人工知能による「技術的失業」はすでに始まっている!ベーシックインカムも現実味
- 2017/09/25
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人工知能に仕事を奪われる時代
人工知能の発展による技術的失業は、遠い未来の話ではありません。
すでに始っていると言っていいでしょう。
技術的失業とは、技術発展によって現在の仕事を失うこと。
時代は遡って、18世紀半ば~19世紀の「産業革命」の時代にも、大規模な技術的失業がありました。
技術的失業を問題視した労働者による「ライダット運動」では、労働者によって機械が破壊されるという事態にまで発展しています。
そして現在、これまでは産業ロボットを導入するには莫大な費用が必要でしたが、零細企業も導入できる安価かつ取り扱いが簡単なロボットがすでに登場しています。
さらには、近い将来、複雑な仕事を担う知的労働者も人工知能に職を奪われる可能性まで示唆されているのです。
アメリカで実施された法律事務所を対象とする調査によると、35%が「10年以内に人工知能が新任弁護士の代わりになるだろう」、さらに半数が「10年以内に弁護士助手が不要になるだろう」と回答したとのこと。
また、同国レッドランズ大学のInstitute for Spetial Economic Analysisが「今後20年間、人工知能などの技術により、人間が行っている仕事がどれほど自動化されるのか」を予測したところ、仕事が自動化される人の割合は男性で50.4%、女性で48.7%、自動化される見通しが95%を超える職業に限定すると、男性は5.8%、女性は13.4%という結果が報告されており、女性のほうが影響を受けやすいことが明らかになりました。
学歴も大きく関係しており、大学院前期課程修了(修士号取得)は25.4%、大卒(学士号取得)は42%、高卒は70.4%、高卒未満は74.6%と予想され、学歴に比例して自動化される人の割合が大きく異なります。
これらのデータはあくまでも予測ですが、技術革新が進む昨今を見ても、技術的失業が決して他人事ではないことは明らかです。
人工知能によって新たな仕事が生まれるという可能性も。しかし…
一方で、「機械に仕事を奪われても、人工知能関連の仕事が生まれるため、技術的失業は大きな問題ではない」との声もあがっています。
産業革命では数多くの労働者が職を失いましたが、それはあくまでも一時的なことでした。
機械の導入で綿布が安くなったことにより消費が増え、人手が必要になったのです。
しかし、それが人工知能となると話は変わってきます。
「誰もが人工知能関連の仕事ができるのか?」―――答えはNOです。
三菱総合研究所の予想では、人工知能が普及した場合、日本のGDPは2030年に50兆円増えるものの、雇用者が240万人減少するとのこと。
新たな雇用が500万人生まれても、一方で740万人は職を失い、結果として240万人が失業するという計算です。
行きつく先は「ベーシックインカム」か
ベーシックインカムとは、すべての人が同額の給付を受けられる制度です。
技術的失業が危惧される中、ベーシックインカムが注目を集めるようになりました。
今年1月からはフィンランドでベーシックインカムの実験が行われています。
ベーシックインカムの導入には賛否ありますが、技術的失業が増えると予測されている以上、何らかの対策は必要でしょう。
オランダの歴史家でジャーナリストでもあるルトガー・ブレグマン氏も「日本でも小規模の(ベーシックインカムの)実験を行うべき」と指摘しています。
人工知能によって仕事のあり方が大きく変わることは明白。
日本がいかにして変革期を乗り超えるか、期待したいところです。