外国人労働者が自分の部下になったら気をつけるべきことは
- 2019/06/12
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外国人労働者受け入れの広がり
今年4月1日、出入国管理及び難民認定法、いわゆる出入国管理法の改正法が施行され、外国人の新たな在留資格「特定技能」によって労働目的での入国が可能になりました。特定技能には2種類あり、「特定技能1号」は業務や日本語のスキルを保有していれば最長5年の日本在留を認めるもので、「特定技能2号」は高度で専門的なスキルを保有していれば日本在留期間を更新できるものです。外国人労働者を受け入れる分野は介護業や宿泊業など人手不足が懸念される14業種で、特定産業分野と呼ばれます。
このような改正が行われた背景には、日本の労働人口の減少があります。出生率の低下に伴って日本の人口は減少しており、特に若年層が少ないことから人手不足が深刻化しているため、これを外国人労働者に補ってもらおうという意図なのです。
今まで日本では労働目的の外国人の入国を認めていませんでした。しかし外国人のスキル取得を助ける目的の技能実習制度では、実習生が事実上の人材不足を補う労働力となっている現実があります。また外国人留学生は基本的に週28時間のアルバイトが認められているため、留学生の資格で入国して実際には勉強せず労働する外国人もいます。このような歪みを解消することも改正の目的のひとつです。
外国人労働者が日本で感じる働きにくさ
このように日本は外国人労働者を歓迎する体制を取っていますが、実際に日本で働いた外国人はさまざまな働きにくさに直面するようです。マイナビが日本でアルバイト経験のある15歳以上の在日外国人294名に実施した「在日外国人のアルバイト意識調査」では、次のような結果が報告されました。
日本で働いてみて感じた母国とのギャップでは、1位が「挨拶・マナーが厳しい(39.1%)」、2位が「時間に厳しい(36.1%)」、3位が「上下関係が厳しい(34.7%)」となりました。日本では常識とされている挨拶や時間厳守が、外国人には難しいと感じられるようです。
また、アルバイト探しで魅力を感じる条件では、1位が「外国人を歓迎している(48.6%)」で、2位の「給料が高い(41.8%)」を上回りました。給料の高さに魅力を感じて日本に来る外国人労働者は多いですが、実際に働くとなると働きやすい環境をより重視することがわかります。
しかし現状では、外国人労働者が日本でアルバイトを探す際に大変だと思うことの1位は「外国人が勤務可能な求人が少ない、又は限られている(40.1%)」となっています。受け入れ態勢が整っていないと感じる外国人が約4割もいるのです。法改正の効果が出るにはまだ時間がかかりそうですね。
常識を伝えるだけでなく相手の常識も理解しよう
それでも日本で働く外国人労働者は2018年には約150万人となり、10年前と比べて約3倍にまで増えています。都心のコンビニでは外国人労働者を見かけない日のほうが少ないくらいですよね。
これからは特定産業分野の多くの職場で外国人労働者が雇用され、立場のある方なら外国人の部下を持つ可能性があります。すでに外国人の部下をお持ちの方も多いでしょう。
もし外国人労働者がルールやマナーを破ったとしても、「非常識だ」と頭ごなしに叱らないよう注意してください。先ほどのアンケート結果からもわかるように、日本での常識は外国人にとって想像が及ばない場合も多く、守ることが難しいのです。悪気があって迷惑をかけているわけではないので、日本ではどうするべきか説明しましょう。
言葉の壁もあり、会話を億劫に思ってしまうかもしれませんが、一緒に仕事をする仲間とのコミュニケーションはビジネスに欠かせないもの。日本の常識を理解してもらうだけでなく、相手の国ではどのようなことが常識なのかを聞いて、相手を理解する努力も怠らないことが大切です。聞く態度は相手の信頼も得られます。
こちらの常識を守らせるだけでなく相手の常識も理解して、お互いに快適な関係で仕事に臨んでください。