やっぱりあった中高年ランニングの高い壁
- 2018/02/03
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元五輪ランナーのありのまま道中記に思わず共感
先日、五輪2大会連続メダリストとして知られるランナーの有森裕子さんが、(大人の都合で)きっかり5時間台で走ることを求められるフルマラソンを体験したという記事を読みました。
やせても枯れても、元オリンピック選手。しかも本職のマラソンですから、道中ゆるりと楽しみました、というある種の広告記事かと思いきや、これがガチの苦労話。
この方がこんな悩みを抱えて5時間走るのか…というわけで、新年の目標に「今年こそフルマラソン参加」なーんて掲げちゃったおとーさんたちに、これを読んで今一度ふんどしを締め直してもらいたいんであります。
遅く走ることで見える世界がある
それこそ現役時代は、オッサンの全力疾走より速く走っていたプロですから、有森さん自身も最初は「5時間はまあ余裕だろう」と感じていたようです。
ところがいざ走り出すと「速さを調節したことのない」身体が、まるで拒否反応でも起こすかのように、遅く走ることを拒むのだとか。
余裕ありすぎて?どんなに頑張っても?仲間からオーバーペースを指摘されてしまいます。
そこで彼女は「5時間マラソンはもはや別世界なんだ」と頭を切り替え、道中のエイドステーションをフルに楽しみ、参加ランナーを励まし、お腹と心を満たすことでようやく5時間9分で予定通りゴールできたそうです。
某チャリティイベントでもおなじみの「24時間マラソン」などでも、本当の困難さは、遅く走り続けることにあると耳にしたことがあります。
歩きに羽が生えた程度のオヤジぼちぼちマラソンは、マラソンではなく、何度も言いますがいろんな意味で「別世界」なのです。
もっとも高い壁・体調の急変
でも5時間マラソンにはそれなりのいいところもあると、有森さんは話してくれました。
だからあなたも無理せず、生涯、究極の5時間ランナーで居続けることもアリなんです。
ところが人間というものは「進化」という言葉が大好きで、練習を積めばもっと速く走れると思っています。
速く走れば「違った世界」が見えてくると、周囲からも吹き込まれ、自分でもそう信じています。
本番の高揚感も手伝って、当日無理しちゃうんですよね、どうしても。
正直な体は悲鳴を挙げます。脚や腰ならまだ動けなくなる分だけ、諦めもつく。
ところが止まってはいけないところが止まるケースがままある。
そう、それが「心停止」なんです。
有森さんが参加した大会でも、なんと二人の男性が心肺停止状態になったとか。幸いAEDで一命は取り留めたそうですが、心停止は市民マラソンにおいては意外と身近な事故だと考えなくてはなりません。
そしていつ何時自分が助ける側に回ってもいいように、地区の消防訓練等でAEDに触っておきましょう。
オジサン、去年一番勉強になったことがAEDの講習会でした。
昔と作法が変わったところもありますから、常に最新情報を知っておきたいものです。
体の変化に敏感でいれば幸せになれる
いまはもうフルマラソンを3時間台では走れないとおっしゃる有森さん。元五輪ランナーでも現役から離れれば、衰えと向き合った走りに変わるのです。
中年以降のマラソンライフもそれでいいのではないでしょうか。
つまり30代に走れていた体力をまぶしく思うのではなく、40代には40代の、シニアにはシニアの維持すべき体の仕組みがありますから。
それを走りの鍛錬で「壊し」にかかることはせず、十分動くように日頃から体に油を差してメンテナンスしておく。
朝、起きがけに自分の体の調子を体に問いかけてみる。昨日走った分の筋肉の変化は?筋の張り具合は?
これからは体に起こる変化に敏感でいないと、マラソンだけでなく、なんのスポーツをしてもシニアの健康には貢献しないでしょう。
シニア世代は、それができるゆとりがあるはずです。