今度はシチズンが、「あの」機構を積んだモデルを発表!!
- 2017/06/08
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ドえらい物!! 時計の3大複雑機構とは何か
お好きな方ならば、何を今さらという感じでしょうが……時計には「3大複雑機構」というものがあります。ご存じない方のために、以下に軽く説明をしておきましょう。
その1が「パーペチュアルカレンダー」、これは日付合わせが必要がないという機構。月による日数の違いばかりか、うるう年まで自動的に調整、それも歯車のみ!! というものです。
その2が「ミニッツリピータ」、これは現在の時と分を音で教えてくれるという機構、もちろん色気のない電子音であるはずがなく、小さな鐘の妙なる響きが、ごくごく小さなボリュームで奏でられるのです。
そして、その3が問題の「トゥールビヨン」。これはキャリッジなるパーツが回転するという機構。なんじゃそれ? でしょうし、書いている私もなんじゃそれ? なのですが、本来は動くはずがない機構が回転しながら秒を刻んでいるという仕組みです。
……と、偉そうに語っている犬助ですが、もちろん所有はしておりませんし、現物を目にしたことすら数度しかございません。そして、どのような仕組みか正確には理解しておりません。でも、ドえらい物であるということだけでも把握してもらえたら、と。
ドえらいことが理解できる例として、これらの複雑機構を1つでも搭載されている時計は、まず1,000万円は超えてくる。
なぜなら、それぞれがあまりにも複雑すぎて、組立てるのに異常なぐらいの時間と技術が必要になるから……とのことです。
まあ一度Youtubeでも、覗いていただいて
え? 複雑機構なんて、クオーツ式やスマホが幅を利かせている現代に、一体何の意味があるの?
そんな声が聞こえてきそうですが、まあ一回現物をご覧になっていただければ、スマホ派の皆さんにも複雑機構の美しさは理解してもらえるはず。
最近はYoutubeなんて便利なものがあり、数多くの複雑機構の動画が上がっていますから、ぜひ視聴をおすすめします。
動いているさまを眺めるだけでも、マシンとしての高い完成度が伝わってくるはずです。まあ、それが1,000万円かどうかについては……なのですが。
トゥールビヨンは、一種のサインなのだ
マシンとして面白いのはわかった、でもいったいそれらを所有するのに何の意味があるの?
……それは、男のロマンだから、などと眠いことをいうつもりはありません。以下は、トゥールビヨンの腕時計を所有する、ある人の受売りなのですが……複雑機構の時計を身につけるだけで、一種のサインとして機能する……とのことです。
サインとは何か? まず、腕時計に1,000万以上支払う財力があるというサイン。そして美しさはあるものの、正確性・実用性ではクオーツ式の時計に圧倒的に劣る時計に価値を見出すセンスがあるというサイン。
初対面で巨額の商談を進めようという時に、同じようなトゥールビヨンを腕にしていると、同じ世界に住んでいる者同士という明確なサインとなるというのです。
重要な話をするケースで、トゥールビヨンのサインは有効に働いたことが何度もあった。そんな風に語っていました。もちろん、その真偽を確かめる術はないのですが。
地味な、極めて地味なシチズンのトゥールビヨン
さて、トゥールビヨンを腕にしている人が、ある種のサインを発しているとするならば、それを製造している時計メーカーはどんなサインを出しているのでしょうか?
シチズンが完全自社製のトゥールビヨンを搭載したモデルを発表して、時計好きは少しざわついています。セイコーの発表に遅れること約1年、以前からプロトタイプは発表されていましたので遂に!! と思っている人も多いでしょう。
面白いのがセイコーのトゥールビヨン搭載モデル「FUGAKU」が高度な彫金技術を施した、実に豪奢なモデルだったことに対して、シチズンのものはごく普通の3針の時計にトゥールビヨンを追加しただけというデザインだった点。
シチズンの高級時計ライン「ザ・シチズン」の延長線上にある非常にシンプルなモデルとなっているのです。
加えて、このモデルが発表されたのが、世界中の時計好きの注目が集まるバーゼルという場ではなく、老舗百貨店・大丸の創業300周年の記念モデル、限定販売品として極めて地味な場だったという点です。
自社の持てる技術をドヤ顔とともにFUGAKUでひけらかしたセイコー。
それに対して「あ、こんなのも造れますよ、その気になれば」というシチズン。
どちらに凄みを感じるかというと、もちろん後者。非常に高度な技術をシチズンは持っている、この手のサインはさりげなく、アピールは小声の方が効くのです。
ま、お値段は1,000万円といいますから、こちらもいうまでもなく凄みを感じるものとなっているのですが。