中国の「一帯一路」って何?目的は制海権と軍事利用か?
- 2017/12/20
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「一帯一路」構想
世界情勢を考えていく上で重要な国のひとつが中国です。世界情勢が気になるオヤジも中国は気になる存在でしょう。中国は日本の約26倍の面積を誇り、世界第一位の人口を擁しています。経済面・軍事面でも注目の国であり、世界情勢に大きな影響を与えます。そんな中国が提唱しているのが「一帯一路」構想です。習近平国家主席が2013年に提唱しました。「一帯一路」構想という言葉を聞いたことがあるオヤジも多いと思いますが、何なのか中身を知らないオヤジも多いのではないでしょうか。そこで今回は、中国の「一帯一路」構想について紹介していきます。
「一帯一路」構想とは?
中国の習近平国家主席が提唱した「一帯一路」構想とは、中国とヨーロッパを結ぶ巨大な広域経済圏構想のことです。「一帯」が指しているのがシルクロード経済ベルトであり、「一路」というのが南シナ海からインド洋、欧州へ向かう「21世紀海上シルクロード」のことです。まさに巨大な広域経済圏構想であり、「一帯一路」の沿線の国は約70カ国ほどになります。すでに「一帯一路」構想は進んでおり、中国政府は「シルクロード基金」を設立しています。また、アジアインフラ投資銀行も構想実現のために、中国主導で設立をしたのです。また、今年には「一帯一路国際協力サミットフォーラム」を開催しています。
「一帯一路国際協力サミットフォーラム」とは?
2017年5月に北京で行われたのが「一帯一路国際協力サミットフォーラム」です。このフォーラムには世界110カ国の政府高官や各界関係者、国際連合や世界銀行など61の国際組織の責任者や代表などが参加されました。日本からも二階俊博自民党幹事長や榊原定征経団連会長など約50人が出席しています。
中国は同フォーラムのテーマとして「国際協力の強化『一帯一路』の共同建設、ウィンウィン発展の実現」を挙げました。習近平国家主席はフォーラムに出席し、基調講演を行っています。習近平国家主席は、「一帯一路」構想を「平和の道、繁栄の道、開放の道、革新の道、文明の道」の建設であることを演説したのです。また、フォーラムでは協力協定に署名し、協力事業で合意しています。
目的は制海権と軍事利用か?
着々と進んでいるように見える「一帯一路」構想ですが、真の目的は制海権と軍事利用との声もあるのが現実です。「一路」とは南シナ海からインド洋、そしてヨーロッパへとつながる「21世紀の海上シルクロード」となっています。中国はこの「一路」によって、南シナ海からヨーロッパまでの制海権を握ろうとしていると考えられているのです。
中国は「一帯一路」構想実現のために、沿線の国にインフラ投資などを行っています。実際に、中国は「シルクロード基金」を設立し、「アジアインフラ投資銀行」の設立を主導してインフラ投資に力を入れているのです。そして、インフラ投資を通して新中国圏を広げる狙いがあり、制海権を得ようとしている可能性が高いのです。中国の「一帯一路」構想は、制海権の奪取と軍事利用が真の目的かもしれません。
「一帯一路」構想は実現できるのか?
中国が提唱している「一帯一路」構想の実現性は不透明だが、実現する可能性はあるでしょう。「一帯一路」沿線の国としても、中国の支援や投資は歓迎しています。もちろん、中国に対しては領土問題や南シナ海を巡っての反感がある国もあります。それでも、支援や投資については歓迎なのです。また、「一帯一路国際協力サミットフォーラム」にはアメリカの代表も参加、トランプ大統領は「一帯一路」構想についてオープンであるとコメントしているのです。アメリカが「一帯一路」構想に参加すれば実現する可能性は高くなるでしょう。「一帯一路」構想に対し、日本はどんな対応をしていくのかに注目です。