稼げますよは禁句・アライアンスを成功させる3つの秘訣とは
- 2018/08/22
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かつて業務提供とよばれていた、アライアンス。
複数の異業種企業が互いの利益の為に協力する経営スタイルから、戦略的同盟と言われている。
日本企業の業務提供が国際化し、この言葉が頻繁に使われる様になったのが背景となり、アライアンスという言葉が、頻繁に使われるようになったが、言葉の意味、長所、短所、ノウハウを今ひとつ理解していない人も、多いのではないだろうか。
アライアンスの長所、短所を理解した上で、相手企業から無理なくYESを引き出す方法を今回伝えようと思う。
アライアンスの長所や短所って?
アライアンスの長所は、顧客の要望に対し早く対応できるだけではない。
業務提供しあう会社間の上下関係が基本的にないのも特徴だ。
M&Aであれば企業間の摩擦があり、建設会社であれば親会社・下請けの様に、格差が生まれるが、その様な事は契約上ない。
その為、資金や時間をかけずに経営資源を有効活動出来る。
だがこれは短所にもつながる諸刃の剣だ。
アライアンスがなくなると、相手企業に経営ノウハウを全て持っていかれれる危険性もある。
その為、アライアンスを成功させる為には、相手企業選びを慎重にしなくてはいけない。
企業選びにアライアンスの6割がかかっていると言っても過言ではない。
業務提携後1年で契約解消になると、相手企業にノウハウを盗まれたも同然になってしまうからだ。
では、アライアンスを成功させる為には、具体的に何が必要なのだろうか。
アライアンスを成功させるためには
アライアンスは価値観の異なる他社と仕事を進めるという点が最大の難関になる。
その為にまず以下の3点に注意して、アライアンスを担当者と進めていく事が大事だ。
1:稼げますよ、御社のメリットになりますよは禁句
2:相手と自分とは違う事を受け入れ、適切に行動する
3:相手が感じる心理的負担を取り除く
稼げますよ、貴方の社内での地位が上がりますよという言葉は、魅力的な特効薬に思えるが、相手企業にとってみれば、必ずしもそうではない。
担当者が、儲けや昇進第一主義であったとしても、社内の担当部署の人間がそうでない可能性も往々にしてあるからだ。
逆もまた真なりで、夢ばかり語り合う担当者でも企画は通せない。
映画『ザ・エージェント』で、トム・クルーズ演じる主人公のスポーツエージェント・ジェリー・マグワイアは、契約選手の命すら顧ず、スポーツ選手を金づるとしか思わない会社の方針を目の当たりにし、アライアンスを成功させるためなら選手を大切にすべきだという提案書を提出するが、クビになってしまう。
これは中国の兵法書のひとつ『孫氏』を読めば判る。
『孫氏』の中に『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』という言葉があるが、相手と己の置かれている立場を100%理解していれば負ける事はないというものだ。
その為、他の会社と業務提供を行う場合には、以下の3点に特に気を配る事が大事である。
1:相手企業の財務・人事を調べる
2:社風・物事を進める手順を把握する
3:組織力学を理解する
相手組織の、意思決定のプロセスを組み、何を語れば相手企業の心をうつのかを頭に入れておき、相手企業の立場に立ち、相手企業の様に振る舞う事で、契約を成功に導かせる。
打ち合わせで使う言葉や言い回しも、相手企業が社内で使っているものに極力揃え、相手の仕事を手伝う事も、アライアンスを成功させる事につながる。
いかがだろうか。
価値観の全く違う相手と仕事をする時こそこの手法は役に立ち、そういう相手とアライアンスを成功させた時こそ、貴方の力量は社会的に認められた事になる。
私が見る限り、個人事業主、悪く言えば人気商売の場合、同業者同士と仕事をする機会が大半のせいか、他人が自分に合わせてくれるのが当たり前になっていると思う。
それは自分と価値観や仕事内容が似ているもの同士とアライアンスを結ぶという結果を招きがちだが、オヤジの年代でそれをやっていると、仕事の幅が狭くなるだけでなく人間性も狭くなるので、気を付けたほうがよいのではと思う。