少額被害による泣き寝入りを防げ!被害者と弁護士を繋ぐ『enjin』って何?

  • 2019/03/06
  • ライフスタイル・娯楽
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  • 沖倉 毅
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詐欺被害の中でも、1人当たり30万弱の被害は少額被害と言われ、年間16兆円存在すると言われている。

例えばの話だが、浄水器購入詐欺で10万円の被害に遭ったとしても、弁護士費用が30万かかる上、訴訟を起こして勝てる見込みが薄いと言われれば、泣き寝入りするしかない。

高齢者をターゲットにした詐欺手口も『オレオレ詐欺』などの電話詐欺から、デジタルコンテンツを中心とした、通信販売業へと被害が拡大しているのが現状だ。

こうした人々の弱みに付け込む犯罪が後を絶たない。

この様な少額被害者の費用倒れによる泣き寝入りを防ぐ為に、被害者と弁護士を結ぶプラットフォームが産まれた。
これはどの様に利用すればよいのだろうか、そして出来た経緯は、どの様なものだろうか。

 

少額被害者を助ける為のプラットフォーム

少額被害者を助ける為のプラットフォーム
30万までの少額被害者が泣き寝入り状態の日本は、弁護士から見ても歯がゆい状態である事は間違いない。
そんな中、’18年5月に作られたのが、集団訴訟プラットフォーム『enjin(円陣)』だ。

同じ被害を被った見知らぬ個人同士が寄り集まって弁護士を探し集団訴訟を起こすとなると、煩雑な手続きを行わなければいけない上、訴訟に関わる人同士の人間関係の揉め事も起こりやすい。

その結果、集団訴訟を起こして、被害者同志の最終目的である、被害を事件化し解決に導くという事が出来なくなってしまうのだ。

この問題を解決に導くのが『enjin』である。
運営するクラスアクションのCEO・伊澤氏は法律事務所で企業法務を担当。
企業法務を担当する中で、少額被害を多く担当した事がきっかけとなり、この会社を興したという。

 

プラットフォームを利用するメリット

enjinを利用するメリットは以下の通りになる。

1:被害者の弁護士費用がかさまない
2:弁護士側も同じ被害者が複数集まれば手間が省ける
3:集団訴訟にする事で、少額被害を顕在化し事件化出来る
4:加害者への抑止力になり、さらなる被害を食い止められる
5:解決力を高められ、交渉力を持てる
6:案件にする事で、社会を動かせる

単純な計算で行くと、弁護士費用が30万とし、被害者が30人集まれば、弁護士費用は1人頭1万円で済むことになる。

弁護士側も、普通の集団訴訟の様に、個々の被害者を訪ねて連絡を取るのではなく、被害者への連絡など煩雑な業務はenjinに任せれば良いので安心だろう。

少額被害で、1人、2人の被害だと泣き寝入りしなくてはいけないが、何十人と同じ被害者が集まる事で、被害が事件化し、集まった被害者の数によれば、訴訟前に和解に持ち込むことも不可能ではない。

enjinの使い方は、被害者が新規案件をプラットフォームで立ち上げるやり方と、既に提示されている案件(被害)に合流するやり方の二種類がある。

既存の案件に参加し、人数を増やす事でも、加害者への抑止力になり、さらなる被害を食い止める方向に持っていける力になる。

現在同社に登録している弁護士は約100人。
支援者の寄付機能も募ってはいるが、’19年6月からは登録弁護士から登録料を貰う機能もつけるという。

現在は無料で利用できる『enjin』で、サイトには150件を超える案件が常に表示されている。
主な案件は仮想通過、投資詐欺、チケット詐欺などだ。
かなりの案件数があるので、この中から自分が参加したい案件をまず探す事をお勧めしたい。

この会社の理想は、全ての被害者が司法にアクセスし救済出来る場を作る事だという。

enjinで集団訴訟のプロジェクトを作るまでは行っても、解決にまで導かれなければ話にならない。
物事を顕在化し、事件化するためには、最終的に、そこの関わる人々全てが、被害の解決に全力を注ぐ事に他ならない。

今もなお、日本だけでなく諸外国でも少額被害は後を絶たない。
だが同じ被害を被った人たちが集まり訴訟を起こす事で、解決に糸口はつかめるかもしれないのだ。

この記事の作者

沖倉 毅
沖倉 毅
ビジネスと国際関連をメインに執筆しています沖倉です。 転職経験と語学力を生かし、語学教師とフリーライターをしています。 趣味は定期的に記録会に出る水泳、3000本以上お蔵入り字幕なしも観た映画、ガラクタも集める時計、万年筆、車、ガーデニング、筋トレです。 どうすれば永遠の男前になれるかをテーマに、取材は匿名を条件に記事執筆に勤しみます。
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