プロアマでの不適切な対応~日本ゴルフの正念場
- 2018/06/13
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片山プロの不適切な対応問題
5月30日に行われた、森ビルがスポンサーを務める「日本ゴルフツアー選手権・森ビルカッププロアマ大会」において、アマチュア招待プレーヤーと組になった片山晋吾選手が不適切な対応を行ったとして、ゴルフ界では大きな問題になっています。
プロアマ大会は、通例としてツアー選手権試合の前日に行われるもので、そこではプロ選手が「招待客」であるアマチュア選手と一緒にラウンドしながら、コミュニケーションを図るのが本来の行動原則だとされているようです。
ところが、この日の片山選手は、待ち時間などに招待客を放置して自身の練習を行っていたといわれており、この行動に対して、アマチュア選手がプレー続行を断念して帰ったというものです。
詳しいルールやマナーを知らないオヤジにしてみれば、褒められた話ではないが、ルール上の問題なの?と思うところだといえます。そして、ちゃんと決まりがあるということに驚きです。さすがは紳士のスポーツというやつでしょうか。
その決まりとは、JGTO日本ゴルフツアー機構の準則で、同伴するアマチュアへの不適切な対応や不快感を与える態度を禁じています。若干、具体性に欠ける感はあるものの、常識的な判断をすれば抵触することもなさそうな決まりといえるでしょう。
片山選手といえば、ツアー通算31勝をマークしており、永久シード選手にもなっているトップ中のトップ。その彼に何があったのか、内面を知る術はありませんが、この準則に違反していることは間違いないと見られており、日本ゴルフツアー機構としては、何らかの処分を下す可能性が高くなっています。ちなみに、日本ゴルフツアー機構の会長は、あの世界の青木、青木功さんです。
処分が下るかどうかは、調査委員会の調査を経て、懲戒・制裁委員会で決定されます。また、再発防止への動きも始まっているようです。
オヤジのゴルフ離れに加速も?
高度経済成長期を経て、バブル経済が崩壊する頃までは、サラリーマンの必須の趣味といえば、マージャンかゴルフ、若しくはその両方といっても過言ではなかったくらいに多くのオヤジが参加していたスポーツ。それがゴルフです。
ゴルフもマージャンも、接待に使用される定番であり、賭けが公然と行われていた点でも共通しています。そして、若者はこのどちらもやらないという人が増えているといわれています。若者がやらないのは、その上の世代であるオヤジ世代が、すでにマージャンもゴルフもやらないことに抵抗がなくなっているからだともいえるでしょう。
かつては、接待をはじめとして、社内の付き合いも絡んでいたものの、時代の変化で無理して付き合う必要が減ったこととも無関係とはいえません。賭けゴルフというマイナスのイメージが払拭されるという意味では、接待ゴルフ人口が減ったのはよいことなのかもしれません。
それはともかく、結果として、ゴルフ離れという現実がある以上、ゴルフ界もファンの獲得に安閑としていられない危機感があるでしょう。日曜朝のサンデーモーニングというテレビ番組では、スポーツコーナーでゴルフに触れていますが、視聴者の年齢層は高そうで、若年層が興味を持たないと先はありません。
最近は、女子プロツアーの注目度が上がっていること、石川選手や松山選手などの若手が活躍していることなどもあり、ゴルフ人気が再び高まっています。そんな中での出来事だけに、対応を誤ることはなんとしても避けなければなりません。
不祥事の対応といえば、日大アメフト問題の大炎上があったばかりですから、危機感は相当なものだと考えられます。下手をすれば、さらなるオヤジのゴルフ離れにつながる可能性もあります。まさに、日本ゴルフの正念場といえる状況です。
この問題の行方には注目するとして、暇をもてあましている運動不足のオヤジなら、打ちっぱなしに行くのも悪くない選択肢のひとつです。