ロシアW杯会場の広告でしっかり目立った中国企業の発信力
- 2018/07/07
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中国はサッカーW杯でも経済力を発揮している
今回のW杯サッカーはロシアなのに、ピッチを取り巻く看板にやたらと漢字があるのに気付かされた人も多いのではないでしょうか。
これは日本の企業ではなく、中国の企業のものです。
中国は今大会には予選で敗退しているのにも関わらずなのです。
ここに中国の世界を凌駕しようとする経済力を感じざるを得ません。
今回ほど中国企業がやたらと目立つ大会はこれまでにはありませんでした。
スポンサーにはアメリカの企業が中心だったものなのです。
それがスポンサー企業全12社中、4社を占めることになった中国企業の経済力、そのバックにある国としてのサッカー戦略まで踏まえておきましょう。
W杯に看板を出している中国企業
W杯で広告活動を行える企業は、あらかじめ決められています。
4年前のブラジル大会では、中国企業は英利緑色能源(新エネルギー産業)1社だけでした。
それが今大会は中国企業では蒙牛(乳業)、大連万達集団(不動産業)、ハイセンス(家電)、ビボ(移動通信)の4社になっていて、大会のスポンサーにもなっているのです。
これらの中国企業がW杯での広告に投じている金額は、総額約900億円に上っているようです。
これまで1位だったアメリカを一気に抜き去り、アメリカの倍以上の額になっているようなのです。
・ハイセンス
この内、ハイセンスだけは日本でもパソコンで割と知られた企業でしょう。
あの東芝からテレビ事業を引き継いだ企業でもあります。
FIFAのオフィシャルスポンサーでもあり、スタジアムの掲示板、得点表示板も提供しています。
・ビボ
ビボは、若者中心にスマホで売り上げを伸ばしており、東南アジアでもかなり知られています。
・蒙牛
蒙牛は、乳製品の企業でありW杯を機会にして世界に向けアピールしていることを示すことで国内での製品を流通させようとしています。
FIFAのオフィシャルヨーグルトドリンクにもなっていて、サッカー関係ではリオネル・メッシがイメージキャラクターにもなっています。
・大連万達集団
大連万達集団は、不動産業ではありますが、それだけでなく世界中でいろいろな企業の買収にも取り組んでいます。
アメリカの映画業界やプロサッカーチームもあり、アトレティコ・マドリードの大株主でもあります。
その経営状況に対し当局からの指摘もあったようですが、ここでイメージ刷新も図っているかのようです。
中国がサッカーに注目し始めた経緯
・習近平国家主席のサッカー好き
経済大国でもありスポーツ大国でもある中国も、サッカーになると世界で目立った活躍はありません。
ところが習近平氏が国家主席になってから、サッカーへの投資が甚大に増えています。
サッカースクールの急激な増加、中国リーグの有名選手の爆買いなどにもそれははっきり見受けられます。
そして将来のビジョンもまたはっきりしたもので、近いうちの自国でのW杯開催はもちろん、2050年までにはW杯で優勝するなどとまでしているのです。
・中国国民もサッカー好き
中国人に欧米の有名サッカー選手はとても人気があります。
今大会もチケットの売り上げデータなどから、それだけを目当てにロシアを訪れている外国人はアメリカの次に多いとされています。
であれば、テレビを通してW杯を観戦している中国人の多さも半端ないでしょう。
試合会場などで目にする中国企業の多さには中国人も気が付くはずですので、その国内での宣伝効果も甚大となることも想像できます。
・市場を外国に求め始めている
中国は経済発展がバブルに終わることを懸念しています。
そこで安定した経済へと進展させるためにも市場を外国に頼り始めているともされています。
サッカーW杯はそのためには格好のアピールの舞台になっています。
そこに広告されている4社に限らず、中国の企業が出場もしていないのにこれほどまでにアピールしていることは、中国企業全体のアピールにもなってしまえています。