体を動かさなくても筋トレはできる？！

アスリートの世界ではよく「トレーニングは脳内だけでも実施できる」と言われます。つまりイメージトレーニングのことですね。

動作している自分の姿を頭の中で明確に描くことによって、実際に体を動かした時のパフォーマンスが向上する、というのがイメージトレーニングに求められる効果です。
そして、イメージトレーニングの上手い人というのは、頭の中でボヤッと何かを思い浮かべるのではなく、極めて詳細かつ明確な映像を脳内に映し出す事ができるのです。

さて、このイメージトレーニングについてはその有効性を疑問視する人も多いのではないでしょうか。
「そんなの気持ちの問題だろう」とか「スピリチュアルとかオカルトの類じゃないの？」と考えている人もたくさんいるはずですね。

ところが、このイメージトレーニングについては欧米ではハッキリとしたエビデンスのある効果的なトレーニング方法であると位置づけられているのです。

イメージトレーニングが上達すれば体を動かすこともなく筋トレの効率を上げることができます。これって正に大人のトレーニング方法、ですよね。

今回はイメージトレーニングの具体的な方法や筋トレでの活かし方について解説していきましょう。

 

イメージトレーニングの実証結果

アメリカで行われたイメージトレーニングの効果の実証実験によると、例えば大腿四頭筋の強い収縮を脳内でイメージし、その後実際に脚の筋トレを行ったグループと、イメージを全くすることなく単純に脚の筋トレを行ったグループとでは、その結果に12％以上もの差が生まれたとのことです。

他にも海外ではたくさんのイメージトレーニングの効果を実証する研究が行われており、専門的な競技種目だけでなく筋力トレーニングのような単純な動きにも、事前のイメージトレーニングは効果があることが確認されているのです。

 

イメージトレーニング導入法！

効果のあるイメージトレーニングにはコツやテクニックが必要となります。例えば上記のアメリカでの実験ではイメージトレーニングに30分もの時間が費やされていました。体は全く動かさないとはいえ、30分間筋肉が収縮するのを頭に思い浮かべ続けるのはなかなかしんどい作業ですよね。

そこで、もっと手軽に、効果のあるイメージトレーニングが出来ないものかと編み出されたのが次の方法です。

まず、通常の筋トレ種目を１セット実施します。そして次に、インターバル中にたった今実施したトレーニング内容を頭に鮮明に思い浮かべるのです。1セット30秒掛けて行ったバーベルカールであれば、同じように30秒間イメージします。そしてこれを3回繰り返してから実際のバーベルカールの２セット目を行うのです。

このやり方はフランスの研究者が考案したものですが、これなら大して時間も掛かりませんし、直前に行ったトレーニングの内容をそのまま思い浮かべるだけですから明確な映像を頭に浮かべやすいと言えます。

イメージトレーニングがなぜ効果的なのか、それは神経系に作用するからだと考えられています。トレーニングしている自分や筋肉の収縮をイメージすることで脳の運動野と呼ばれる部分が活性化するとの説が一般的となっているのです。

 

シチュエーション想像でテンションも上げよう！

さて、イメージトレーニングの他にも我々トレーニーは筋トレ中にテンションを上げる方法をいくつか知っておく必要があります。

例えば、自分がコンテストに出場し決勝戦まで勝ち残って最後の審査を受けている姿を想像してみましょう。眩しいスポットライトを全身に浴びて会場中の注目が自分に集中しているようなシチュエーションです。

目を瞑って頭の中に映像を浮かべればそれだけで興奮し体温が上昇、じわっと汗ばんでくる感覚があるのではないでしょうか。

上手くテンションが上がればアドレナリンが分泌されてより強い力が発揮できるようになります。そうなれば筋トレに対するモチベーションもどんどんアップしますね。

我々の体はなんだかんだで脳が支配しています。脳のコンディションを自在に操る術を覚えれば筋トレのクオリティもバンバン上がるというわけです。