稀勢の里の横綱成績がまずい!?金星を許した数ワーストは誰なのか?
- 2018/12/07
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横綱の成績が悪いと、相撲協会も頭が痛い
貴景勝関が初優勝!!角界期待のホープの活躍に、大いに盛り上がった九州場所だったのですが、その一方で対照的だったのは上位陣の不甲斐なさ。中でも、一人横綱として挑んだ稀勢の里関は、4日目に栃煌山関に敗れると、翌日の玉鷲関とは不戦敗、その後は休場。0勝5敗9休という成績で九州場所を終えました。
これで稀勢の里関の今年に入ってからの成績は11勝14敗65休、横綱としての通算成績は36勝31敗98休。これに一番頭を痛めているのは恐らく横綱当人なのでしょうが、頭を痛めているという点では相撲協会も同じこと。
というのも、稀勢の里が金星を支給するたびに、勝った力士に金星手当を払わなければいけないから。これだけ横綱が負け続けると、出費がかさんでしょうがないからです。
金星を手に入れると、手当てがつく仕組み
「金星」とは三役(大関・関脇・小結)以下の力士が横綱に勝利すること。
取組みに勝つだけでなく不戦勝でも金星は金星ですから、今場所の玉鷲関はラッキーということになります。
格上の横綱に勝ったという金星は名誉ですが、それだけではありません。同時に「金星手当」なるお金も支給されますから、平幕力士にとって非常においしいのです。
力士の給与は番付によって上下する「月給」、9月と12月に1月分出る「賞与」以外にも様々なものがあり、「力士褒賞金」に含まれるのが金星手当。
これは本場所の成績に応じて支払われるもの。優勝したり、昇進したり、勝ち越したりすると金額が加算されていく仕組みになっており、金星は1個あげるごとに4万円の加算。
これが力士を引退するまで、本場所の度に支払われるのです。
例えば、現役最多となる8個の金星を獲得している嘉風関は、本場所の度に32万円の手当てを支給されている計算になる。それが年6回ですから、年間192万円の金星手当が手に入ります。
力士やプロレスラーの隠語に「金星=美女」というものがありますが、実入りという点では美女よりも、本当の金星のほうがはるかにおいしいのです。
弱いからといって、金星を配給するわけではない
ちなみに、現在まで稀勢の里関が配給した金星は16個ではありますが、上には上がいるもので、ワーストの金星配給は実に53個。
この記録を持っているのは、2015年にこの世を去った元・理事長の北の湖敏満氏。しかし、「憎らしいほど強い」と呼ばれただけあって、北の湖関は名横綱。金星支給数が多いのは63場所、10年以上という長期間にわたって横綱に在位したから。
一場所当たりで計算すると、0.84個、これに対して稀勢の里関は配給数ワースト10にこそ入っていませんが11場所で16個、一場所あたり1.45個となりますからいただけません。
金星配給ワースト2といえば、貴ノ岩関への暴行事件で引退した日馬富士関の40個。こちらは31場所で達成していますから、一場所あたり1.29個。稀勢の里関はこれを上回るハイペースぶりです。
ワースト3は39個で、先日亡くなった輪島関と渦中の人物、貴乃花関が並ぶのですが、それぞれ47場所と49場所での達成。輪島関は一場所あたり0.83個、貴乃花関は一場所あたり0.80個ですから、こちらは両者とも名横綱と呼ばれるのにふさわしい成績だったといえるでしょう。
逆に金星の配給が異様に少ないのは、歴代横綱最強の呼び声も高い白鵬関。
彼が配給した金星は、横綱在位数が68場所に対してたったの19個。一場所当たりに直すと、たったの0.28個という数字になりますから、やはり白鵬関の強さが際立ちますね。
近年、座布団が舞わない理由は横綱が弱いから?
そして、金星のつきものといえば、観客が投げる座布団だったのですが、近年ではめっきり見られなくなったのは、投げることが難しい「新型」の座布団が採用されたため。
グループで利用することができるマス席の座布団を、1枚ずつ独立している通常のものから、2枚がつながった大型のものに変更し、さらに2枚を連結したからです。
この変更により座布団を投げるには、座布団の連結を外したり、マス席全員が立ちあがる必要があったり、座布団自身の重量も増加したりで、空を舞う座布団は激減。2008年のことでした。
座布団が飛ばなくなったのは、金星がじゃんじゃん出るからではないのですね。
稀勢の里関には奮起を期待したいものです。