AGA検査キット「AGAドッグ」を徹底検証
- 2016/09/04
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薄毛治療に興味がない人でもテレビCMなどでAGAという言葉は聞いたことがある人は多いだろう。私もそのひとりで「お医者さんに相談だ!」というあのフレーズは今でも覚えている。
私は薄毛の心配は全く心配ない。歳は33になり白髪こそ増えたが、今でもいきつけの美容師に絶対はげない保証をされるくらい髪が多い。父親も60を過ぎたが、未だにハゲていない。
今回はハゲとAGAの違いを明確にするとともに、このAGAドックでどういったことがわかるのか、さらにAGA専門クリニックの検査とAGAドックとの違いをわかりやすく解説したいと思う。
そもそもAGAとハゲの違い
AGA(Androgenetic Alopecia)とは男性型脱毛症や壮年脱毛症のことで、急速にハゲが進んでしまう一種の病気のことだ。Androgenetic Alopeciaを訳すとアンドロゲン性脱毛症となる。アンドロゲンとは男性ホルモンのことで、男性ホルモンがAGAに大きく関係しているという理由もあり、この名称になったと思われる。
繰り返しになるが、AGAとハゲの違いはハゲの進行のスピードに違いがある。誰でも歳をとれば全体的に髪のボリュームがなくなるものだが、AGAは急速にハゲが進行してしまう。ここ2三年で急に薄毛になってしまったらAGAの可能性が強い。
AGAの原因は未だ解明されていない
原因は、未だ解明されてはいないが「遺伝」によるものと「男性ホルモン」がAGAに大きな影響を与えていると考えられている。しかし、原因が確定していないので、治療も手探り状態となってしまい、多くの人が薄毛治療に時間とお金を使って抵抗していることだろう。
原因は不明のままだが、脱毛のメカニズムは解明されている。通常、髪が成長し抜けるまでのサイクルは一定期間あるのだが、このサイクルを異常に早めてしまう男性ホルモンが存在する。
それが、DHT(ジヒドロテストステロン)である。このジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの1種であるテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結びつきジヒドロテストステロンになる。
このなんとも悪そうな名称のジヒドロテストステロンは、髪の成長を止めるTGF-β(トランスフォーミング増殖因子ベータ)というシグナルを発生する。
つまりTGF-βを発生させないためには、テストステロン、αリダクターゼ、ジヒドロテストステロンのいずれかの働きを阻害できれば、髪の成長サイクルは正常になるというわけだが、その治療方法は確立されていないようだ。
もう1つの原因である遺伝子についてみていくとする。
AGAドックで遺伝子的にAGAになりやすいかがわかる
病院に行かないで自宅でできるAGA検査と言えば、このAGAドックだ。値段はそこそこかかるが、遺伝子的視点からAGAのリスクチェックと遺伝子以外にも総合的なアドバイスブックがもらえる。
病院は実際に頭皮や髪の状態をチェックして、状態に合わせて治療する方法となる。現状を把握してアドバイスをもいたい方は、病院で検査するのもいいだろう。
商品到着
商品はアマゾンで購入したところアマゾンプライム商品ではなかったが、翌日に到着した。
パッケージには「将来的な薄毛のリスクを予測し、最適な対策をご提案します」と書かれている。検査だけでなく治療法などのアドバイスももらえるということだろう。
検査に協力してくれるM本氏
薄毛の人を敵に回したいわけではないだが、ハゲないとわかっているのに検査するのは腑に落ちない。そこで今回は、ここ数年薄毛を気にしているM本氏に検査に協力いただくことにした。
M本氏本人も、薄毛の原因がAGAにあるのか単なる加齢によるものなのかはっきりさせたいとのことで、今回の検査を快諾してくれた。
