「メタボ=デブ」にあらず。「やせでメタボ」に要注意
- 2016/08/28
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デブだけがメタボじゃありません
「メタボ」という言葉が広まるにつれて、「メタボ=デブ」という公式がいつの間にか定着してしまいました。いま、世界60億人のうち10億人が肥満だとか。そのうちの8割がメタボだということですから、「メタボ=デブ」はあながち間違いとも言えません。
しかし、よく考えてみてください。10億人いるデブのうち8割がメタボ。では、残りの2割は何? 見かけはデブでも、メタボではない人間が2億人いるということじゃありませんか。
メタボとは、脂質異常症や糖尿病の危険が迫っている状態
「メタボ」は、「メタボリック・シンドローム」の略。それでは、「メタボリック・シンドローム」は何なのかというと、意外に知らない人が多いのが現実です。メタボリック・シンドロームは、直訳すると「代謝症候群」。すなわち、「内臓脂肪の蓄積がもとになってインスリンの効き目が弱まり、脂質異常症や糖尿病の危険が迫っている」状態を言います。
太っちょにメタボが多いのは事実ですが、正確には「メタボ=デブ」ではなく「メタボ≒デブ」なのですよ。
デブよりも厄介な「やせメタボ」
最近になって、逆に注目されているのが「やせメタボ」の存在です。つまりは、見かけ上は全く肥っていず、やせ形。なのに脂質異常症や糖尿病が疑われるという人たちが一定数確実にいるのです。
医学誌に発表された研究結果を見ると、「やせメタボ」の人には共通の特徴があります。筋肉でインスリンがうまく作用せず、糖を取り込みにくい体質だということです。
体の筋肉は、インスリンの力を借りて細胞内に糖を取り込むはたらきをします。インスリンの力が弱いと、糖は血液中に溜まり続けます。そうして、その量が増えすぎると、尿に多量に混じって排出されます。これが糖尿病です。
やせメタボが糖尿病予備群となるメカニズムがこれです。
へそ周りのサイズだけで判断するのは危険
日本の内科系学会が作ったメタボリックシンドローム診断基準検討委員会が「メタボリックシンドロームの診断基準」を発表して以降、内臓脂肪の蓄積が疑われ、メタボの可能性が高い「へそ周りが男性で85㎝以上、女性で90㎝以上」という数字が一人歩き。逆に、この数値以下なら大丈夫というのが常識になりつつあります。
しかし、実際の体の状態は大違い。へそ周りが細くても、メタボの可能性は大いにあるのですよ。
自覚症状があったら、すぐに検査を
糖尿病は自覚症状の少ない厄介な病気ですが、やたらとのどが渇く、尿の量や回数が多くなった、しっかり食べているのに体重が減り続けているといった徴候が出たら、要注意。年に一度の健診に頼らず、自前で健康診断を受けましょう。