世界一有名なCM?アップルコンピュータ「1984」をご存知ですか

  • 2018/06/17
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ご存知ですか? 世界一高額なTVCM枠

ご存知ですか? 世界一高額なTVCM枠

北米最大のスポーツイベントといえば、全米フットボールリーグ(NFL)の年間チャンピオンチームを決める「スーパーボウル」!!という話は「YAZIUP!」にも書いた通りなのですが、そんなイベントだけに様々なものがケタ外れとなっています。

例えば視聴率もその一つ、毎年40%を超えてくるのは当たり前、実に1億を超える人が視聴するといいます。ですから、その際に流されるTVCM枠の料金もケタ外れ、30秒で平均380万ドルといいますから、本当に驚かされるのです。

これがどれほど高額か?たとえば、東芝が一社提供していた時代の「サザエさん」のスポンサー料は年間で30億円だったという……国民的アニメーションと呼ばれていたころの、サザエさんですら「年間」30億円なのに、スーパーボウルはたった30秒で4億円超……ね、ケタ外れでしょ?もちろん世界一高額なCM枠となっています。

 

スーパーボウルで流れたCM「1984」とは?

スーパーボウルで流れたCM「1984」とは?

そんなスーパーボウルに、現・アップル社がCMを流したのは1984年のこと。
当時アップルコンピュータは新興の一企業。パーソナルコンピュータという概念すら人々にとって馴染みが薄いころに、高額すぎる料金を支払い風変わりなCMを流したのです。

広くて薄暗い体育館のような空間に、集められた人々が無表情に眺めるスクリーンには、アジテーションをおこなう男性が大写しになっています。そこに駆けつけるアスリート風の女性、そんな彼女は手にしたハンマーをスクリーンに投げつける!!爆発するスクリーン……そして、流れるナレーション。

「1984年1月24日、アップルコンピュータはMacintoshを発表します。そして我々は1984年が、小説『1984年』に描かれているような年にならないことを、お目にかけましょう」

このCMのメッセージとは何か?非常に乱暴にいってしまうと「Macintoshを購入すれば、使いにくいIBMのPCに苦労する毎日から開放されますよ」ということなのですが……おかげでMacintoshは大ヒット、今日のアップルの礎となったのです。

 

自らを反逆者と位置付けてきた、アップル社

CMに登場する、体制に楯つきハンマーを投げつける女性。
「海軍に入るより、海賊であれ」なるスティーブ・ジョブズ氏のメッセージ。キャッチコピー「for the rest of us」。

このころのアップルは、常に自分たちを反逆者のようになぞらえていました。
敵視していたのはIBM、後にMacintoshそっくりのオペレーションソフトを備えたWindows。アップルとマイクロソフトは泥沼の訴訟合戦に入り、一旦アップルを追われたジョブズ氏は「iMac」を引っさげてカムバック、そして「iPhone」がリリースされて、現在に至るのです。

 

ユーザーに選民思考を持たせることは、アップルにプラスになったのか?

ユーザーに選民思考を持たせることは、アップルにプラスになったのか?

「for the rest of us」、(コンピュータに詳しくない)残りの私たちのために……今、見ても、なかなか魅力的なキャッチコピー。何が上手いかというと、アップルのユーザーを「残りの私たち」とすることで、あたかも選民のように思わせているところですね。
アップルを使っている自分たちは特別だと思わせることにより、企業に対する忠誠度が高まり、アップル製品ならば何もかもが素晴らしいとばかりに買いまくるようになる。
ええ、昔の犬助がそうでしたし、今でも「信者」と呼ばれる人がたくさんいるのがアップルです。

でもねえ、すぐに気が付くのですよ。
MacintoshであろうとWindowsであろうと、できることなど大差ないということに。
加えて、個人の能力が使っているコンピュータで左右されることなどない、ということに。
そこに気づかせることなく消費行動をあおる、というのがアップルが上手かったところだったのです。

「for the rest of us」というキャッチコピーが盛んに使われていたころ、これを目にして心底不思議そうにしていた男がいました。「どうして『for ALL』じゃないんだろう」。
彼の名前はビル・ゲイツ氏……どちらが正しかったかは、今、周りが使っているPCのOSを見ればわかること……この闘いに敗れたアップルは、長い低迷期に入るのです。

ちなみに、先述の「1984」のCMは、リドリー・スコットが監督を務めています。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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