実はバレバレ?5000円以下の領収書が経費計上されるカラクリ
- 2018/04/15
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筆者が飲食をする時、ケチで信用がならないと思うのは、店で領収書を貰っている男だ。
こっそり貰っているつもりでも実はバレバレの領収書。
平成18年の税法改正から、ある一定の金額までは経費として落とせる抜け道があるという。
誰も知らないと思ってコソコソやっていると、女性社員全員に『ケチ』の烙印を押されてしまうこの手口。何だろうか?
5000円未満の領収書は経費計上される理由
経理担当者が、社員から提出された領収書でチェックしている点は以下の二つ。
1:社内コンプライアンスの問題
2:税務調査が入った時に、税務署から指摘を受けないものかどうか
平成18年の税法改正で、1人当たりの飲食代が5000円以下のものについては、一定条件の書類を保存する事で、会議費もしくは少額交際費と見なされ、法人税がかからず経費計上できる事となった。
その一定条件とは、以下の通りである。
1:1人頭5000未満の金額である事(4900円は不自然)。
2:領収書の社名は印刷の方が良い
3:名義は『上様』でなく『社名』
4:カーボン台紙やレジなど、店側に控えが残る事。
5000円を超えると、交際費とみなされ法人税がかかる。
これは元々、取引先を飲食店に接待する必要があるが自腹を切らなくてはいけない中小企業の為の、税法解決策だ。
だからといって何でもかんでも請求すればいいわけではない。経理が眉を顰める領収書もあるのだ。
計上できない飲食費もある
経理担当者が1~2の事を気に掛けるのは税法、3~4の事を気に掛けるのはコンプライアンス上だ。
当たり前の話だが、白紙の領収書を貰って自分で記載したり、記載内容をチョロまかすのは私文書偽造となる。
『社内決済をやりやすくする為』という名目でお店の人に1枚のレシートを何枚かに分けてもらう人がいるが、この方法も、何かあった時に税務署につかれるのは貴方だ。
領収書の名義が『上様』では誰宛か判らない。
信憑性を出す為に、会社名、店名が印刷されたものが使用され、名義も会社や部署名が記載されているものが望ましいとされている。
レジであれば、レジ側に控えが残っているので尚更だろう。
ここ数年では、手書きの領収書よりも、時刻や人数まで出てくるレシートの方が信憑性があると指摘する経理担当者もいる。
ちなみに、この『少額交際費』、社内の飲み会では使えない。
取引先の人間を誰か1人連れて行かないと『交際費』『会議費』として名目上認められないのだ。
ズル賢い例を挙げると、フランチャイズ英会話教室を開いたり、化粧品販売をするおばさんがお友達とランチをしても、やり方次第では、本部に『少額交際費』として経費計上しようと思えばできるのだ。
経理担当者が眉を顰めるのは、二次会、三次会の飲食費を請求したり、高級寿司店や料亭、予約をしないと入れない店で、1人頭5000円という領収書を出された時である。
1人頭5000円でおさまるお店で高級店入れるわけがないのは小学生でも知っているから、怒られて当然だ。
もしも貴方の会社が、こんな甘い事も許されているようであれば、取引先からうがった目で見られている事は、間違いないだろう。
経理に嫌われるタイプは居る?
ここまでは、経理担当者が、どの様な領収書を通すのかという説明だった。
では実際に、領収書を提出する事で、様々な業界の経理から煙たがれたり、社の信用を落としかねない社員は、どの様な人間なのか。
幸いにも、筆者の周りには親族も含め、経理担当者及び管理職が10人近く、異業種に散らばっているので、聞いてみた。
1:自分の言い分=周りの意見だと思うおねだり上手
2:自腹で払おうとしない、根がケチ
3:経費で落とすためなら手段を選ばない
2と3は判る。
同じ人間の領収書ばかり溜まれば、税務署から手入れがあった場合、そいつを突き出せばいい。
筆者の叔母は、旧国鉄の管理職だったが、定期券代を、ちょろまして経費計上する人間はいつも決まっていたそうだ。
国民の税金をネコババして何とも思わないのは、ご都合主義で田舎者のケチだったそうである。
だが今の世の中案外バレにくいのが、1である。少額交際費を請求してくるタイプも1が多い。
ワイワイ騒ぐのは好きだが、請求するものはきっちり請求して、自分が遊ぶ小金は貯めているタイプだ。これは経理に密かに嫌がられている。
いかがだろうか。
今日は取引先に就職した友達を誘って居酒屋に行こうかと思っていたオヤジにとって、青くなる話だったかもしれない。
だが、あまり妙な領収書を経理に渡さない方が身のためだ。