台風でも出社するのが日本人!では外国はどうなの?
- 2018/09/20
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台風でも出社するという、日本的な光景
先日の台風21号、すごかったですね。
関西国際空港を始めとして日本各地に大きな被害をもたらしたのですが、驚かされるのは台風が来るとわかっていても出社させる企業があるということ。
「電車が動いている間に出社させようと、始業時間が早まった」とか「台風が接近しているから、出社してからの外出は控えるように」とか、本気か冗談かわからないツイートが飛び交っていました。
これらのツイートを見ながら「ブラック企業にお勤めなんですね。ご愁傷様」なんて思いつつ、私、アントニオ犬助も出社していたのですが案の定仕事にならず、その日は午前中で早上がりとなったのでした。
その知らせが伝えられた途端に、あちこちから聞こえてきたのが「ならば、最初から休みにしろよ」とという怨嗟の声。それを聞きながら「出社してきたのは、お前らだろうが」と突っ込んでいたのは、犬助だったのです。
台風でも出社とは実に日本人的。
恨み節をのべているあなたも犬助も、日本人なのです。
ハリケーンで即座に休業を決めるアメリカ
アメリカでは台風、いやハリケーンが来た場合にどうなのだろうか?
気になって調べたところ見つけたのが、昨年9月にフロリダ州などに被害をもたらせた、ハリケーン「イルマ」の記事。接近にともない高潮や大規模な洪水が発生、州全域の630万人に避難命令が出され、大統領による非常事態が宣言されるまでになりました。その後、イルマはジョージア州で93万世帯、サウスカロライナ州で17万世帯の停電を発生させています。
以前、犬助は「アメリカではハリケーンがくると天気予報で伝えると、会社や学校は早々と休業、休校を決める」という話を聞いて、さすが危機管理という意識が確立・浸透しているアメリカと感心した記憶があります。
ハリケーンが来ているにもかかわらず出社するという、日本的な光景などアメリカではあるはずがない。こんな風に思っていたのですが、どうやらハリケーン・イルマの被害から考えるに、危機管理云々は関係なさそう。
日本でも630万人に避難命令が出されるような大規模な台風が来るならば、ブラック企業といえど、さすがに出社しろとはいわないはずなのです。
実はアメリカのインフラの弱さが原因なのでは?
アメリカのハリケーンは規模が違う、台風と比べてはいけないのだ。と思うかもしれませんが、もう少し詳しくみていくと「ハリケーン>台風」といった具合に話は単純ではありません。
というのは大惨事を引き起こしたハリケーン・イルマが、フロリダ州に上陸した時点で勢力は「カテゴリー1」まで弱まっていたから。カテゴリー1とはハリケーンの中でも最も弱い勢力に分類されるもので瞬間最大風速は33~42m。一方で台風21号の瞬間最大風力は55mでしたから、カテゴリーで分類するならば「3」。イルマどころではない強さなのです。
にもかかわらず、台風21号とはくらべ物にならないぐらいの被害がイルマでは出ているのです。場所も違えばタイミングも違う、風速だけで比較するのも乱暴だと思うのですが……例えばアメリカで630万人に避難命令が出されたり、大規模停電が起こったりしているのに、日本ではそこまでの惨事におちいっていない理由は、日本と比べてアメリカのインフラが脆弱なためではないか? と思うのです。
加えてそれを充分に理解しているから会社や学校も休みになり、大規模な避難勧告や非常事態宣言も出るということではないでしょうか。
インフラへの過信で引き起こされる被害
思えば大規模な被害が出て、8,000人が取り残されるという事態が起こった関西国際空港にしても空港が冠水するはずがないと、整備されたインフラを過信していたという側面があったことは、否定できないのではないでしょうか。
そして、電車が動いているからとか自動車だから出社しろというブラック企業の考え方も、インフラに対する過信から生まれていると考えることができないでしょうか。
それと、企業に対する社員の忠誠心も過信していないか?
台風21号の後は北海道地震、天変地異が続きます。
被害にあわれた方々にはお悔やみとお見舞いを申し上げ、一刻も早い復旧を願っております。