なぜ未だにFAXを使っているのか
- 2018/06/06
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だって、相手がそう望むから
犬助はFAXが嫌いです。
なぜPDFファイルをメールに添付すればすむところを、プリントアウトして、FAXで送信しなくてはならないのか? 面倒な上に、電話代がかかるではないですか。
加えて日に数度、送られてくるスパムFAX。「当日融資可能」とかうるさいことこの上ないのです。
にもかかわらず依然として、当・零細編集・制作事務所にある、FAX複合機……こいつを、どうにかできないかと何度も考えてきました。しかし、FAXはなくならないのです。
なぜなのか? それは、お客様が「原稿をFAXで送ってくれ」と要求してくるから。
そして犬助に「あーFAXじゃなくて、PDFファイルで送ってはダメですか?」と、聞き返す勇気がないからです。近年ではさすがに、HPの校正などWeb上で完結する媒体での校正で、FAXを要求されることは少なくなりました。
しかし依然として、パンフレットや雑誌など、紙媒体の校正のやり取りではいまだにFAXは現役バリバリ。早く滅びないかな? と思っているのですけれどね。
プリントアウトの必要があるなら最初から
編集・制作の現場ではこんな風ですが、他業種ではどうなっているのか?
輸出入の仕事に関わっている妻にたずねてみると、彼女の職場でも、やはりFAXは大活躍中だとか。FAXがなくなると業務が完全に滞るほど、FAXに依存しているというのです。
なぜなら、他社と書類をやり取りする場合、やはりスタンダードとなっているのがFAXだから。なぜPDFなどを使わないのか? と聞くと、その理由は、どのみちプリントアウトしないと書類は使えないから、という返事でした。
「課内で閲覧するにしても、チェックを入れるにしても、ファイリングするにしても、書類をプリントアウトしないことには使いづらくてしょうがない、ならば最初からFAXでいいじゃんってことでしょ?」こんな風に彼女はいいます。
仕事上、海外とのやり取りも多い妻にいわせると世界中からFAXが送られてくる。
FAXでの書類のやり取りがスタンダードになっているといいます。
「プリントアウトするぐらいなら、最初から紙で送れば?」という理屈が、世界中でまかり通っているということです。
実はFAXに依存しているのではなくて?
「PDFでもプリントアウトしなければ、使い物にならない」
この様に妻はいっていましたが、考えてみれば編集・制作の現場でも同じこと。文字原稿ばかりか、HPをチェックするケースでも紙の原稿は欠かせないものです。
特にWeb上だけで、やり取りをしていると誤字・脱字の発生率は大幅に高まるもの。やはりプリントアウトして校正をしなければ、文字に限っても使い物にはならないのです。
これに画像が入るなら、なおさらのこと。
HPを制作するといった現場でも「この写真の左側をもう少しつめる」といったデザイナーさんへの指示は、紙に出力されたものに赤いペンで入れるもの。PDFファイル上に文字を入力して指示をするという方法はとりません。
なぜなのか? それは、そういう慣例だからというのもありますが、そっちのほうが早いから……最近のAdobe「Acrobat」ならば、そんな機能など付いていることはわかっているのですが、もちろん利用したことはありません……と、ここまで書いて「はっ!!」としたのですが、あれだけFAXを撲滅したいといっている犬助自身が、紙媒体への依存を捨てきれないでいるのです。
FAXが必要なのは、みんな紙が好きだからだ!!
編集・制作や物流に限らず、多くの業界ではFAXが必要というよりも、紙という媒体から抜けられないから、FAXから離れられないということではないでしょうか?
確かに通信速度は遅いですし、モノクロ・72dpiという解像度といったFAXの規格はどうしようもないものだと思います。しかし長年、そんなFAXが業務の中で大きな部分を占めて来た以上、これを何かに代替させるのは、不可能ではないか? と思うのです。第一、代替させても大したメリットも浮かびません。
加えて紙という媒体。
こちらとの付き合いはFAXの歴史とは比べ物にならないぐらい長いもの。それこそ数1,000年というレベルで人類と関わりがあるメディアなのです。それを、液晶画面に代替させるといってもねえ……やっぱり、FAXって必要ですし、なくなることはなさそう。
冒頭の「嫌い」という言葉は、ここに撤回したいと思うのです。