M本氏は、額の両側の部分から徐々に髪が薄くなっていることを気にしている。いわゆるM字型ハゲというタイプだ。遠目から見るとあまり薄いとは感じはないものの、近づいて1m以内では確かに将来的には薄毛になりそうな感じがする。
ただし、M本氏とは3年の付き合いになるが、ここ3年間はハゲが進行している感じはしないため、おそらくAGAではない。
必要書類に記入
検査方法は至って簡単なため説明書類も簡素にできているが必要十分。
AR(アンドロゲン受容体)遺伝子検査同意書にサインをする。この同意書がなければ検査が進まず検体が劣化してしまうため再検査となるため気を付けよう。
ちなみに今回松本氏が、あまり個人情報を出したくないということで、私の名前で検査することにした。以降、検査結果などで小長谷の名前が登場するが、検査自体は松本氏の検査ということなるので、ご了承願いたい。
検査開始
このAGA検査キットはアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子におけるCAGとGGCの数を調べることによってAGAになりやすいかそうでないかがわかるというもの。
CAGとGGCは世界中の検査機関が長年に渡って研究されている遺伝子の染色体である。
この検査で遺伝的にAGAのリスクが低いとわかれば、もうひとつの原因である男性ホルモンをどうかにすればよいということになる。
しかし、いろいろ調べる中でここで疑問が残る。CAGとGGCのAGAの因果関係は解明されてはいなかった。もちろん因果関係があるという論文も発表されているが、世界中の研究では因果関係が少ないという論文もある。
つまり、CAGとGGCを調べても残念ながら遺伝子的にAGAになりやすいか、そうでないかは何とも言えないのが現状のようだ。そんなことが発覚したが、ここのまま検査を進めていく。
アンケートに回答
現在の髪の状態などを記載するアンケートである。あくまでメーカー側のデータ収集目的のアンケートとなる。この結果で検査結果が変化するわけではないため、気軽に答えれば良い。
頬の粘膜を綿棒で擦る
背景が白のため、綿棒と綿棒を入れるボトルが見辛くて申し訳ないが、綿棒で頬の内側を強めに擦りボトルに入れるだけの作業となる。数十秒擦ったら付属のボトルに綿棒を入れて蓋を閉める。
返信用封筒の中に検体と検査申込用紙を同封し、ポストに投函する。
まさかの再検査キットが送られてくる
頬の内側の擦り方が足りなかったためか再検査となってしまった。
再検査キットの送料は無料で再検査を送るレターパックもメーカーが負担してくれた。こういったイレギュラーな対応にも無料で応じてくれるのは有難い。
再び松本氏にお願いして検体を採取してもらい、付属されていたレターパックで投函した。
13日後に検査結果が到着
検体を投函してから13日後に検査結果が到着。
検査結果報告書とアドバイスブックが届いた。いよいよ松本氏のAGAリスクが明かされる。
松本氏の脱毛リスクは、脱毛リスク40で19段階中9番目で基準値より2段階低い位置となった。遺伝子的にAGAのリスクは少ないということになる。
しかしながら、先ほども申し上げたようにAGAの原因は未解明の部分が多い。これだけでAGAリスクが断定できないのが残念だ。
AGAアドバイスブックが結構ためになる
アドバイスブックに予測していたより、充実した内容が書かれている。
AGA対策
脱毛、つまりハゲの原因の1つである男性ホルモンの増加を増しすぎないことがハゲの進行を遅らせることに繋がる。
有酸素運動でAGA予防
具体的には、マラソンなどの高強度な運動を除いた適度な有酸素運動を行うことによって男性ホルモンを減らすことができるそうだ。男性ホルモンであるテストステロンそのものが悪さをするわけではないが、テストステロンと5αリダクターゼを減らすことで、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することができる。
ストレス解消でAGA予防
緊張すると体が本能的に出血を抑えようと筋肉を収縮させ血流を悪化させる。例えば獰猛な肉食獣に襲われるかもしれないと感じたときに、大量出血しないように手足などの末端の血管を収縮させる。緊張すると手足が冷たくなるのはこのためだ。
