部下がウソの報告をした!大問題になった際に対処する方法
- 2019/08/14
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吉本工業の闇営業問題で、芸人が反社会的組織から報酬を受け取っていたにも関わらず、事件発覚当初は「受け取っていない」というウソをついていて、後に報酬は受け取っていたことが明らかになったことは、記憶に新しいでしょう。
信用していた部下に裏切られることは、気持ち的にもがっかりさせられることもあり、一方で怒りを感じることもあるでしょう。
この記事では、部下にウソの報告をされたオヤジ世代の上司として、どのように対処すべきかについて紹介します。
部下のウソ報告…どこまでがOKでどこからがNG?
吉本工業のように、部下のウソ報告のせいで会社全体への評価が悪くなったり、業績に直接影響を与えたりするようなケースは、明確にNGのウソであることがわかるでしょう。
しかし、この世に生まれてから1度もウソをついたことがないという人も珍しく、OKなウソをつく部下もたくさんいます。
では、部下のつくウソはどこまでがOKで、どこからがNGなのでしょうか?
「明日までにやります!」納期を守らない部下のウソ
繁忙期になると、仕事が立て込んで、部下も自分自身も忙しくなるという人も多いでしょう。
納期が立て込んでスケジュールが真っ黒、次から次へと処理することが増えてきて、部下の頭もパンパンになることも多いはずです。
そんな時によく出るウソが、今日までに提出のはずの書類が出ておらず、部下に「終わったのか?」と聞いてみたところ、「明日までにやります!」という返事。
本来なら今日提出のはずだし、昨日も「明日までにやります!」と答えて今日に至っているとしたら、これは部下のウソになります。
このようなウソは、デッドラインがどこかによってOKの範囲でしょう。
本当に部下の提出書類の締め切りが伸ばせず、業績に悪影響が出る場合にはNGになる可能性があります。
「営業行ってました!」本当はネットカフェにいた部下のウソ
営業職は、外勤の時間をどう使うかは、部下次第という会社も多いでしょう。
しかし、4時間の外勤時間のうち、取引先を1つも回らずにネットカフェで時間を潰していたにもかかわらず、帰社後平気で「営業4件回りました!」とウソの報告をする部下もいます。
このような場合、ネットカフェにいたことを証言する人物がいて、部下のウソが本物であると立証されれば、完全にNGなウソになるでしょう。
しかし、それでもその部下が他の日に活躍していて、結果的に契約をとってきているなら、目をつぶる上司もいるかもしれません。
本当にその日4件回っていれば、もっと契約がとれたはずと考えれば、やはり許せるウソではないでしょう。
「祖母が亡くなったので、明日は忌引休暇でお願いします」家族を死なせる部下のウソ
そもそもあなたの会社には、「忌引休暇」という制度はあるでしょうか。
学生の頃によく忌引で休む人はいましたが、実はすべての会社に忌引休暇があるわけではありません。
企業の福利厚生の一部として忌引休暇を定めているところもあれば、親族が亡くなった時にはただ有給や代休を消化するだけという会社もあります。
では、本当には祖母はピンピンと生きているにも関わらず、ただ休みたいがために忌引休暇だと申請することの是非はどうなるでしょう。
忌引休暇にしても、有給休暇にしても、本来なら欠勤して賃金が発生しないはずのところを会社の恩情で賃金が発生する忌引・有給休暇を申請しているとすれば、あまりにもひどい場合は詐欺罪(刑法246条)に反する恐れがあります。
つまり、このようなウソの報告はNGなのです。
しかし、実際に生きている親族の名を使って忌引休暇をとったとしても、それが1度きりなどの場合は、その企業の就業規則によって処分が下るだけで、法的に表沙汰にすることはほぼないようです。
「取引先から好評でした!」クレームを隠す部下のウソ
会社の規模が大きければ大きいほど、抱えている社員数も多く、管理職がマネジメントする部下の数も大きくなります。
このような場合、部下が対応していた取引先からクレームを受けていても、部下が「問題なかった」「好評です」等、ウソの報告をしていれば気が付かずにフォローが遅れてしまうという問題に発展しかねません。
もしもこの部下が隠していたクレームが大ごとに発展し、大きな契約が潰れるようなことがあれば、業績に直接悪影響を及ぼしたとして、解雇する理由となります。
そのため、小さなウソのようにも見えますが、火消しができなければ完全にNGなウソだと言えるでしょう。
上司として部下のウソの報告にどう対処すべきか?
