よ、4万円!任天堂の株価はどこまで正当化できるか
- 2017/07/02
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倍になって5割下がってまた…
最近の日本市場の牽引役といえば、任天堂。
思えば「ポケモンGO」で火がついたあの「2016任天堂祭り」は単なる序章でしかなかった。
株価は一気に2倍になったが、そこから5割調整した時点では相当数の人が「ふう、終わったか」と感じたはず。
ところがその残り火はジワジワとくすぶり続け、ついに今年「NINTENDO SWITCH」発売、続いて「ゼルダの伝説」大ヒットをうけて、ポケモン高値を抜く勢いとなった。
次の株価ターゲットはもちろん4万円なのだが、はたして何がどうなれば4万円を市場が認めるか、投資家は固唾を呑んで見守っている。
PERは驚異の100倍
バリバリのIT銘柄でもなし、フィンテックでもなし。
ゲーム機とソフトが売れて、マリオでなんぼの製造業である一企業に「PER100倍」がつくことは異常事態である。
リーマンショック時のように、いっとき赤字に転落し、利益がまったくなくなった瞬間、PERが異常値を示すことはある。
しかし、絶好調の会社が昨日も今日も株を買われて達する100倍は、どんな「先見の明」をもってしても、10年、50年向こうの何かが見えていなければおかしな話。
とすると、今度こそ祭りの最終章である可能性が高い。
投資家はそれを知りつつ、強いものに巻かれろ戦略で今日も明日も買い上げて利益を出しているのだ。
市場は広い気がして狭いもの
製造業がどんなヒット商品を出そうが、またそれが世界を席巻する勢いで売れようが、いつか必ず「みんなに行き渡る日」が来る。
過去の据え置きゲーム機しかり、携帯しかり、車もしかり、だ。
行き渡れば、そこでおしまい。
少し熟して、あとは衰退をたどる。
たとえば市場規模が「1兆円以上」あったとしても、それを1社が総取りできる時代ではないし、ときには後発がさらに強くなり、先発が倒れることもざらにある。
いま、任天堂の時価総額はソニーを超えたそうだが、これも栄枯盛衰、再び逆転する日だってくるだろう。
モノの市場とは、大海のようでありながら、明日にも航海の終わりにぶち当たる危険をはらんでいるのだ。
株価4万円はちとキツいけど
一方で、任天堂という株にはそういう爆上げ爆下げの性格をはらんできた歴史がある。
07年には同じくフィーバーで7万円!をつけ、その後なんと3年をかけて調整し、2万円まで下落したことも。
古い四季報を見ると09年底値株価2万円時のPERは平均15、6倍であり、ごくふつーのゲーム屋さんに逆戻りしている。
今回、まだ高値をつけないうちに「下がる下がる」詐欺はまずいと思うが、誰かが「今回の任天堂は違うって!」と言い出したらそこで売るのが一番よいと思う。
「今回の相場は違う」は、当たったためしがないだけに。