糖質制限って、やりすぎると死ぬってマジなの?健康百寿とどう違う?
- 2018/04/17
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痩せると話題の糖質制限だが、糖質さえ制限すれば他は何を食べてもOK!という間違った考えが横行している。
その結果、短期間で体重は落ちたはいいが、肥満の時に抱えていた持病が悪化し、死に至るケースが相次いでいるというのだ。
では、彼らと対局の生活を送る健康百寿の人と、どう違うのか?
実際に糖質制限しすぎで死亡した有名人の例や、健康百寿の人に共通する事柄を例にとってみよう。
糖質制限で命を落とす人には、パターンがある
糖質制限は、ほどほどにやる分には問題ない。
問題なのは、以下の項目に属する人が、のめり込んでしまい、ダイエット依存症になることだ。
1:高血圧、糖尿病など、生活習慣病がある。
2:糖質炭水化物をやめれば、揚げ物、お酒、塩辛いものはOKだと思っている。
3:成功体験に依存しやすく、一気に体重を落としたい。
4:実は頑固である、嗜好品が好き。
この4つのうち、半分当てはまれば要注意だと、生活習慣専門医は警告しているのだ。
実際に糖質制限で大幅に体重を落とした有名人たちは、近年命を落としている。
ゲームクリエイターの飯野氏は炭水化物抜きダイエットを行っていたが、持病の高血圧が酷くなった。炭水化物以外は、揚げ物やお酒、塩分の量を気にしなかった結果、動脈硬化を引き起こし、享年41歳で急死した。
恋愛リアリティッショー出身のカメラマン・DJの今井洋介は好物のラーメンを絶ち、酒もタバコもやめ、100kgの巨漢から65kgのスリムな体型に変身し、周囲を驚かせた。
だが、一気に体重を落とした事や、嗜好品をいきなりやめた事で、体中の臓器に負担がかかり急死、享年31歳だった。
彼らの死も衝撃的だったが、糖質制限で死ぬパターンを全て踏襲し、さらに医者のいう事を全く聞かなかった上、死亡した有名人が居る、誰なのか。
やり過ぎると筋肉も削るダイエット
糖質制限ダイエットを著作で広め、『おやじダイエット部』を結成した事でもしられるホテルジャーナリスト・桐山秀樹氏。
彼が’16年2月6日、都内のホテルで心不全で急死した事は記憶に新しい。
死因は糖質制限だったのだ。
桐山氏は、糖尿病の克服術を糖質制限で乗り切った体験を夕刊フジに連載。
3か月で15k痩せ、さらに体重を落とし、87kgから20kg体重を落とし、体験を元にダイエット本やレシピ本を上梓。
だがこれに日本糖尿病学会が『総エネルギー量の制限をせずに、糖質の量を極端に制限して減量を図るという行為は、長期的食事療法として、安全性や科学的根拠が認められない。』と反発した。
それに追い打ちをかけたのが、栄養学の専門家で『粗食のすすめ』でマクロビオティックを推奨する幕内氏。
幕内氏は、糖尿病の食事療法で、カロリー計算をしても病状が改善しない人々を追跡調査した結果、彼らの食事の質に問題がある事を指摘。
食事は一種の人体実験である、時間をかけて少しづつ体の中で結果が出るものなので、長期的視点から考えると、極端に炭水化物や糖質を減らす糖質制限は勧められないと著作の中で反論した。
これに対し、桐山氏は猛然と反論し、最後まで戦い抜くと宣言した翌年に亡くなっているのである。
桐山氏の著作は、アマゾンでもレビューが70件近くあり、確かに効果はあるとレビュワーは言っている一方で、桐山氏程、ストイックにやるべきではなく、あくまで参考程度に取り入れるべきだというのが、正直な感想なようだ。
桐山氏の死に対して、医学博士の中原秀臣氏(山野医療専門学校副学長)は、
行き過ぎた糖質制限で、生命維持の為に必要な臓器の筋肉からブドウ糖が作られた結果、心不全が起こったのでは、と推測をたてている。
生命維持の為には、ブドウ糖が必要だが、行き過ぎた糖質制限を行っている人の体の中では、体内で筋肉を分解してブドウ糖を作り出している状態となっているというのだ。
それを『痩せた』と本人は勘違いしているのだから怖い話である。
糖質制限死ぬ人と健康百寿の違いって
人生100年時代と言われ、健康百寿の人もいれば、脳梗塞の末に長患いの末になくなる人も居る。
間違った糖質制限で、動脈硬化、脳卒中や、脳梗塞、心筋梗塞が起こりやすくなり、死につながるという事は判った。
正直、ポックリ死ねるといいが、長患いするのはごめんである。
ならば健康長寿の人と行き過ぎた糖質制限をしている人はどう違うのか。
新潟大名誉教授の岡田正彦氏によると、欧米では糖質制限をしている人、そうでない人の、追跡調査が既に行われており、3,5,10,15年で、生活習慣病罹患率、疾病の有無がデータ化されているという。
さらにこれに、健康長寿の人の衣食住のデータを重ねると驚くべき事実が明らかになったというのだ。
糖質制限を厳しく行ったグループと、健康長寿で腹5分目の食事と、ほどほどの散歩を心がけている人を比べた所、情報伝達物質(サイトカイン)の一種である、インターロイシン6(IL-6)の量が全く違ったという。
この数値は高ければ高い程、体の中の炎症反応は多くなり、免疫力が下がるのだが、健康百歳の人程、この値が低い上、サプリメントを取らなくても、健康でいられるというのだ。
心筋梗塞・脳梗塞に詳しい真島消化器クリニックの真島康雄院長によると、『炭水化物だけ制限していれば、生活、他の食習慣がめちゃくちゃでもいいと思っている人が多すぎる。』と嘆く。
実際に真島氏の所に来た60代の患者は、動脈硬化だったが、食生活を聞いてみると、魚ばかり食べていたとか、トンカツとお酒とコンビニフードがやめられないので糖質制限をしたという笑えない話だった。
真島氏の患者の例を考えると、飯野氏、今井氏、桐山氏が何故亡くなったのか、理解できるだろう。
糖質制限を自分の都合のいいようにとってはいけないのだ。
ダイエットは、ほどほどに長期間かけて
それでも、糖質制限は効果があるじゃないかと声をあげる人がいるかもしれない。
極端な事をやらなければいいのだ。
一日の食事摂取量のうち6割が炭水化物と糖分と言われているが、これを5割に減らし『質』と『食べる時間』を見直す事で、健康状態が変わる。
その他にも、肉、野菜、タンパク質の量をほどほどにし、一回に食べる量を少なくする事も大事だ。
筆者は13kgを1年かけて落としたが、糖質制限ではなく、衣食住のバランスを考え直して落とした。
オヤジのダイエットは、長期間、マイペースでやらければ、健康をそこなう危険性がある。
面倒だからと、三か月で腹筋をバキバキに割れるメゾットや食事法に飛びつきたい気持ちもわかるが、そんなものは幻にすぎないと頭に叩き込んでおこう、死ぬよりましなのだ。