なぜ今あえて定額?サブスクリプション・サービスってどんなもの?
- 2019/01/31
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20年前に出会った赤ちょうちんサブスクリプション
オジサンがまだ駆け出しの社会人だったころ、関連会社でお世話になっていた人に飲みに誘われた。
自分よりもふた回りくらい年上の陽気な方で、その夜はいわゆるなじみの「赤ちょうちん」に連れて行かれ、けっこうごちそうしてもらった。
帰り際「んじゃあ、大将ごちそうさん!」と声をかけ、その方がお会計もしないで帰ろうとしたので、驚いて「○○さん、お勘定いいんですか?」と聞いたら、
「ああ、ええねん、ええねん」
「すごい信頼関係ですね。ツケですか?」
「ふふ、そうじゃないねや。月々きちんと大将に渡してあるんよ」
「???」
「毎月3万渡して、あとは適当にみつくろって、飲ましてもらうねん」
これがオジサンにとって初めての「サブスクリプション・サービス」なるものにふれた瞬間だったと思う。
サブスクリプションと仲がいいものとは
赤ちょうちんサブスクリプションは後にも先にもこの方しか聞いたことがない特殊例だが、それから20年経った今になって「定額制」というキーワードが盛んに発せられるようになった。
とくにファッションや音楽、飲食などの分野で、サブスクリプションサービスを導入するところが増えている。
その要因は何と言っても「ネット社会の成熟」だろう。
スマホで簡単に商品の情報が入る時代。決断さえすれば購入もまた簡単にスマホで済ませられる。
しかしあえてそれらファッションや音楽の購入に「定額制」を用いる理由は他にもあるはずだ。
▼パターンその1 好きと嫌いがハッキリ分かれる商品
ファッション、音楽、赤ちょうちん?…どれもすべての商品メニューが好意的に扱われるものではない。
Aさんはこれが好きでも、Bさんは嫌い、またAさんの中でもこれは好きだけどこれは嫌い、ということが絶対にある。
しかし、好きなものを好きな人だけに届けるシステムは、やたら手間がかかる。そこで…
定額制だと基本「好きも嫌いもまぜこぜのラインナップ」が多い。
購入者は好きなもので元を取るプラスおまけいくつか、を体験できるし、また販売者は万人の「どれか」に当たる確率が高いラインナップを用意すれば、スムーズにサービスを拡大することができる。
▼パターンその2 できるならお試しをしてみたい商品
本当なら決して手にできないモノやサービスが、「10日間」とか「3,000円」といった区切りを付けることで、誰でも少しだけ体験できるのが嬉しい。
クルマや化粧品、家電といった高級商品ものや、ちょっと外で買うのが恥ずかしいもの、またモノではなく「だれだれに○○をやってもらうこと」が定額制サービスだということもある。
品物でないサービスは、案外サブスクリプションといい関係になれる可能性がある。
変わったサブスクリプションサービスをご紹介
▼家電のお試し定額利用 ノジマ、パナソニックなど
サービス名称は「レンタル」という言葉を使うようだが、家電量販店のノジマでは商品の10%料金で7泊8日の家電レンタルを受け付けている。
量販店で詳しく商品説明を受け、ちょっと買いたい気分になっても、購入にはあと少し背中を押して欲しいときがある。
それならちょっと「借りちゃえ、貸しちゃえ」というのがこのサービスのキモで、けっこう好評だという。
また2020年にはパナソニックも家電の定額利用サービスを始めるというし、これが実店舗購買回帰のきっかけになるかどうか。
▼洗濯からの解放 定額制ランドリー
まだ首都圏に2、3店舗あるだけらしいのだが、月額会員制で忙しいアナタの代わりに洗濯をすべて引き受けてくれるサービス。
プランは「預け放題」と「定額制」にわかれる。
預け放題は、文字通り洗いから乾燥、畳みまでお任せしちゃうコース。
定額制は、自分の好きな日、時間に洗濯ができるプランで、洗濯物がたまった日や緊急時だけ使えるプランもあるとか。
洗濯機までは用意できない環境にいる人や、主婦でも洗濯だけがどうしても苦手、という人向けの家事お助けサブスクリプション、といった感じか。
▼トランクルームがいらない 収納サービス
とにかく部屋が片付かない人、床が荷物であふれかえっているYouTuberみたいな人にはうってつけの、定額制収納サービス。
スマホでボックスを取り寄せたら、荷物を詰めて集配サービスに預けて、ハイ完了。預かってくれるのは「倉庫会社」という老舗のプロ収納業だから安心。
出したいときもスマホで管理でき、本当にいらないようならオークションサイトに連動しておまかせ出品も可能と、まさに自分の衣装部屋がひとつ増えた感覚で収納に困らなくなる。
これらどのサービスもいい線をついた料金設定になっており、1度試したくなる感じ。
今年はいよいよ定額制サービス爆発元年となりそうだ。