上司として、部下がウソの報告をしてきた場合、上記のように許されるOKなものか、許されないNGなものかを見極めることはもちろん重要です。
しかし、その部下のウソを見極めた後、果たしてどうするのが正解なのでしょうか。
対処法1.部下にウソを確認する
まずは、本当に部下の言動がウソなのかどうかを確認する必要があります。
ウソの報告をしているという証拠があれば、その後の対処とりやすいからです。
営業に行ってきたと言って、ネットカフェでサボっていたというウソの報告の場合は、ネットカフェでその部下を見かけた…などの証言が必要です。
また、裏付けをとる必要なく、部下本人に事実確認をした結果、「本当は…」と真実を打ち明けることもあります。
どちらにしても、部下がウソをついたかどうかを明確にすることが必要です。
対処法2.部下のウソが法律や就業規則に反しないか調査する
部下が実際にウソの報告をしていたことが明らかになった場合、そのウソの報告が法律や就業規則に触れるか触れないかを見極める必要があります。
忌引休暇を不逞に何度も取得していた場合は、前述したように法にふれるととともに、就業規則にも触れることになります。
いくら部下に思い入れがあったとしても、部下のウソがあまりにも大問題を引き起こすことになるならば、将来的に会社全体に悪影響を及ぼし、結果的にその影響が自分のところに回ってくるかもしれません。
会社や自分のためにも、そして部下のためにも、法律や就業規則に反するウソの報告は放置してはいけないのです。
対処法3.法律や就業規則に反する場合は上層部に相談して処分を検討する
もしも部下のウソの報告が法律に反していたら、通報したり、訴訟を起こしたりすることになるでしょう。
法律には触れなくとも、就業規則に反していたら、相応の処分を下すことになります。
部下のウソによって会社の信用が地に落ち、それによって業績が著しく悪化するような場合には、懲戒解雇など、重大な処分を下される可能性もあります。
しかし、解雇するほどではない…と判断された場合には、1年間の減俸などの処分で済む場合もあるでしょう。
いずれにしても処分が下る部下のウソの報告については、自分だけで抱えておかず、1秒でも早く上司、上層部に報告し、その後の処分について検討しましょう。
対処法4.ウソの報告がそれきりになるように、部下が真実を言いやすい環境をつくる
部下がウソをつくのは、本当のことを言えば自分が叱責される、辛い目に遭うのが怖いからでしょう。
中には虚言癖のある部下もいるかもしれませんが、仕事でのウソの大半は保身目的のものが多いものです。
しかし、上司としてすべき対処は、部下の今後を考えることでもあります。
ウソの報告をした部下は、また同じようにウソの報告をする可能性があります。
それは、先の吉本工業のように、真実を言いにくい会社の雰囲気、風通しの悪さ、上司が聞く耳を持たずに部下の言い分を一蹴するなど、上司側に原因があるのかもしれません。
部下が二度とウソの報告をしないよう、真実を言いやすい、風通しのよい環境をつくるのも上司の仕事です。
まずは部下の言い分を傾聴し、上司として言いたいことはそれからにする…など、部下が発言しやすい職場づくりに努めることも立派な対処法だと言えるでしょう。
ウソの報告をする部下には、ウソをつく理由があります。
吉本工業の一件のように、保身のためのウソ、先輩のためのウソなど、その理由はさまざまです。
上司として、ウソで生まれた不利益を回復させ、部下がウソの上塗りをしなくて済むような環境づくりを意識していきましょう。