お父さんの服が、若い娘のトレンドになっているとか
- 2019/04/11
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何?俺のスウェットを着たいだと!
「お父さんの服、借りてもいいかな?」
あまり口をきいてくれなかったはずの娘さんから、こんな風に声をかけられて驚いた経験をした方はいらっしゃいませんか?そんな彼女たちが持っていくのは、アウターやスウェットシャツなど。いつ購入したのか忘れてしまうほど昔のアイテムにもかかわらず、身につけて外出したりするのです。
娘が自分の服を着ている、こんな状態にお父さんは悪い気がするはずがありません。昔に購入したアイテムにもかかわらず、捨てずにしまっておいたのは、それに愛着を持っているから。「娘も、この服のシブさがやっとわかるようになったのか」と、ひそかに喜んでいたりするといいます。
90年代のテイストが次々とリバイバル中
しかしながら、残念なことに……娘が父親の服を着るという事態が起こっているのは、シブさに気付いたからではありません。ましてや父親を愛するあまり、服をシェアしたくなったわけでも、当然ながらないのです。
その理由は1990年代のテイストがリバイバルしているから。
例えば、ハイブランドの「グッチ」はブランドロゴがデカデカと入ったトップスをリリースしていますし、シルエットも何だかゆったり目。我々の世代が見ると、古臭く気恥ずかしさを感じるテイストにもかかわらず、若い世代に受けており大ヒットしています。
またスニーカーの世界では、ナイキのエアマックスやリーボックのポンプフューリーなどハイテクスニーカーがリバイバルして久しいばかりか、それが行き着いて「バレンシアガ」などが「ダンロップ」と見紛うばかりのスニーカーをリリース。「ダッドスニーカー」=お父さんのスニーカーなんて呼ばれて、トレンドとなっています。
そして最近、ショップで見かけるのはウエストバッグ。確かに便利なアイテムではあるのですが、めっきり見かけなくなったアレ。90年代に海外旅行などのシーンで大活躍したアレがリバイバル。さすがに腰に巻いたりはしませんが、ワンショルダーのリュックのごとく、肩にかついで使っている若者も目にするようになりました。
アプリ「WEAR」でも「お父さん」がトレンド
ロゴがデカデカと入っているとか、ルーズなシルエットだとか。
こんなトレンドを10、20代の女の子が取り入れたいと思ったときに、ひらめいたのが「お父さんの服を着ちゃえばいいじゃん!」という発想。グッチのコレクションが90年代のテイストをリバイバルさせているならば、お父さんの服はリアル90年代、同じといえば同じと考えたのでしょう。
若い連中が、自身のコーディネートをドヤ顔で披露するアプリ「WEAR」でも、「お父さんのお下がり」や「お父さんの服」など「お父さん」のタグが付いたものが数多くアップされていることからも、この一風変わったトレンドは浸透しつつあると考えてよいでしょう。
良いことづくめの90年代リバイバル
また、彼女たちがお父さんの服を身につけるのは、1990年代のリバイバルだけが理由ではありません。ヤフオク!やメルカリを使うことが普通になった世代の彼女たちは、古着を身につけることに抵抗感がない。だから、父親の服であろうと喜んで着てくれるのです。
加えて彼女たちの懐具合が厳しいという、現実的な問題もあります。スウェットシャツ一枚に数万円を支払う余裕はありませんが、父親の服ならタダ、こんなに安上がりなコーディネートはない上に、ついでに父親の機嫌も良くなったりしますから、正に一挙両得ではないですか。
そして忘れてはいけないのが、お父さんが1990年代に実際に着ていた服のものの良さ。当時はまだファストファッションなんて言葉もなく、結構な値段を出して服を購入していたもの。それだけに父娘2代にわたって身につけることが可能なほど、高品質だったと考えることもできるのです。こんな風に考えると90年代リバイバル、何だか良いことづくめのような気がしてくるのです。