ダイソン元社長がダイソンキラーに?最強のコードレス掃除機・シャークニンジャって何?
- 2018/10/30
- ライフスタイル・娯楽
- 559view
- 住まい
- 住まい
- 家事
- 日常
- 生活
ダイソンが火付け役となった、5万円を超えるプレミアム掃除機市場。
人気は底堅く、コードレスでは価格が10万円近くするというのに、後発のルンバを押しのけ市場の5割をダイソンが占めるというのだ。
そんなダイソン一強の米国市場を打ち破った掃除機が今年、満を期して日本上陸した。
名前はシャークニンジャ。
いかがわしい家電量販店でもなく、北米では実績を積んだ家電メーカーが母体のこの会社。
何故海外進出先に日本を選んだのか。
しかも日本法人社長は、20年前に日本で初めてダイソンを売り込んだダイソン元日本法人社長・ゴートン・トム。
元ダイソン社長が、ダイソンキラーになり来日とは、どういう事なのか。
シャークニンジャって?
シャークニンジャは、米マサチューセッツ・ニュートンで、100年以上実績を積んできた『ユーロ・プロLLC』という家電メーカーが母体だ。
日本では家庭向け高圧スチーム洗浄機シャークは、ショップジャパンやアマゾンで売られ日本でも知名度があったが、オーブンなどの調理家電ニンジャのシェアの9割以上は北米が主体。
ユーロ・プロは、海外進出をするにあたり、会社が作ってない製品を作って売り込もうという方針に転換。
そしてチャレンジしたのが掃除機であり、’15年に社名を『シャークニンジャ』に変更した。
ではシャークニンジャはなぜ、最初の海外進出先を日本に決めたのか?
日本での成功は世界での成功を約束する
日本法人社長のゴートン・トムは、ダイソン日本法人社長の経験から、『日本で家電を売れれば、海外でも成功する』と確証しているという。
日本が掃除機にかける平均単価は米国の倍。
きれい好きで、品質に関して細かく厳しく、新品に指紋一つでもついていれば返品になる。
ゴートン氏は、日本に進出するという事は、
1:製造ラインの品質管理レベルをどの国より上げなければ返品される
2:日本の消費者が満足する製品を作ると、どんな国でも満足して貰える商品を作る事が出来る
という二点を痛感したという。
ではゴートン氏がダイソンとシャークニンジャを比べ、改良し、売り込んだ点は、どの様な所だろうか。
ダイソンよりも安く、長く
ゴートン氏が、シャークニンジャの日本進出一号機『EVOFLEX・S30』を売り込むにあたって加えた改良点、気を付けた事は以下の通りだ。
1:日本や東南アジアなどの狭い住宅での使いやすさ
2:立てかけて収納できる収納しやすさ
3:着脱式バッテリーで、一台を愛用して貰う
4:ダイソンよりも安く、稼働時間は長く
ダイソンを知り尽くした男ならではの着眼点及び改良点だ。
本国モデルの機能とサイズを微妙に変えて日本に売り込んだというが、大幅に変わった点は『マルチフレックス』というパイプ機能だろう。
L字に折れ曲がるパイプ構造になっているので、ソファーやテーブル、椅子などの家具の隙間を掃除する時に、しゃがまなくてもノズルと掃除機の先が入っていく。
この構造のおかげで、掃除機が自立するので、収納にも困らないという一石二鳥のものだ。
ダイソンのバッテリーは内臓式だが、シャークニンジャは着脱式なので、取り換える事が出来る。
価格でもダイソンの競合機種V10は91584円なのに対し、シャークニンジャは69800円と二万円以上も安く、稼働時間は長い。
ゴートン氏曰く、掃除機の吸引力がいいのは当たり前の時代になり、性能競争の時代に突入している上、アピールできる所があるとすれば、使いやすさではないかという。
この答えに行き着いた理由は、どこからくるのか?
目指すは掃除機界のiphone
ゴートン氏は、数多くの他社製品から選ばれるようにするために『無駄な数字を羅列して宣伝しないように』と研究機関や宣伝部に、口角泡飛ばして言ったという。
掃除機の性能の良さや、パソコンの性能のよさをアピールする為に示すものはたいてい『業界用語の数値』だ。
掃除機であれば、部品をバラバラにしたCG写真の横に、フィルターが微細な粒子を99.97%カットするという説明を書いてあるが、ゴートン氏曰く、
そんな説明は読んでも消費者が理解できなければ意味はないし、実際に消費者が使うにあたって結果としてでなければ意味がないという。
そんなゴートン氏が理想としているのは、iphoneだ。
iphoneのテクノロジーは判らないが、使いやすさは体感する事は誰でもできる上、製品の良さを肌で実感することが出来るからこそ支持者が産まれる、だから説明書がない。
ゴートン氏は、日本にダイソンを売り込む時に苦労した。
大きい、デザインが目立つ、たまったゴミが外から見えるという現在では『個性』として受け入れられているダイソンの売りは日本ではすべて否定されたからだ。
その時、彼がひらめいた日本向けキャッチフレーズは、
『吸引力の変わらないただ一つの掃除機』
今ではおなじみだが、掃除機=だんだん吸い込まなくなる、という悪いイメージを逆手に取ったキャッチフレーズだった。
そのキャッチフレーズを思い付いた’04年、日本では『あの変わった形の外国製の掃除機が欲しい』と家電量販店に押し掛ける人が出てきたのだという。
今回ゴートン氏は、ダイソンと真逆の方法で掃除機を売り込んだ。
徹底した使いよさだ。
売り込む事に不可能はないと言った男が、次に日本に売り込むものはなんだろうか。