急落カルビー株の仕込みどころを探る
- 2017/08/16
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散々だった四半期決算を受けて
カルビー(2229)の株価が急落している。
チャート上では株価は昨年の安値から出直ってそこから3割以上の上昇を見せていたが、足元でダブルトップをつけて一服、さらに低調だった四半期決算を折り込んで、発表当日は10パーセントを超える急落となった。
ヒット商品であるフルグラの普及だけでなく、志望動機を聞かない採用スタイルなどおもしろい社風で知られ、機会さえあれば買ってみたい株の一つではある。
が、まずは最近の業績をしっかりと分析しなければなるまい。
国内に関しては「突発性要因」
今年国内食品業界で一番の話題といえば「ポテチが消えた」一件だったろう。
材料を吟味して使用するあまり、天災には勝てず材料難となり、一時的な生産ストップ→残りのポテチ争奪戦となったのは記憶に新しい。オークションサイトも相当騒がしかったし。
しかしこれに関しては、事態が事態だけに「今年限りの特殊要因」と見てよさそう。
もっとも天災は忘れた頃にやってくるものであるが。
むしろ海外要因に心配が
決算音声を聞いて「こっちのほうが心配」と感じたのは、海外での売り上げ状況だ。
現在主な市場は北米と韓国なのだが、どちらも好調とは言いがたい。
とくに北米では「大口の需要に応えられなかった」という、一番まずいビジネスチャンスの損失というやつで大幅な減収、韓国は「慢性的な赤字体質」が続いているらしい。
今後会社が期待しているのは、インドネシアや香港といった他のアジア地域で、これはまだ販売が始まったばかり。これから収穫期になるようだ。
海外市場で最初苦労するのはどこも同じ。
良い製品なのだから、あとは売り方、チャンスの生かし方かと思うが、そこはカルビーのこと。このまま手をこまねいてはいまい。
さて株価の見通しは…
上場以来、株主にいい夢ばかり見せてくれた「テンバガー食品株」にも大きな曲がり角が訪れている。
もっとも売られたとはいえPERは現状でまだ28倍。プレミアがつきやすい優良株だが、決して割安ではない。
さらに日本市場は四半期決算が好調だった企業が続出中。
カルビーの魅力そのものが薄れつつある中、買い場探しにはもうひと工夫必要だ。
週足チャートでみると、直近の急落を受けて過熱感はなく、また一目均衡表の雲の上限が4000円で横ばっているので、当面はここらあたりが落ち着きどころ。
雲の下限が3700円(日足のV計算値もちょうどその辺)あたりなので、そこは1回買う手がありそう。
急落の後は「下値で揉む」というのがセオリー。
したがって「年内の急回復」はないけれど、2016年下値とのダブルボトムが確認されれば、買って長期投資にはうってつけの銘柄と思うが、果たして…。