退屈な大人といわれないために、次の時計はクッションケースだ
- 2019/01/24
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スクエア=退屈という意味なのです
「You’re so Square.」
こんな風に面と向かっていわれたら、どんな風に感じるべきなのでしょうか?
和訳すると「(笑福亭仁鶴さん張りに)顔が四角いわね」ではなく「あなたって退屈ね」という意味。「Square」には「正方形」とか「直角」以外にも「退屈な」とか「ダサい」という意味があるんですね。
何でも1940年代のアメリカのジャズマンが、機械的な4拍子しか演奏できないプレイヤーを指して「Square」と揶揄したのが「退屈な」と意味を持つようになった最初だとか。つまり、四角は退屈でダサいのです。
私、アントニオ犬助は、長年「スクエアケース」と呼ばれる四角い形状の時計を愛用してきましたし、その端正なたたずまいを好ましく思ってきました。しかし、使い続けてみると退屈さも気になりだすもの。スーツなどカッチリとした服装との相性はバツグンなのですが、少しカジュアルになってしまうと、まるでダメ。退屈さが勝ってしまって、どうも良くないのです。
パネライ?!とても手が出ない一本なのです
そんなスクエアケースの時計を腕に巻きつつ「あれ、いいな……」なんて思っていたのが、「クッションケース」と呼ばれる形状の時計。正方形をふくらませたような、曲線を描く四辺を持つ時計、ちょうどクッションに形が似ていることから名付けられました。
こんなデザインの時計が登場したのは20世紀初頭、アール・デコ様式の流れを汲んでいますから、クラシカルなムードがただようのもステキです。
そして、クッションケースの代表といえば「パネライ(PANERAI)」なのですが、このブランドの弱点は多くのモデルが巨大なこと。ケースサイズは大きいもので47mm、厚さも16mmほどありますから、手首が細い犬助には致命的に似合わないのです。
そんな声を受けてか、2016年に発表されたパネライの「ルミノール・ドゥエ」シリーズのケースサイズは38mm、これならば華奢な犬助にも大丈夫と思ったのですが、お値段は実に120万円から。はい、高すぎて購入できません。
クッションケースで狙い目の時計、その1「カマロ」
そんな時に中古時計店で見かけたのが、タグホイヤーがまだ「ホイヤー(Heuer)」と名乗っていたころの「カマロ」というモデル。1960年代末から製造されており、その多くがクロノグラフ。サイズは約38mmとちょうどいい大きさですし、価格も30万円ほどですから、まだ手が出る。搭載されているムーヴはバルジュー製ですから、アンティークとはいえ信頼性も高いのです。
ただ問題は多くが手巻きであるという点。面倒な上に、リューズがダメージを受ける可能性があります。
クッションケースで狙い目の時計、その2「スクエア・カンバード」
もう一つ犬助の目を止めたモデルが、ジラール・ペルゴ(Girard-Perregaux)「スクエア・カンバード」。こちらも多くがクロノグラフ、文字盤にはギョーシェと呼ばれる模様が施されており、スポーティながらドレッシーなムードも良い。サイズも価格もホイヤー・カマロと大差ない上に、こちらは自動巻きな上に、風防はサファイアクリスタル製。実用的にはずっと上なのです。
というわけで、現在、犬助の物欲はクッションケースを持つ中古時計に刺激されています。
今年も開けて、また一つ歳を重ねる。「スクエアすぎるのはよくない、もっと遊び心を持たなければ」という自戒を込めて、もう一本コレクションを増やそうかと迷っているのですが……まあ、時計を購入するという行為自体が、遊び心の固まりのようなもの。スクエア云々は言い訳にすぎないのかもしれません。