ボロボロのお札はどこまでお金として認められるか

  • 2019/02/20
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  • のりき 夢丸
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なにやら曰くありげな大量のお札が県庁に届く

なにやら曰くありげな大量のお札が県庁に届く
先日愛媛県庁に段ボールいっぱいの一万円札が大量に届き、確認したところ総額で1億円を超えているのでは、というニュースがあった。

ところがこのお札、どうしたことかボロボロに風化してギリギリお札とわかるひどいレベルの代物で、残念ながら保存状態がかなり悪いため、せっかくの1万円札が1万円の価値ありとは認められない可能性があるという。

県ではこのお金を「寄付金」として処理し、西日本豪雨災害の復旧や子育て支援へと活用するらしいが、送り主が架空の人物であったこと、またお札自体が諭吉先生の古いバージョンだったことなども合わせて、いつ頃まとめられ、どこに保管していたのかなど、謎は尽きない。

 

お札が破れてしまったら

送られてきたお札の状況から、これらのお金は簡易的に包まれたまま、外界と接する場所に保管(放置?)され、少しずつ紙の分解が始まっている段階らしい。

よく子どもの頃に「タイムカプセル」と称してガラクタを埋める遊びをしたが、どんなに頑丈なカプセルを用意しても、内部の空気が冷やされて露になったり乾いたりを繰り返すらしく、最後は中身がボロボロに朽ちてしまう。それといっしょだ。

今回のようにお札の一部が破れてしまったり、原形をとどめなくなってその価値が危ぶまれるときは、まず銀行に持ち込んでみるのが一番確実だ。

銀行に限らず、破損したお札の交換には約束事があって、

▼お札全体の3分の2以上が残っていれば全額交換できる
▼お札全体の3分の2未満、5分の2以上残っていれば半額交換できる
▼それ以下は交換できない

と決まっている。

ただ今回はその復元作業や鑑定に相当時間がかかると思われるので、こういうときは「日本銀行」の出番になることもあるという。

 

体のいいロンダリング案件じゃないだろうな

よく考えると今回のボロボロお札は、ママが間違って洗濯しちゃったお札1枚とは違い、古くて、大量で、しかも出所のわからない謎のお金たちだ。

寄付されると聞いてあまり深くは追求されていないようだが、このお金たちにはほんの数パーセントとはいえ、怪しさも漂っている。
つまり、過去の犯罪に絡んだ「手を付けてはならない」分け前である可能性、また犯罪ではなくとも「税金を逃れた果てのヘソクリ」ということだって十分考えられる。

お札の時代背景から、バブル期に集められたお金の匂いもするので、どうしても邪推してしまうのがオジサンの悪いクセだ。

まあこれだけ話題になったお金なので、鑑定時に日本銀行(警察もかな?)で一部は「お札ナンバーの照合」をするはずだ。
そして過去の犯罪とは無関係であるとお墨付きを頂いた上で、堂々と施策に役立ててもらいたい。

 

そしていまだに現金ヘソクリをされている方へ

実はお札の耐久サイクル、いわゆる寿命というものは、案外短くて5年程度といわれている。

日々人々の財布から財布へ飛び回っている「紙製品」なので、粗末に扱われるとすぐにボロボロになってしまうのだ。

日本人は現金指向が高く、お金を貯めるなどというとすぐに「額縁の裏」とか「床下のカメ」なんて発想が浮かぶくらい、ヘソクリの術に長けている。
しかし大金になればなるほど、紙幣は長期保存に適したお金の形ではなく、また貨幣もその重量から持ち運びに適したお金ではない。

そこで現金ヘソクリの代わりとしてよく話題になるのが「金の延べ棒」だ。

映画「マルサの女」でもデッカい金庫からゴロゴロ延べ棒が押収されていたが、あれは金が世界中で価値を失わない資産として認められ、1本持つだけで価値を移動でき、しかも流動性が高いという金の長所を金持ちがよく知っているからだ。

「でも金は価格の変動があるじゃないか」確かにそうなのだが、実は紙幣にも価格の変動(らしき)ものがある。
難しい言葉だと「インフレ」などというが、物価が毎年上がる状況を考えるとわかりやすいかもしれない。

今年100円で買えたものが来年100円では買えなくなること、昭和初期の会社員初任給が1万5千円だった時代などを思い浮かべれば、紙幣の価値劣化もなんとなく理解できるだろうか。

今回のニュースを教訓に、あなたも大切なヘソクリをあやしい仮想通貨などではなく、一部でも腐らない資産へ分散することをお考えになってはいかがだろうか。

この記事の作者

のりき 夢丸
のりき 夢丸
馬と日本酒と時代劇をこよなく愛するフリーライター。 モットーは「人の行く裏に道あり花の山」。 最近はドローンに興味津々の毎日。 競馬血統ブログ「ほぼ毎週競馬ナビ」にて執筆中。
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