新潟名物芝千直の申し子 プリンセスムーンが新時代を切り拓く
- 2016/07/28
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「外枠」「先行」「ダート馬」狙いの時代に終止符?
Cheryl Ann Quigley / Shutterstock.com
いきなりそこまで断言する気はないが、とにかく日本で一番極端な適性を試されるレース、新潟芝千の直線競馬に少しずつ変化が現れている。
以前なら「枠は絶対外希望」「ゲートを決めて先行」「芝で走ったこともないようなダート血統馬が穴を出す」というのが、ファンにもよく認知された姿だった。
ところが、だ。今年の新潟春開催の千直レースをよくよく見返してみると、どうやらそうでもないようなのだ。
ジョッキーに余裕が出てきた?
まずレース全体の流れが、以前に比べて落ち着いてきた。
決してスローペースになったというのではない。あくまでも馬を促しながらではあるが、明らかに騎手たちに周りを見る余裕が生まれている。
このレースをよくわかっている騎手になると、慌てず騒がず平然と最後方へ構える。
そして後半になると、やおら外枠方向へ陣取り、バテた馬を1頭1頭交わしながら、残り100辺りでスゴい脚を使わせ、馬券圏内へともってくる。
それまで追い込みなんてしたこともない馬にさえ、だ。
例:5月1日新潟7R牝馬限定500万下 トラストレイカ
内枠を引いてもお構いなし?
もっと達人になると、今度は内枠の不利さえまるで気にしなくなる。
スタートして、全馬外へ外へと寄せる中、馬群の一番内をポツン走り。
ポツン最後方というのは聞いたことがあるが、ポツン内は新しい流行語のよう。
その後も意識的に馬群にもぐるわけでもなく、中段あたりを一人旅。やっと追い出したと思ったら、なんと内枠馬同士で併せ馬に持ち込み、そのままワンツーフィニッシュ。
ここまで外枠が全く関係ない千直って珍しいよね。
例:5月14日はやぶさ賞 キーナンバー、ミキノドラマー
千直新時代の申し子、プリンセスムーン
そんなニューウェーブに悠然と乗って、いま千直出世街道をバク進中なのが、プリンセスムーン(牝6・安田隆厩舎)だ。
この春準OP、OP特別と千直を2連勝。未勝利勝ちが3歳の8月ギリギリと遅咲きだが、これはダート中心に使われ、真の適性が千直にあると思われていなかっただけ。
去年の春に初めて千直を走って以来、この舞台では(3200)とパーフェクト連対。
力が違うのも認めるが、そのレースっぷりは一言でいうと「余裕しゃくしゃく」。
前半はいつも10番手付近。北村友一騎手の手はピクリとも動かず、前を見ていつでも抜け出せる態勢。残り300辺りで追い出すと、弾かれたようにすごい反応。ゴール前の脚はひときわ目立つ。
千直得意の韋駄天たちは、実はスプリンターズSとの相性もなかなか良好。
この夏、どこまで駆け上がれるか、注目したい。