また、ストレスを感じるとコルチゾールという男性ホルモンが増加することで、テストステロンが増加し、脱毛サイクルが早まる。さらにコルチゾールによって男性ホルモンが増加すると、大量の皮脂が分泌され、毛穴の目詰まりの原因となる。
ノコギリヤシと亜鉛でAGA予防
ノコギリヤシと亜鉛は摂ることで5αリダクターゼの活動を阻害することができるそうだ。5αリダクターゼの活動を抑えることができれば、男性ホルモンのジヒドロテストステロンを抑えることができ、結果としてTGF-βの分泌量を抑えることができる。
その他にはアミノ酸のL-リジン、ポリフェノールのプロアントシアニジン、片頭痛の人に人気のフィーバーフュー、ダイエットでおなじみのカプサイシンと大豆のイソフラボン、肌の健康を保つビタミンであるビオチンは効果があるという研究結果がある。
シャンプーで髪と地肌をきれいにしてAGA予防
毎日のシャンプーできちんと頭皮と頭皮の毛穴に詰まった油を落とすことで、血流が改善し抜け毛予防につなげることができる。また、髪を濡らしてすぐに洗わずに10分程置いてから洗うと汚れが落ちやすくなる。
血流改善でAGA予防
AGAだけでなく血液サラサラは健康にとってとても大切ということだ誰でもわかる。わかってはいるけど辞められない喫煙は、血流を悪化させ毛根へ行く栄養を阻害させる。血液サラサラになる生姜や玉ねぎを積極的に摂取することや、習慣的に運動することで全身の血流を改善することができる。アルコールは一時的に心拍数を上昇させ血流を改善するものの、撮り過ぎは髪に必要な栄養素を消費してしまう。
適度な睡眠でAGA予防
眠っている間に髪と皮膚の細胞が修復されるため、規則正しく適度な睡眠時間をとることで脱毛を予防することができる。
プロペシア(フィナステリド)でAGA予防
日本で唯一の男性型脱毛症治療の薬として認可されている。元々は米国で前立腺肥大の治療薬として使用されていたが、AGAの患者に症状の改善に見られたため、正式にAGAの育毛剤として開発され、日本でも認可されている。
プロペシアの効果としてはノコギリヤシと亜鉛と同じく5αリダクターゼの働きを阻害する。プロペシアと亜鉛の同時摂取は安全性が確立されているが、ノコギリヤシとプロペシアを同時摂取した場合の安全性を示すデータがない。
ノコギリヤシ自体が医薬品ではなく食品という扱いなので、副作用を心配するほどでもないが、心配な場合は少量ずつ試してみるといいかもしれない。
ミノキシジルでAGA予防
塗り薬の発毛剤として日本で唯一認可されているミノキシジル。米国では血圧を下げる薬として開発されていたが、発毛の効果が確認されたため、用途を変更して育毛剤として開発・販売された。日本では、リアップという商品名で販売されている。
使用者のうち約55%の人に軽度から中度の効果が認められた。医師による処方箋は必要なくドラッグストアなどでも購入可能だ。
AGAドックは意味がなかった
この検査自体の意味がなかったということになってしまった。しかし、アドバイスブックなどに書かれている、ミノキシジルやプロペシア、ノコギリヤシと言った情報はわかりやすく具体的行動に移しやすいため参考になった。
検査キットと病院でのAGA検査の比較
AGAを本気で治療するなら生活環境を見直して、プロペシアとミノキシジルを使っていくことになるだろう。ミノキシジルは、ドラッグストアなどで簡単に手に入れることができるが、プロペシアは医師の処方箋が必要となる。
AGAの専門病院まであるので一度、皮膚科や専門機関で状態をチェックした上で最適な治療をした方が間違いなく近道と言える。あとはコストの問題だが、病院で治療となると数十万という金額か必要になってくる。
自分でできる事を全てやった上で、ハゲが止まらないのであれば病院にいくことも考えるが、数十万を出すならいさぎよくハゲになる道を選ぶかもしれない。
パッケージデザイン:★★☆☆☆
商品説明:★★★☆☆
絶対的価値:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
検査結果の説明:★★★★★
他人におすすめする可能性:★★★☆☆