スポーツ選手がけがをするとよく全治何ヶ月というけど本当の意味は?
- 2018/08/27
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全治は治療を要する期間
全治2週間の怪我をした。という場合、2週間もすれば怪我が治ると考えるオヤジも多いでしょう。実際、全治2週間程度の診断であれば、2週間後にすっかり治っていることも珍しくなさそうです。
しかし、全治という概念は、もう少し微妙なものだとされています。まず、全治は「全治療期間」の略語として使われているものです。つまり、治療をしなければならない期間であり、治癒させるために必要な治療期間をいいます。
そして、ここで行われる治療は怪我なら怪我そのものについてのものです。怪我は治ったけど、以前のように動けなくなったというケースがあります。治癒を完治と考えるなら、以前と同じように動けるまでは治っていないといえます。しかし、全治を使う場合は、その怪我だけが対象となるため、動けるようになるまでの期間は入りません。
たとえば、スポーツ選手の怪我が「全治3ヶ月」という場合、3ヶ月で怪我そのものは治療の必要がない程度に治るとしても、ゲームに復帰できる状態になるまでリハビリを続けなければならないことがあります。
このリハビリ期間が何ヶ月なのか、年単位でかかるのかはわかりませんが、全治には一切反映されません。したがって、全治3ヶ月といっても、3ヶ月経てば復帰できるわけではないのです。
さらに、後遺症が残るようなケースでは、全治を使う意味があるのか? と疑問に感じることもでてきます。とはいえ、完治するまでの期間はわからないことも多く、全治を目安として使う方が無難だとの考え方もあります。
ただ、この全治の定義そのものは、法的な根拠を持つものではないため、完全に同じ意味で使われているという保証はありません。とはいえ、通常は医師が使用する文言であり、治療に必要な期間として使用されていることは間違いないようです。
もちろん、同じ状態でも期間の判定が医師によって異なることはあり得ます。あくまでも、それぞれの医師が見込んだ期間が全治だからです。
全治何ヶ月から重症か?
さて、全治1週間程度ならほとんどかすり傷程度であることが多いでしょう。全治2週間でも薄っすらと見える程度というケースがあります。それでは、全治何ヶ月からが重症と呼ぶべき状態なのでしょうか?
一応の目安として、全治一ヶ月を軽症と重症の境界とする考えが一般的なようです。一ヶ月未満なら軽症で、一ヶ月以上になると重症という区分けになっています。ただし、全治はあくまでも見込み期間であることから、必ずしもその日数で治療の必要性がなくなる程度に回復するとは限りません。
そのため、マスコミなどでは全治一ヶ月とは呼ばずに、単に重症と呼ぶことがあります。なにより、先ほど述べたように、スポーツ選手の場合は怪我そのものが治ったとしても、すぐに元どおりのプレーができる状態になるとは限りません。また、身体は動くようになっても、ブランクの分だけポテンシャルが下がってしまうことも考えられます。
その結果、復帰までの期間が全治よりも相当長くなることもあるでしょう。こうした事情も考慮すれば、単に重症とした方が誤解を招く可能性が低いといえます。
ここでもうひとつ疑問が出てきます。全治2週間の軽症だったとしても、元どおりに動けるようになるまでにさらに期間を要するケースもあるのではないかという点です。その程度の怪我であれば、その後の影響が大きいとは思えませんが、可能性としてはあり得るでしょう。
場合によっては、軽症なのに後遺症が残るということがあるかもしれません。ここまで考えると、スポーツ選手の怪我の全治や軽症、重症の別から離脱期間を推定するのはやめた方がよいかもしれません。
すぐに復帰するかもしれないし、何年もかかるかもしれない。極端にいえば、このような結論になるでしょう。
ともあれ、全治はあくまでも「その怪我自体に直接かかる治療期間」であることをおぼえておきましょう。