「クリス・インペリテリはイングヴェイ・マルムスティーンのパクリ」って叩かれてるけど実際はどうなの?
- 2018/06/18
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比較されることが多い2人
速弾きを愛する人なら誰もが知っているであろう、イングヴェイ・マルムスティーンとクリス・インペリテリ。
両者とも1980年代に登場した技巧派ギタリストです。
一部の楽曲が似ていることや、ストラトとマーシャルを愛用していたこと、バンドのボーカルがリーゼントなどの共通点があったために「クリス・インペリテリはイングヴェイ・マルムスティーンのパクリ」といわれてきましたが、一方で「パクリじゃない!全然違う!」との声も。
あなたはどちらの意見を支持しますか?
イングヴェイ・マルムスティーンってどんな人?
マイケル・シェンカーが「神」ならば、イングヴェイは「王者」。
それほどの大革命を“速弾き”で巻き起こし、以後のギター奏法に多大な影響を与えました。
今ではお馴染みのスイープ奏法やエコノミーピッキングなどを世界に広めたのは彼といっていいでしょう。
フェンダーのストラトキャスターとマーシャルのアンプがトレードマークのようになっており、この2つは世の速弾き小僧たちの憧れでもあります。
彼がギターに興味を持ったのは、世界的に有名なギタリストであるジミ・ヘンドリックスが死去した1970年。
テレビでジミヘンの特集番組を観たのを機に、ギターの練習を始めたといいます。
姉からもらったディープ・パープルのレコードからも影響を受け、この頃から「ヴァイオリンの楽譜をギターで弾く」という、のちの音楽性やテクニックにつながるチャレンジが行われていました。
1987年には事故で意識不明の重体に陥り、後遺症によってギタープレイにも支障が出るようになってしまいましたが、その後も精力的に活動を続けています。
2009年にはディープ・パープルとのジョイントツアーで来日、2013年にはLOUD PARK 13で来日した際には、大トリを務めました。
クリス・インペリテリってどんな人?
自身が主宰するバンド「インペリテリ」で1988年に1stアルバム「スタンド・イン・ライン」を発売。
同アルバムはネオクラシカルメタルの名盤として根強い人気があり、インペリテリの最高傑作と称されることもあります。
注目すべきは、世界最速ともいわれていた速弾き。
指の動きが早すぎて、残像が見えそうです。
光速速弾きタイムに突入すると、何がなんだかわからないくらい速いのですが、スイープやピッキングを用いてメロディアスに聞かせるプレイもお手の物。
「メタルもギターもよくわからないけど“アニメタルUSA”を通して、クリスの存在を知った」というオヤジもいるのでは。
LOUD PARK2011では、アニメタルUSAが演奏している最中にももいろクローバーZが飛び入りで参加し、水木一郎とも共演を果たしています。
また、アニメタルUSAのメンバーには、イングヴェイやラウドネスのボーカルとしても活躍していたマイク・ヴェゼーラがいたり、編曲には日本でもお馴染みのマーティ・フリードマンが参加していたりと、メタルファンの間でも話題になりました。
プレイスタイルが全然違う
冒頭であげたような共通点がある彼らですが、プレイスタイルが大きく異なります。
イングヴェイはエコノミーピッキングなのに対し、クリスは弦をまたいで弾くときもオルタネイトフルピッキングで繋げているのです。
スケールパターンも、イングヴェイはハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウという、ちょっぴりエキゾチックで響きが美しいスケールを多用していますが、クリスはペンタトニックスケールのバッキングや、マイナースケールで駆け上がるといった特徴があります。
根っからのパクリならば、プレイやスケールも似たり寄ったりになるものですが、他にも違う点が多々あるため、パクリの一言で評価されるのはクリスも不本意なはず。
ヒット作「Stand in Line」がイングヴェイ風のサウンドだったことで、パクリの印象が強くなってしまいましたが、流行りに乗っかって名前を売り出すのが世の常。
デビューから30年以上経った今も、両者をリスペクトするファンがたくさんいるのだから、パクリ論争は野暮かもしれませんね。