることができます。特に、税制面でのメリットは大きいです。法人税率は17%ですが、実効税率は10%ほどになることもあるのです。
ダイソンやLIXILが、本当にシンガポールに本社を移転するのかはわかりません。しかし、本社を移転してもおかしくないほど、シンガポールはビジネスをするのにピッタリの国と言えるでしょう。シンガポールに多国籍企業が進出するのも納得です。