80年代を彩った自動車を紹介!! RV編
- 2018/06/07
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デートカー、そしてRVへという流れ
ポルシェ・カイエンの大ヒットから始まって、マセラティ、ランボルギーニ、そしてフェラーリまで開発に言及!!クロスオーバーSUVの勢いが止まりません。
この風潮を「あんな腰高の車のどこがいいんだい?」などと、苦々しい思っているのは犬助だけではないはず。スポーツカー、いや車はことごとく車高が低いのがカッコイイ。
にもかかわらず、世界に冠するスーパーカーのブランドまで腰高の車を発表するなど、世も末ではないですか!!
しかし、こんな思いにとらわれてしまうのは、何も初めてのことではありません。
犬助の周り連中が乗っている車が、ことごとく車高が高くなった時期があったもの。
今まで乗り回していたデートカーを手放して、三菱・パジェロや日産・テラノに乗り換え始めた時期……そう、「RVブーム」が起こった90年代始め。
「フェンダーとタイヤの間は数cm、コブシが入るような車なんて!!」
こんな風に口にしていた連中が次々と、フェンダーとタイヤの間にコブシが何個も入るような腰高の車に、次々と乗り換えていく様に絶句したものでした。
日産・ジューク、マツダ・CX-5、トヨタ・C-HRなどなど。
日本で現在のクロスオーバーSUVの隆盛があるは、90年代のRVブームがあり、腰高の車に対するアレルギーが払拭されたからこそ、といっても過言ではないでしょう。
そんな、RVブームが到来する前夜の80年代後半。街中に走っていたRVといえば、トラックと見紛うばかりの武骨なルックスのランドクルーザーなどでした。
RVブームの背景にあった、スキーブーム
1987年に公開された映画、「私をスキーに連れてって」からスタートするスキーブームは、当時の若者たちをゲレンデへと連れ出し、バブル期の1ページを飾ることとなりました。
しかし、問題はゲレンデへの足。
スキー板を始めとした大荷物を手に、電車など公共交通機関を利用して、ゲレンデまで出向くのは、あまり現実的ではありません。そこで必要になってくるのは、雪に負けない足回りを持つ自動車なのですが、80年代末期に条件をみたすような車は、ほぼなかったもの。
先述したトラックみたいな本格クロカン、そりゃあスキー場への足としては最高でしょうが、外観があまりにも男臭かったので女子ウケは最悪、これらの車を見て女子が喜ぶようになるには、本格的なRVブームが到来する90年代まで待たなければなりません。
ちなみに、「私をスキーに連れてって」の劇中に登場する車はトヨタ・セリカGT-Four……うん、乗用車を4WDにしたような車ではスタックした時に不安ですが、当時、女子ウケを考えた場合には最良の選択かもしれません。
自動車の空白地帯に現れた、スズキ「エスクード」
本格クロカンか、乗用車を4WDにしたような自動車しかない。
こんなエアポケットのような市場に突如として登場したのが、コンパクトRV・スズキ「エスクード」、1988年のことでした。
初代のボディデザインは、今となっては無骨さを感じさせるなのですが、当時のトラックのようなランドクルーザー・60系、初代・パジェロから見ると、アカ抜けている部類に入るもの。鉄板むき出しだったランクルやパジェロと比較しても、エスクードの内装は乗用車ライク、これなら女子もイヤな顔をせずに乗ってくれるというもの。
車高があって見渡しやすいとか、運転しやすいというメリットも大きかったのです。
そして、何よりも価格が安かった!!
200万円、300万というランクルやパジェロと比較すると、150万円も出せば購入できるエスクードは魅力的な存在。排気量も1,600ですから維持費も知れていますし、5ナンバーで収まるボディサイズもコンパクトで良かったものでした。
本格クロカンの時代が到来するか
エスクードが開拓したコンパクトRVというジャンルに、トヨタはRAV4、ホンダはCR-Vで参入。そして90年代のRVブーム、ついには現在のクロスオーバーSUVブームへとつながっていくことを考えると、スズキ・エスクードの果たした役割がいかに大きかったかが理解できるはずです。
加えて、エスクードで特筆しておくべきことは本格的なクロカン性能も持っていたこと。
追従したRAV4やCR-Vは乗用車の延長上にある、なんちゃってクロカンである一方、エスクードは、ラダーフレームを採用したばかりか、デフロックや副変速機なども備えた本格派。延々とジムニーを造り続けてきたスズキのノウハウは伊達ではないことを、知らしめてくれたのでした。
うーん、いい車だったよな、初代・エスクード。
それに比べて、ムダにでかくなった上に豪華になった、現行のエスクードってどうなの?と思っていたら、何やら新型ジムニーに次いで、普通乗用車規格の新型・ジムニー「シエラ」の登場がウワサされているではないですか!!
これは、久々のクロカン、いってみますか?今年の冬の大雪に泣いた犬助の中では、熱い車として新型・シエラはマークされているのです。