先を読めるビジネスマンが今、注目している国とは
- 2018/05/03
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欧米が世界をリードする時代はもうすぐ終わる
日本の少子化は年々深刻な問題になっています。2016年に誕生した赤ちゃんは97万6979人で、統計を開始した1899年以来はじめて100万人を割り込みました。一方で高齢化も進んでおり、亡くなる人の数が誕生する赤ちゃんの数を上回っているため、日本の人口は毎年30万人ほど減り続けています。この傾向は欧米諸国にもみられ、アメリカ、フランス、イタリアなどが少子高齢化による人口減少に頭を悩ませています。
しかし、主にこの問題を抱えているのはいわゆる先進国。世界的に見ると人口は年々増加しており、国連の推計では2050年に現在の約76億人から約98億人になると予測されています。人口だけが国の規模を決めるわけではありませんが、国民が多ければそれだけ税収も市場も豊かになります。やがて人口が減った欧米諸国は発言力が弱くなり、人口が増えた国にリーダーの立場を明け渡すでしょう。
「2050年なんて自分はもうご隠居さんだよ」と思うオヤジも多いかもしれません。しかし実は、これから人口が増える国はすでに活気づいており、市場の争奪戦がはじまっています。デキるビジネスマンならぜひ意識しておきたいところ。
では、その注目の国とはどこでしょうか。
人口とともに経済の伸びが著しいナイジェリア
2050年に人口が多いと推測される国のトップ3は以下です。カッコ内の数字は2017年の人口→2050年に推測される人口を表します。
1位・インド(13億4000万人→16億6000万人)
2位・中国(14億1000万人→13億6000万人)
3位・ナイジェリア(1億9089万人→4億1064万人)
現在1位の中国と2位のインドが入れ替わり、7位のナイジェリアが急上昇しています。1位と2位からは現在とあまり変わらずアジアが強い印象を受けますが、増加率から考えればナイジェリアは約2倍の伸び。これに対してインドは約1.3倍、中国はほぼ横ばいながら減少しています。市場として勢いがある、注目の国はナイジェリアなのです。
ナイジェリアは世界有数の石油産出国で、石油の輸出が経済基盤となっています。しかし2000年代後半から石油依存体質を改める経済政策に乗り出しており、現在は流通業やIT関連産業のGDPに占める割合がそれぞれ10%超まで伸びてきました。
ただし経済が成長しはじめたばかりなので、産業設備やインフラが整っていない地域も多く、ここに日本企業のビジネスチャンスが眠っているといえるでしょう。実際、三菱ふそうや住友ゴムなどの大手企業がナイジェリアに工場や販売代理店を展開しており、早期のシェア獲得を狙っています。
アフリカを制す者がこれからのビジネスを制す
それでは、2050年に人口が多いと推測される国のトップ3以降はどうなっているでしょうか。上位10国は4位から順にアメリカ、インドネシア、パキスタン、ブラジル、バングラデシュ、コンゴ、エチオピアとなっています。欧米諸国はアメリカのみで、ほとんどがアジアとアフリカの国です。2100年にはアジアとアフリカの国だけで世界人口の90%に達するという推計もあり、将来的にはアジアとアフリカが世界をリードするでしょう。
もっとも、アジア諸国でも日本はもちろん韓国や台湾は人口減少問題を抱えており、勢いのある国は限られます。やはりこれからの注目株はアフリカなのです。
中でもエチオピアはインフラ整備に積極的で、日本企業のよきビジネスパートナーになってくれる可能性を秘めています。長らく紛争が続いているコンゴは、進出の難しい国かもしれません。しかし金やダイヤモンド、精密機器に欠かせないレアメタルなど豊富な金属資源が魅力です。実はこの金属資源が武装勢力の活動資金となり、紛争拡大につながっているので、経済の健全化のためにも優良なビジネスパートナーとの連携が望まれます。
まだ政治や経済への不安を否定できない国が多いアフリカですが、成長が頭打ちの欧米諸国よりも大きなビジネスができる可能性を秘めているのです。