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軽い冗談のつもりが「SOGIハラ」になっているかも

  • 2018/09/06
  • ビジネス
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  • 八神千鈴
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「SOGI」は個人ごとの性的志向と性自認

「SOGI」は個人ごとの性的志向と性自認
ここ数年で性的マイノリティーを表す言葉「LGBT」はTVや新聞によく登場するようになり、世間でも広く知られるようになりました。しかしLGBTという表現には性に関するふたつの概念が入っていることはあまり意識されておらず、性的マイノリティーへの誤解を生じる原因にもなっています。
この「ふたつの概念」とは、「性的志向」と「性自認」です。LGBTという言葉は女性の同性愛者であるレズビアン(Lesbian)、男性の同性愛者であるゲイ(Gay)、両性愛者であるバイセクシャル(Bisexual)という性的志向と、肉体的な性別と精神的な性別が異なるトランスジェンダー(Transgender)という性自認の頭文字を取って構成されています。「ゲイの人は心が女性」というような間違った認識は、この性的志向と性自認がごちゃ混ぜになって起きてしまうものです。
そこで最近になって注目されているのが、性的志向と性自認の英語Sexual OrientationとGender Identityの頭文字を取った「SOGI」という言葉。発音は「ソジ」または「ソギ」です。SOGIはLGBTのように特定の性的志向と性自認を表すのではなく、「自分は女性が好きな男性」というような個人ごとの性的志向と性自認を表す言葉です。
つまりSOGIはすべての人に関係する概念なので、LGBTのように「当事者以外は関係ない」と他人事のように扱われることがありません。同性が好きでも異性が好きでも少数派か多数派かというだけで、どちらも多様な志向のひとつにすぎないと理解しやすくなります。

 

誰かのSOGIを馬鹿にしたり否定したりするのはNG

誰かのSOGIを馬鹿にしたり否定したりするのはNG
現代社会では、性的志向が異性愛者のヘテロセクシャルで性自認が肉体と精神の性別が一致するシスジェンダーというSOGIが大多数を占めるため、それが「普通」として日常に浸透しています。しかし、誰を好きになって自分をどう感じるかは人それぞれの自由ですよね。性的マイノリティーの好みやライフスタイルを否定する権利は誰にもありません。
そうとは理屈でわかっていても、「普通」の呪縛は案外と根深いもの。軽い冗談のつもりでも性的マイノリティーの人を傷つけることはよくあるので、発言に気をつけましょう。性的志向や性自認に関するいやがらせ「SOGIハラ」には次のような例があります。
やはり多いのは差別的な発言で馬鹿にしたり否定したりすることです。トランスジェンダーの人を「オンナオトコ」、「オトコオンナ」と呼ぶのは冗談でも失礼なので絶対にやめましょう。また一般的な男性がしてしまいがちなのは、レズビアンの人に「もったいない」と言うこと。男性を魅了できる素敵な女性だと褒めたつもりかもしれませんが、レズビアンの人からすると異性愛者からの価値観の押しつけでしかないのです。
また、誰かが性的マイノリティーであることを本人の許可なく公表することはSOGIハラになります。現代社会はまだ性的マイノリティーが生きづらい世の中なので、カミングアウトは本人の意思を尊重するべきです。本人が望まない限り他人に知らせてはいけません。

 

性的マイノリティーへの差別は旧時代の遺物

性的マイノリティーへの差別は旧時代の遺物
SOGIハラは学校や職場での不当な扱いにも見られます。性的マイノリティーであるという理由で入学や入社を断られたり、職場を解雇されたりすることは残念ながらあるのです。
しかしそのような扱いは法律に違反すると認識しなくてはなりません。戸籍上の性別は男性で性自認は女性であるトランスジェンダーが、女性の服装で出勤したために懲戒解雇されたことを不服とした裁判では、女性の容姿でなければ精神的苦痛を感じる人に女性の服装での出勤を禁じることは不当だとして解雇を無効とする判決が出ています。
2015年4月には渋谷区で同性カップルを結婚に準じる関係と認めるパートナーシップ証明書の発行がはじまり、今年7月にはお茶の水女子大学が戸籍上は男性で性自認が女性であるトランスジェンダーの入学を認めると発表しました。社会は着実に性的マイノリティーをありのままで受け入れる方向性に動いています。
そんな時流の中で性的マイノリティーを偏見の目で見て、異常だと差別するような人は旧時代の遺物といえるでしょう。SOGIの多様性を認め、SOGIハラをしてしまわないよう心掛けることがこれからの時代には必要なのです。

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八神千鈴
八神千鈴
編集プロダクション、出版社の編集者を経てフリーライター。現在は歴史系記事をメインに執筆。それ以前はアニメ、コスメ、エンタメ、占いなどのメディアに携わってきました。歴史はわかりづらいと思っている方にもわかりやすく、歴史のおもしろさをお伝えしたいです。
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