オヤジの転職市場は甘くない?統計からわかる成功する転職ポイント4つ
- 2018/05/16
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海の向こうでは転職サイクルが始まった
先日、アメリカで発表された今年3月の雇用動態調査によれば、自らの意志で職を辞めた人、いわゆる「自発的離職者」の数が17年ぶりの高水準となったという。
これは会社に辞めさせられたのではなく、自分からもっと良い条件を探して一歩外に踏み出す人が増えつつあることを示している。
一般に、自発的離職者が増えてくると、企業は離職を食い止めるために「賃金を上げる」、人材が欲しい企業はさらに「賃金を上げる」、上がる賃金を見てまた自発的離職者が動き出す、という転職サイクルが起きるとされている。
現在日本でも、学生諸君の新卒就職活動は完全なる「売り手市場」だが、ことオヤジ世代の転職環境に限っては、今日も寒風が吹きすさび、厳しいことこの上ない。
そこで今回は、労働統計から見る「知っておきたい日本の転職市場の現状」をいくつかご紹介する。
その1 ライバルはあなたと同じような立場の人が多い
いま離職の動きが止まらない層をひとつ挙げるとすれば、それは「男性サラリーマン1強」である。
最近は「期間あり派遣」でも「女性」でもなく、オトコの会社員の離職者数だけが異様な伸びを見せている。
あなたにどれほどの取得資格や即戦力性があるかはわからないが、次の席を争うライバルもあなたと同等の実力を持ったサラリーマンであることは覚えておこう。
その2 辞めるもなにも入社してくる人の数がだだ減りしている
そもそも、いま日本の職場はどこも「辞める人の補充が全然追いついていない」純減環境となっている。
これは何を表すかというと「手を挙げるだけで入らせてくれる会社もあろうが、あなたがそこに入れば十分手が足りるかというとそんな会社はない」。
今の職場を「死にそうなくらい忙しくて爆発しそう」という理由だけで転職すると、次も結局死にそうなくらい忙しい会社だった、というオチがついて回るのだ。
その3 仕事はカネだけではない、は本当かもしれない
男性転職者が挙げる転職理由で最近増えているのが「給料等の収入が少なかった」。(女性は「将来の不安」が増えている)
ところが、転職先で肝心の賃金などが増えたのかという調査では
→1割以上増えたよ、という成功組が減り
→ほとんど変わらない、または減った!という現状維持派が増えた
ことがわかる。
ひとくちにオヤジ世代といってもたとえば、
・30代前半→1割未満の収入増または減少が多い
・40代後半→1割以上の収入増または減少が多い
など、少しずつ傾向に違いはあるのだが、おしなべてオヤジたちの収入面での変化をたどれば「前とあまり変わらない」というのが結論らしい。
これはオヤジ転職の理由として真っ先に「収入の不満」が挙がるにもかかわらず、結果それを満たす職場はほとんどないことを意味している。
その4 縮む業種か伸びる業種かの見極めが大切
自分が次に選ぶ仕事の業種は、できることなら30年経っても消えることのない分野であって欲しいはず。
IT化とAIが幅をきかし、近い将来金融業やマスコミなどはその規模を大きく縮小するともいわれている。
さて入職者数だけで見たとき、職に就きたい人々であふれ、いま転職市場が一番賑わっている業種って、何だと思いますか?
正解は「学術研究、専門・技術サービス業」。
ここを希望する人はもともと自分の頭脳で勝負する人々だから、実力もあり、転職後の稼ぎも見込める。
いい人材は引っ張りだこになるのが目に見えている。
次いで
・王道の「宿泊業・飲食サービス業」(これは入れ替わりが激しいので別においといて)
・ちょっと異色の「教育・学習支援業」
・注目のIT関係、情報通信などはその下あたり
で、ここまでが受け入れバッチリの有望転職業種、とでもいうべき人気セクター。
このどこかに片足でも突っ込んでいる企業が、現在の狙い目転職先だろうか。
反対に
・業種そのものが縮みきっている「製造業」
・いっこうに低賃金奉仕から抜け出せない「医療・福祉」
・Amazonらとの共存がカギとなる「運輸・郵便業」
などは、毎年スゴい勢いで人材が流れ出ていることがわかり、お誘いがあっても容易に近寄ってはならない雰囲気がプンプンする。
今の自分を活かす道もあれば、180度変えるチャンスでもあるのが転職。
新卒市場の景気よさに惑わされず、気を引き締めて良い条件を探していきたい。