こんなかっこ悪いオヤジは嫌だ~大阪の高校髪染裁判
- 2018/02/05
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これって意味不明な供述だよね
大阪府立の高校で、女子生徒が学校を訴える事件が起きています。その概要は、地毛が明るい女子生徒に対し、学校側が執拗に黒く染めることを強要し、女子生徒は健康を害し、登校できなくなったというものです。
毎日放送(MBS・大阪市)の報道によれば、学校側の主張は、この生徒の地毛は黒であり、黒に戻すために染めるよう指導するのは当然。髪の根元が黒いことも複数で確認しているというものです。ところが、同局が放送した学校(担当者・担任?)と保護者の話し合いの音声では、学校側は女子生徒の地毛が黒ではないことを当初より確認している旨の発言をしています。
しかも、地毛が黒でなかったとしても黒く染めた過去が一度でもあれば、黒く染めるように指導する。などというものです。さらに、黒く染めた過去がなければ明るい地毛でも黒染め指導はしない。としています。(女子生徒が黒く染めたことがあるのは、中学時代に学校から指導されたためだそうです。)
衝撃的だったのは、女子生徒を傷つける状況で、自分は嫌だが学校の方針だから指導するしかなかったという趣旨の発言まで飛び出したことです。
もちろん、この音声データが間違いのないものである前提ですが、まったく意味不明の弁解だとしかいいようがありません。学校と大阪府教育委員会側は、毎日放送の取材に対し、裁判中のことであり生徒のことを配慮してコメントできない旨の回答をしているとのこと。
コメントできない理由は本当にそれなの?と、市井のオヤジは思ってしまいます。この事件についてのネットの反響のなかには、一方の言い分だけでは何も判断できないとの意見が出ていました。それはまったくそのとおりであり、痴漢冤罪を見るまでもなく、片側の話だけを真実と考えることは危険です。もっとも、髪を染める指導の是非は別の話ですが。
かっこいいオヤジでいることの難しさ
しかし、この音声データが出てくると、もう一方的な話ではなくなってきます。表の主張と裏の話がまるで異なるのはどういうわけか?下っ端の教員は、それが教員として妥当な行いかどうかではなく、上の命令に従うしかないのか?その辺の一般企業ならそうした例は珍しくないでしょう。下っ端のオヤジが、間違ったことを命じる上に逆らっても誰も助けてくれません。残念ながら、そういう現実はまだまだたくさんあります。
しかし、公立学校の教員が、上下関係に逆らえないからといって、自分でも嫌だと思うことをやって生徒を追い詰めることは、理解の域を超えています。もちろん、この教員にも生活があります。職場として考えればそうなるのも無理はないといえるのかも知れません。しかし、職務執行の都合は、学校の職員ではない生徒には関係ありません。教員になろうとする者は、こうしたことも覚悟してからなるべきなのかも知れないですね。そもそも、教員になるときには生徒を正しく導く理想もあったでしょう。
それにしても、警察に届ける前に協会に報告しない貴乃花親方が悪い!という例のトンデモ理論にダブって見えます。
これは、この教員を責めるのではなく、子供を託す相手がこのような発言をするようでは、保護者や日本国民は安心できないということです。かっこ悪いを通り越しています。そして、下っ端がこうした選択をせざるを得ない学校現場の体質もかっこ悪いどころの話ではありません。
余談ですが、卒業式の起立による国家斉唱に異を唱え、イデオロギーを表明する教員がいる一方で、なんにも物言えない教員もいる。おそらく、この2種類はまったく体質の異なる学校なのでしょう。どっちにしても異常ですが…。
さて、髪を染めさせることについては、まだ別の話として賛否両論あります。ただ、日本国憲法において、地毛のまま通学することは基本的人権に含まれるとの解釈もあり、そうだとすれば、生徒の髪は何が何でも黒であるべき!という感情論は何の意味も持ちません。また、憲法がどうであれ、地毛と異なる色に染めろというのは横暴でしょう。本件のように、黒染め経験がなければ黒でなくて構わないというに至っては、まったく論理が破綻していますしね。
ともあれ、我らオヤジ連中も、かっこ悪い言動をするオヤジにならないように気をつけたいものです。なかなか難しいことかも知れませんが、日々是精進です。