ボロボロの空き家が長々と放置されてる理由って何?
- 2018/03/31
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街中で荒れ放題の空き家を見かける事がある。
空き家のまま放置しておいても、かえってお金がかかりますよと、政府や解体業者が口角泡とばし忠告するのにだ。
諸般の事情で20年、30年も空き家という、とんでもない空き家がある日本。何故なのか。
所有者不明や登記簿紛失が主な理由
20年~30年以上空き家というオバケ屋敷は存在する理由は、日本の不動産登記方法と税法に問題がある。
主な空き家の原因は、所有者不明もしくは不動産登記簿紛失だ。
築100年を超す古民家や歴史建造物住んでいるとなると、この手の問題はよく浮上してくる。
筆者の友人は、京都市の中心部に住んでいるが、土地を売るに売れない理由がある。
不動産の登記名義が、友人の曽祖母で、登記簿を祖父の代に紛失しているというのだ。
友人曰く、相続で揉めた時に登記簿がどこかにいってしまったという。
相続に不動産が絡み揉めるのはよくある話だ。
土地さえ残しておけば食うに困らないだろうという先祖の考えだろうが、それが争いの元凶になると思わなかったのだろう。
不動産が残っていると知った途端、今まで見た事もない人間が親族だと名乗り出てくる話もある。
この様に相続において不動産で揉める、空き家が目立つのは、日本の不動産登記法と関係があるのだろうか。
業者に丸投げ、税法もアダに
信じられないかもしれないが、日本の不動産登記は、フランスと同じで任意である。
登記にはお金と手間暇がかかるので、不動産業者に丸投げしているから判らないだけだ。
個人売買をした所は、司法書士を通じて名義変更をしない限り、前の登記人のままとなってしまう。
高齢の人、日本国籍でない人が不動産を購入する場合、現金一括で不動産を購入する事になるので、これが盲点となりやすい。
ドイツでは、登記をすませてから自分の土地を主張する事が出来るので、この様な事が起きないだけだ。
もう1つ、空き家が増える理由は、固定資産税の減免措置にある。
相続登記が行われない不動産は、自治体の税務担当者が相続調査を行い、課税する。
だが、登記簿紛失や所有者不明となった不動産と、土地評価額30万、建物評価額20万とみなされたものに対しては減免措置を行っているのだ。
その結果、築何十年も経過し、所有者不明となった空き家が放置される様になった。
所帯主が住んでいたのを見かけたのが、30年以上前という話もザラに聞く様になったのだ。
では、この様な空き家に対して具体的な解決策は、ないのだろうか。
登記の在り方は、スマート化すべきではないか
政府は、法務省を中心に登記制度の在り方をに関する見直しを視野に入れ、改正に動き出している。
市区町村は、法務省の登記情報に基づいて固定資産税を算出しているので、トップが動かなければどうにもならないからだ。
だが、これには民放、税法の改正も同時に行わないといけないので、時間もかかるだろうと言われている。
この様な問題を解決する為には、不動産登記の在り方や税法の在り方を、今よりも簡単に、なおかつ、スマート化する必要があるのでは、と思う。
確定申告をネット上で行う事が出来る様になったのだから、不可能ではないだろう。
相続不明の空き家一覧を、PDFファイルで見れる様にし、遠縁の子孫でも、空き家の処分に係る書類手続きを司法書士と税理士に一諾出来る様にすればよいのではないだろうか。
判らない所があれば、司法書士にSNSやメールで聞くというシステムを採用すれば、登記や相続、税に関する疑問も解けて一石二鳥だ。
これは免許証における、本籍変更でも同じ事が言えるだろうと筆者は思う。
筆者の本籍地は、父親と祖父のズボラのせいで、5代前の先祖が住んでいた聞いた事もない田舎の住所になっていた。
将来本籍地の住所が必要な時、このままでは不便な上、祖父や、父も、こんな土地は知らないといってた。
父には悪いと思ったが、父親の法事が済んだ後、本籍を現住所に移し替えた。
不動産の空き家問題にしても、免許の本籍にしても、将来、パソコン一つで書類が届き、かえる事が出来ないだろうかと、多忙な社会の中で、思う。