ルイ・ヴィトンは10万円の財布1つで、3万円も儲けていた!!
- 2018/09/10
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ラグジュアリーブランドはいったい、どれくらい儲けているのか
「ラグジュアリーブランドなんて高いだけ、ぼったくりじゃないか」
そんな声に対して、私、アントニオ犬助は、常々そうではないと主張してきました。
ゼロから、ルイ・ヴィトンと同じようなバッグを造ることを、想像してみてください。
どれくらいコストがかかるのか。デザインは洗練されている、使い勝手もいい、丈夫で長持ち。これらの条件を満たしたものをブランドに頼らずに手に入れようとするならば、ヴィトンでバッグを購入するより、はるかに高額なコストがかかるはず。
加えてラグジュアリーブランドにはステイタス性まであるのですから、コストと同等以上のバリューはあるは、あると思うのです。
「それでも、高いものは高いよ!!」……うーん、確かにそうですね。
では、それらのブランドはどれぐらい儲けているのでしょうか。今回は、それを見ていこうと思います。
やはり巨大企業だった、LVMH
「ヘネシー」「ドン・ペリニヨン」など高級洋酒、「ゲラン」など名門化粧品・香水、「ウブロ」など高級腕時計・宝飾品、そして「ルイ・ヴィトン」などレザーグッズ・ファッション。これら60近くのラグジュアリーブランドを傘下に持つ、巨大コングロマリットといえば「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」。
そんなLVMHも株式を公開している一企業ですから、決算時には財務状況を公表しなくてはなりません。
その資料に公表されていた、昨年1月から12月までの売上は426億3,600万ユーロ、営業利益は81億1,300万ユーロ。
1ユーロ130円で計算すると、売上は5兆5,426億円、営業利益は1兆547億円となっている……えーっと、あまりにも数字が大きすぎますからピンとこないかもしれませんが、LVMHがもし日本の企業なら、営業利益のランキングはトヨタ、NTTについで堂々3位、ソフトバンクやNTTドコモ、KDDIよりも上に位置します。
ケタ違いの営業利益率に注目
そんな巨大な収益を上げているLVMHなのですが、なぜ、こんなに儲かっているのか?というと営業利益率が高いから。
グループ全体なら19%、レザーグッズ・ファッション部門に限るなら、実に32%という数字が出ているのです。つまりヴィトンの財布を購入したならば、そのうち32%がLVMHの懐に入るということ。
財布が10万円だったとしたならば、財布の原価はもちろんショップの地代家賃、スタッフの人件費、広告宣伝費もろもろの合計金額が6万8,000円ということ。その残りの3万2,000円が営業利益ということです。
ちなみにユニクロの営業利益率は10%前後なのですが、このことから考えると、いかにLVMHが儲けているかがわかるというもの。
もちろんユニクロの数字は、決して悪い水準ではありません。
ちなみに他のラグジュアリーブランドの営業利益率もあげておくとシャネルが28%、グッチが34%、エルメスが35%。どこもかしこも、アパレルというジャンルで考えるならば、ラグジュアリーブランドはどこもケタ違いの高利益率をたたき出しているのです。
傾けられてきた努力にこそ価値がある
「それだけ儲けてるんだから、やっぱりぼったくりじゃないか!!」
そんな声が聞こえてきそうですね。しかし、ここで考えるべきは営業利益率でもなければ、コストでもありません。
繰り返しになりますがバリュー、購入者にどれだけ楽しい思いをさせてくれるか?ということなのです。
そして、こんな高収益があげられるビジネスモデルを造り上げるまでに、傾けられて来た努力たるや想像を絶するものがあると思うのです。
銀座の一等地に店を構えたり、キレイなおねえちゃんをスタッフで雇ったり、話題性の高いセレブリティをモデルで使ってみたり、どこかの芸術家のパトロンになったり……そんな努力を数10年も積み重ねてきた結果、高収益のビジネスモデルにたどり着いたと考えるべきでしょう。
しかし、グッチが34%……あの珍奇なコレクションが、これほどの高収益に結びついているとは。アパレルいや、ラグジュアリーブランドとは実に奥が深いものですね。