昔は良かった、と感じるのは当たり前のことなのだ!!
- 2017/03/27
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思わず一人ごちた、禁断の一言
たまにテレビで歌番組を観たりして、最近の流行りの音楽を聞く機会があったりすると、文句の一つも付けたくなってしまう自分がいたりして、ああ、本格的にオヤジになったなあと、感慨にふけったりするのです。
「昔流行った曲の焼き直しじゃないか!!」とか、「こんな下らない歌詞を歌わせて恥ずかしくならないか?」とか、テレビに向かってブツブツ言うようになったら末期だと思いますから、できるだけ表に出ないようにはしています。
しかし、気が緩むと思わずこんな言葉が出てしまうのです。
「……ああ、昔はよかったよね」
気が付けば、自身が唾棄すべきオヤジに
考えてみれば、自分が若者だったころ、最も唾棄すべき存在はオヤジでした。
そんなオヤジがしばしば口にしていたのが「昔はよかった」なり、「今の物はよくわからない」といった言葉。
つまり懐古主義的であり、現在の風潮についていけないというオヤジの感情の吐露に不快さを感じて攻撃すべき対象と見なしていたのですね。
そして、気が付けば自分がそんなオヤジと化していますから、実にショックなのです。
だからといって、わかっている(フリ)をするのもどうか?
しかしながら歌番組を観ながら、「セカオワいいね!」とか「SHISHAMOいいじゃない!」とか突然言い出すのはどうなのか?
今の若者と同じような趣味を持っているオヤジという存在は、それはそれで精神の未成熟さが露見しているようで気持ちが悪いもの。
また、若者の趣味がわからないにもかかわらず、わかったふりをしているオヤジというのは、擦り寄っているみたいで、これまたよろしくありません。
……ということは、苦々しい顔をしながらテレビに悪態を付いているのが正しい親父の姿かというと、それはそれで問題はある気がするのですが。
昔が良かったに決まっているじゃないか?!
さて、そんなテレビに悪態をつくようなオヤジの常とう句「昔はよかった」について。
この言葉に対して「当たり前じゃないか」と、言い放ったのが山下達郎氏でした。
「音楽にしても、何にしても昔の物のほうがいいのが当たり前なんですよ。だって、昔のいいものしか聴き継がれていかないんですから」
この発言を初めて耳にした時には「目からうろことはこのこと!!」と痛く感銘をうけたのです。
消費物としてしか機能していない、流行りものの音楽がつまらないのは、昔も今も同じこと。
そんな流行りものとして片づけられないような楽曲が今に受け継がれており、輝きを放っているのですから、昔の音楽がいいのは当然のことなのです。
懐古主義にふけるよりも、危険なこととは
では今の音楽番組をテレビで観ながら「昔はよかった」とブツブツ言い続けるのが正しいオヤジの姿かというと、やはりそれは違う。
静かに耳を傾けつつ「相変わらずつまんない音楽が大半だけれど、それはどんな時代でも同じ」と超然とした姿勢を保ち続けるのが正しいオヤジの姿なのです。
実際思い出してみれば、音楽に限らずドラマでもお笑いでも、テレビに映しだされるもの何て、今も昔もつまんないものが大半なのですから。
しかし……音楽はともかく、最近のアイドルのほうが可愛い子が多い気がするのはどうなのでしょうか。
それは、ひょっとすると若いというだけで価値を見出すオヤジの視点が身についてしまったからかもしれませんね。
これは、懐古主義者とかいったことより、はるかに危険なこと、悔い改めましょう。