ヨーロッパで主流のディーゼル、何故日本では売れないのか?
- 2017/08/22
- ライフスタイル・娯楽
- 884view
- 自動車
- 国内
- 日本
- 海外
- 生活
- 趣味
- 車
ディーゼルエンジン車の割合はこれだけ違う
日本国内で販売される自動車の中で、ディーゼルエンジン車の割合が少ないことは容易に体感できます。普段、街を歩いているときや車に乗っているときに見ることができるディーゼルエンジン車が極めて少ないからです。実際、国土交通省の公表データによれば、ディーゼル乗用車の保有比率は1990年代後半のピーク時で1割を超える程度でした。その後は低下の一途をたどっています。
現在、各自動車メーカーがリリースする新車にしても、ガソリンエンジン車かハイブリッド車が主流であり、ディーゼルエンジン車が購入検討対象になる機会も多くありません。将来的な期待感としては、電気自動車の方が上だとさえいえるでしょう。
一方で、ヨーロッパにおけるディーゼルエンジン車の割合が半分近くになろうかという勢いです。桁違いに使われているヨーロッパのディーゼルエンジン車は何が違うのでしょうか?
日本のディーゼル乗用車より高性能だからでしょうか?
そもそも、ディーゼルエンジン乗用車は軽油で走ります。ガソリンに比べて軽油が安価であることは間違いありません。車両価格の差がそれほど大きくないため、燃料代の差が大きくなります。そうです、ヨーロッパのドライバー、カーオーナーは、ガソリンよりも安い軽油を使えるディーゼルエンジン乗用車を選択する傾向が強いのです。さらに、ディーゼル乗用車の性能が向上することで、より購入意欲が増しているとされます。
しかし、それなら財布にシビアな日本の消費者がディーゼル乗用車を選んでもよいのではないか。と考えるのも無理はありません。
定着してしまった負のイメージ
実は、日本においてディーゼルエンジン車は空気を汚す元凶のように思われている部分が大きいと考えられています。記憶しているオヤジがいるかどうかはわかりませんが、東京都が「ディーゼル車No作戦」をやったこともその要因と考えられます。エコという言葉に敏感な日本の消費者カーオーナーは、環境を破壊するディーゼル乗用車を敬遠している。これがディーゼル乗用車が日本で売れない理由の王様です。
但し、それだけでここまで少ないのは納得がいきませんね。環境問題に加え、お財布関係でもディーゼル乗用車が敬遠される理由がありました。販売数、保有率が上昇していたところへ起きた、大型車の増税や軽油取引税の増税などディーゼル乗用車を取り巻く経済環境に変化が足を引っ張ったと考えられます。ガソリンとの価格差が小さくなった汚い燃料を使う車の勢いが止まったわけです。
それなら、クリーンディーゼルで巻き返せるのではないかとの意見もでてきますが、ガソリンからハイブリッド、電気自動車への流れを止めるほどの勢いはありません。それどころか、クリーンディーゼル自体がほとんど知られていないとさえいえる現状です。車の情報に詳しい人の間では、クリーンディーゼルを評価する人も多く、徐々に売れているとの指摘もあります。しかし、どこまで伸びるかはまったくの未知数です。
国もクリーンディーゼルの普及推進を考えていますが、思うようには売れていないのが実際のところといえます。一度出来上がった悪いイメージは、そう簡単には消えません。売れなければメーカーも力が入らず、余計に売れないループに突入します。その点、ヨーロッパでは日本のような観念的負のイメージが少ないこともあり、その差が際立っているのです。