今のうちに知りたい軍事の知識~徴兵制について~
- 2017/05/15
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徴兵制とはなんぞや?
徴兵制とは、先の大戦まで日本においても採用されていた「国民の義務として軍務に就く制度」と言えばわかり易いでしょうか。昭和の時代によく言われたのが、一銭五厘のハガキ、赤紙(召集令状)で出征するという手続です。平成に入ってからはあまり聞かなくなったような気がしますが、戦後の期間が長くなったせいでしょうか。
一銭五厘のハガキとは、召集令状の郵便料金(必ずしも実態と合致しませんが、代名詞のようなものとして使用された言葉です。)のことであり、転じて兵隊などは安いハガキでかき集められる(命の値段が安い)という揶揄とも自嘲とも言えそうな言葉となっています。また、赤紙とは臨時召集令状の紙の色が赤いところからの俗称です。これまた、昭和の時代には反戦団体などが赤紙のレプリカを作成して配布していたものです。最近ではほとんど見かけませんね。
さて、一般に召集を受ける人は事前の徴兵検査に合格した人です。徴兵検査とは、入営適齢(または、その直前)になった国民に対して行われるもので、日本陸軍の場合、甲種合格となれば、まったく何の問題もないということでした。逆に言えば、甲種合格でない者は問題があるということであり、不名誉なことと考えられる向きがありました。
現代に徴兵制は必要か
最近、軍靴の足音が聞こえるとか、政府は徴兵制を目論んでいるとか抗議する人たちがいます。それに対し、現代の戦争に徴兵制でかき集めたような兵隊は役に立たず不要であるばかりか、志気が低いと弊害があり、徴兵制の復活などは妄想であるとする人たちもいます。
そこで、現代において徴兵制が有効な制度なのかどうかを考えてみましょう。確かに、ハイテク化した兵器を操るには、それなりの頭脳をはじめとする能力が必要であり、錬度も要求されます。そのことは、徴兵制復活阻止を叫ぶ人の中にも理解している人がいます。しかし、兵隊にはさまざまな任務があるため、必ずしも徴兵制が無意味ではないことや、総力戦になれば志願兵だけでは不足するなどと徴兵制が復活する理由を挙げています。
そのどちらも人手に関する事柄ですが、徴兵しなければ人手が不足するような総力戦を行う状況では、そもそも徴兵制があるとかないとかの次元で語れないのではないか?との疑問が生じます。もちろん、平時から総力戦を前提とした編成を組むのであれば別ですが、それは現実的な話ではないでしょう。
いすれにしても、このような議論さえタブー視されていた時代が長かったことが異常でした。徴兵制に限らず、立場の違いが多々あったとしても、互いに相手を排除することを主眼とするのではなく、民主主義国家の名に恥じないような議論による結論を出すべきであり、そうさせるのがオヤジの責務でしょう。そして、議会制の民主主義的手法とは、結局は、議員による多数決になるわけです。
ひとつ考えなければならない点は、自分の気に入る結論は「多数決で決まったこと!」と言いながら、気に入らない結論には「数の横暴だ!」と認めないことをどう捉えるかです。右とか左とか関係なく。