日本人の偏執的資質が生んだ、ジャパニーズ・ウイスキー
- 2017/01/12
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ザ・日本人、竹鶴政孝
「あまちゃん」そして「べっぴんさん」……NHK朝の連ドラ、近年当たりが続いているみたいで、世のお母さん連中が熱狂していたりするのですが、まあ世のオヤジ連中の琴線に触れたのは何といっても「マッサン」ではなかったでしょうか?
主人公のモデルとなった竹鶴政孝の生涯については、ウイスキー好きとして何となく知ってはいましたが、ドラマにすると改めてその凄さというか変態性が際立つ、まさしくザ・日本人なのですね竹鶴政孝氏は。
親しみやすいのが地場のアルコール
「はじめ人間ギャートルズ」のサル酒の例を挙げるまでもなく、人間の生活とアルコールは切っても切れないものがあり、それらは余剰生産物から生まれるのが常。麦や芋、サトウキビ……身近にあった穀物をジュースにして適当に発酵させたら、妙な味の飲み物ができて、飲んだら気持ちよくなりました……大抵のアルコールはこのようにして生まれたのでしょう。
ですから、日本で米を主原料にした日本酒、地域によっては麦や芋の焼酎が飲まれているのは自然なことですし、身近な穀物がルーツにありますから、親しみやすいのは当然のことです。
特異な味覚と偏執的資質
しかし原料は麦焼酎と同じとはいえ、全く日本の風土とは関係のないウイスキーを口にして「これは旨いから日本でも受け入れられる」と確信し、スコットランドまで勉強しにいってしまう竹鶴氏のおかしさはどうなのでしょうか?
今では立派なウイスキー党となった方も、始めてウイスキーを口にした時を思い出してください。あれの何にひかれたのか……飲んでいる内に旨さがわかってくるのならわかりますが、最初から「これは旨い!!」と感じた竹鶴氏は、相当特異な味覚を持っていたといえましょう。
そんな思い込みからウイスキー造りをスタートし、理想のために独立した上に北海道へ移住、ニッカウイスキーを設立したのはご存知の通り。自分が「これ!」と思ったものを、とことん追求する、この様な偏執的資質がそのまま竹鶴氏なのです。
偏執的資質は日本人の特性
偏執的、これは日本人にしばしばみられる資質です。例えば正倉院宝物、いやいや日本各地に残る工芸品、堺で始まった鉄砲製造、文明開花時の和魂洋才……最近ならばアニメを日本でも制作するという理想に燃えて、周りをとんでもない目に合わせる手塚・宮崎両巨頭がそれでしょう。
まあ偏執的な気質は、そのまま日本と呼んでも問題がないほど代表的な気質。それが竹鶴氏の仕事にも見て取れる。その後、竹鶴氏が始めたウイスキー造りは開花し、今ではジャパニーズ・ウイスキー自体がブランドの一つ。数々の賞に輝くサントリーの山崎やニッカの竹鶴は、世界的に有名。これは竹鶴氏だけでなく、その後を受け継いだ人々の偏執的な資質が成し遂げたといって良いでしょう。
そして、元祖金髪好き!!
そして竹鶴氏といえば、何といってもあの昭和の初期に金髪の嫁。
ヒロイン役のシャーロット・ケイト・フォックス氏、可愛かったですよね……日本人ならではの偏執的資質を発揮してジャパニーズ・ウイスキーの祖となっただけでなく、金髪好きの祖でもあったという。
竹鶴氏の付けた轍の後に千昌夫氏、西川きよし氏が続いていくのです。
こう考えると竹鶴政孝氏は、つくづく日本人だなあ……と。