プロ野球の球場でバックスクリーンに観客がいないのはなぜ?
- 2018/12/20
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バックスクリーンに客席を置かない理由は?
近年、観客動員数が好調なプロ野球。
地上波だけではなくCSやネットで視聴できるようになった現代でも、連日多くのファンが球場に足を運んでいます。
ただそんなプロ野球の球場には、一か所だけ客席が置かれていないエリアも存在しています。
それが、バックスクリーン。
仮に客席を置けば間違いなく人気席となるであろうこのエリアを、なぜ球団は使わないのか。
気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこには、ちゃんとした理由があります。
視認性を高めるため
バッターボックスやマウンドの直線上に位置するバックスクリーン。
そんなバックスクリーンは濃緑色・濃紺・黒など落ち着いた色で統一されており、余計な文字情報も省かれています。
稼働式の広告看板を設けている所もありますが、そうした看板はイニング間などプレーが止まっている時のみ表示されています。
これらの理由は、選手や球審ボールの視認性を高めるため。
実はバックスクリーン自体が、そのために作られた領域なんです。
そんなバックスクリーンに客席を置いてしまっては、どうなるか。
観客の服、応援中の動き、振り回される旗・・・。
それらは選手や球審の視認性を低下させるのに十分なもので、プレーに支障が出る恐れがあります。
せっかく選手の視認性を高めるために作られたバックスクリーンも、これでは存在意義が無くなってしまいます。
こうした理由から、バックスクリーンには客席が設けられていないんです。
もし客席を置いたら・・・
それでももし、客席を置くのを強行すればどうなるか。
打者は投手のボールが見えづらくなり、バットへのコンタクト率が低下することが予想されます。
それだけならまだ良いのですが、デッドボールを避けづらくなるため怪我をするリスクがアップします。
また捕手も球を見失いやすくなりますので、キャッチ出来ずに後ろに逸らしてしまうことが増えるでしょう。
もちろん体に直撃することも考えられ、いかに防具を付けているとは言っても怪我をする恐れがあります。
審判は正確な判定をするのが難しくなりますし、投手のすっぽ抜けやキャッチングミスによるボールに直撃しやすくなります。
このようにミスや事故が増加すれば試合も荒れやすくなり、泥試合が増えることが予想されます。
そうなると試合時間無駄にも延びてしまい、やがてそれが人気低下にも繋がってしま可能性もあります。
こうした事態を起こさないためにも、バックスクリーンに観客席を置かないのは必然のことと言えます。
バックネットはどうなっている?
バックスクリーンと違い、バックネット側には観客席が設けられています。
バックネットの場合は打者・捕手・審判にとっては背を向けているため、直接的に視認性に影響が現れることはまずありません。
ただ投手の視認性には影響がないとは言い切れず、そのためバッターボックスからバックネットまで距離を取ったり、バックネット下部のフェンスを高くしたりと球場によってある程度の対策が行われています。
球場にはさまざまな工夫
選手がよりプレーにし集中出来るようにし高いパフォーマンスを発揮できるよう、球場にはさまざまな工夫が行われています。
バックスクリーンにも観客席を置けば、球場の最大収容人数は確実に上がります。
しかし、それと反比例をするように視認性は確実に低下することになります。
視認性の低下によりプレーに支障が現れるようなことがあれば、観客動員数は結局増えるどころか減ることにもなりかねません。
何よりも選手の安全性を保つためにも、客席を置かないバックスクリーンの存在は球場に必要不可欠。
バックスクリーンに客席が作られることは、これからも基本的にはないでしょう。