すべてのトヨタ車がトヨタのどのディーラーでも買える時代が到来
- 2018/10/05
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メーカー系ディーラーの棲み分け
たとえば、キヤノンのカメラはカメラ屋さんで買い、複合機は電気屋さんで買う。また、業務用の光学機器は専門商社から買うなどといった、同じメーカーの製品でも、分野によって売っている店、買いに行く店が異なることはよくある話です。
自動車の場合、どれも同じようなといっては御幣がありますが、キヤノン製品の例とは異なり、販売店を分ける必然性が感じられないにもかかわらず、こっちのディーラーでは買えるけど、あっちのディーラーでは買えないという状況が普通になっています。いってみれば、キヤノンのコンパクトデジカメと一眼デジカメは売っている店が違うようなものです。
日本最大の自動車メーカーであるトヨタの場合、系列のディーラーはトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4種類があります。
それぞれで扱っている車種に違いがあるため、欲しい車種が決まっている場合、それが4つのうちどのディーラーで売っているのかをチェックする必要があります。
こうした扱いはトヨタに限った話ではなく、日産でも、日産、日産プリンス、日産サティオといった分類がありました。しかし、日産ではブルーステージとレッドステージへの統合を経て、現在ではほぼ同じです。会社名としては、日産プリンス○○といったようにそのまま残っているケースが見られます。
さて、トヨタでは意味もなくこのような仕組みにしているわけではありません。車種を豊富に用意しているメーカーとしては、ひとつの店で売る車種を絞った方が効率のよい販売ができると考えるのでしょう。
実際、ディーラーは中古車センターなどと異なり、多数の車を展示するスペースを持っていないケースが多いといえます。そこで、店ごとに注力する車種を限定して商売するというわけです。また、営業対象とする顧客層を分別する形にもなっています。高級車を扱う店と大衆車を扱う店といった感じで。
しかし、それでも扱っている車種は二つや三つではないため、小スペースだと展示できない車種があることに変わりありません。また、ユーザーとしてはできるだけ同じ店で買える方が便利といえます。大金持ちは別扱いされたいかもしれませんが。
トヨタが4つの区分けを見直す
トヨタには、現在4つ合わせて5000店ものネットワークがあります。最近、この5000店で買える乗用車を統一する。つまり、どの店でも同じ車種が買える、すべての車種がどの店でも変えるようにするとの方針が示されました。
実は、近年の大ヒット車種であるプリウスは、4つのどの店でも取り扱っており、売れる車は棲み分けせずに売った方が得だといえそうです。
また、トヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツと4つで棲み分けるということは、それぞれにヒット車種を用意する必要が生じることを意味しています。しかし、プリウスのように売れる車種を全店に配置すれば、個別に生み出す必要がありません。
これは、プリウスだけでなく他の車種も全店で売ればより楽になることを意味しています。それによって、全体の車種の数を削減することも可能になります。売れる車種はもっと売り、売れない車種は削ってしまいことが容易になるのです。
トヨタの方針は、オヤジにとっても有意義なものといえます。ただ、今すぐにそうなるということではなく、2025年を見据えた政策のようです。その頃には、人口減少も進んでおり、こうした統合策がより意味を持つようになっていると考えられます。
ただ、そうなると、大衆車も高級車も一緒に見られるようになるため、ついつい考えていた車種よりもお高い車に目が行ってしまう可能性があります。そこは、予算を「かなり多めに確保すること」で乗り切るしかないのかもしれません。