女子に進化を強いる、ホストクラブというシステム

昭和の歌姫、美空ひばり大先生によると、一人酒場で飲む酒は、別れ涙の味がするらしいのですが、ホストクラブで飲む酒はいったいどんな味がするのでしょうか?

お金さえ払えば、お姫様のごとく扱ってくれるというホストクラブ。承認欲求が満たされない寂しさを感じている女子にはたまらない世界なのでしょう。
ホストクラブに狂った結果、OLさんからホステスさん、ヘルス嬢、ソープ嬢と見事に進化を遂げた夜の蝶ならぬ、バタフリーも多数いると聞きますね。バタフリーゲットだぜ!!

進化どころか、超進化してしまうバタフリーも

「グラビアアイドル坂口杏里、遂にAVデビュー!!」そして「恐喝容疑で逮捕!!」
女優の坂口良子さんを母親に持ち、テレビタレントやグラビアアイドルとして活躍していた坂口杏里さんが、AV女優へと転身を遂げただけに飽き足らず、逮捕までされてしまったと聞きました。
その原因の1つにホストクラブ通いがあったといいます。その結果重ねた借金は数100万、母親の遺産も食いつぶした挙句、数万円の金欲しさに恐喝とは……相当なもの。

ここにも夜のバタフリー……こちらの場合は、グラビアアイドルからAV女優、そして容疑者ですから相当な超進化。色違いどころかレアポケモンもいいところなのですが、そこまで、ホストクラブは魅力的なのかどうなのか?

その昔、1990年ごろのホストクラブ

今ほどホストクラブが盛んではなかった1990年代の初め頃、友人がホストとして勤務していました。
酒飲んで、お姉ちゃんの相手をして、金までもらえるんだから、さぞかし良い職業に違いないと思い、話を聞いたらまあエグいのなんの。
出勤したらまず客引き。繁華街へ出向き一人で歩いているお姉ちゃんに片っ端から声をかける所から始まりますが、当時のホストクラブは今とは違って、はるかにハードルが高い場所。普通の学生さんやOLさんがキャッチにつかまってくれるはずもありません。
そんな風に実りの少ない客引きに疲れ切る時間は午前2時、3時。
彼が勤務していたホストクラブが忙しくなるのはここから。ホステスさんや風俗の方々が仕事を終えて立ち寄ってくれるから、そちらの接客に入ります。

時には髪を鷲づかみにされて……

まあ、楽しくはない日々の業務を終えたお姉さんたちのストレスはすべて、彼の職場に吐き出されます。
ヒールをなめろ、脱いだヒールで酒を飲め、つま先をなめろ、時には髪を鷲掴みにして強要するといいますから、まあ凄まじいの何の。
「コイツらはここまで、エグくなれる生物なのかなのか?」女性不信に陥ること間違いないと彼は語ります。
「そこまでの覚悟があるならば、店に紹介するけれど?」友人の目がすわり気味だったのは、決して寝不足のせいだけではなかったはず。
その目に見据えられて、チキンの私は早々に退散することになりました。

ホストクラブが危険なのは、今も昔も変わらない

OLから夜のお店へ、夜のお店からお風呂屋さんへ。その華麗なる進化の過程は、傍目で見ていたり、お金を払う側として付き合う分にはそれなりに面白いものですが、まあその渦中にはとんでもない世界が渦巻いていたようです。
進化には痛みが伴うもの、脱皮の最中に死んじゃう虫もいっぱいいるもんなあ。そんな風に思ったのを覚えています。

そして、彼がどうしてその道へ歩みを進めたのか、そしてそこから抜けようとしないかは、最後まで聞くことができませんでした。そしてもっと考えるべきは、ホストクラブがハケた後に彼は、もう一つ日中の仕事を持っていたこと。
なぜ彼が睡眠をほとんど取ることなく、働き続けることができたのか、これについてはもちろん聞くことなんかできません。

昔のホストクラブは今と違って、もっと闇が深いものだったようです。まあ、ハードルが下がった今だからこそ、もっと危険な存在になったということもできるのですが。