もう他人事ではない!痴漢冤罪はなぜ起こるか?
- 2017/05/21
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後を絶たない痴漢被害と冤罪
最近、痴漢の疑いをかけられた容疑者が線路から逃走するといったニュース報道が後を絶ちません。以前より、痴漢に間違われた際の対応については、弁護士など法律家の間でも意見が分かれており、通勤で満員電車への乗車を余儀なくされるサラリーマン男性にとって、痴漢冤罪は他人事ではありません。もちろん、満員電車という密室で、恐怖で抵抗できない女性を狙う痴漢行為は卑劣な犯罪として許せるものではありませんが、そうした痴漢行為とは縁のない男性にとっては、「痴漢に間違われたらどうするべきか」という問題は、もし身の潔白が晴れなければ、その後の人生に大きく影響を与えるため、誰もが関心を抱くところでしょう。ここでは、痴漢冤罪が起こるメカニズムや、身に覚えのない痴漢容疑で連行されそうになった場合の、正しい対処法について紹介します。
痴漢に間違われて逮捕された後の流れ
痴漢に間違われて乗客や乗務員に取り押さえられる場合、これはいわゆる民間人による「私人逮捕」となりますが、実はこの私人逮捕には条件があり、「住所氏名が不明で逃走の恐れがある」場合に限ります。つまり、免許証など身分証を掲示して堂々としていれば、本来その場にいる民間人には身柄を拘束する権限はないのです。そして、これらの条件を満たしていない場合での私人逮捕は、後から「逮捕監禁罪」や、取り押さえの際に行った過剰な暴行による「暴行罪」などの罪に問われる可能性があります。
しかし、それでも、一般的には、痴漢を疑われた場合、「乗客や乗務員によって取り押さえられ、駅員室へ連行される」という状況がまかり通っているのも事実です。痴漢の容疑者が線路へ逃走する事例が多発していますが、もし身に覚えがなければ「冤罪は身の潔白を証明する機会なく有罪となることが多いかと思います。」という過去の判例からみても、当事者としては絶望的な気持ちであることは間違いないでしょう。
えん罪で無罪を勝ち取るのはほぼ不可能
よく、「本当にやっていないであれば、逮捕されても裁判で身の潔白を証明すればいい」という声を聞きますが、驚くことに、現実はそう甘くありません。以前話題になった「それでもボクはやっていない」という、実際に起きた痴漢冤罪事件をテーマに扱った映画がありますが、映画でも描かれている通り、いくら身の潔白を証明しようと法廷で訴えても、逮捕され、起訴された時点で、無罪を勝ち取るのはほぼ不可能ということが分かります。もちろん、例外的に無罪判決が出るケースもありますが、起訴されたら「99.9%が有罪判決」となる日本の刑事裁判の現状がある限り、無実の罪で生活を壊されないためにも、「やっていない罪を自白すること」や「線路への逃走」のいずれも避けねばなりません。そこで唯一頼りになるのが弁護士の存在です。万が一痴漢冤罪で私人逮捕されそうになったり、実際に逮捕された場合、弁護士が到着するまでは何も話さず、免許証を掲げながら、できれば大声で「痴漢に間違われています!身分を明かしているのに違法な私人逮捕をされています!誰か!助けてください!」と叫ぶことです。これでも完ぺきとは言えませんが、味方に入ってくれる乗客が現れる可能性があります。また、月額数百円で、いざというときに駆けつけてくれる弁護士保険サービスなども有効です。