ゴールデングラブ賞の選考基準はどんなだ?
- 2018/11/21
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ゴールデングラブ賞の選び方とは?
それぞれのポジションで守備に優れた選手を表彰する、プロ野球ゴールデングラブ賞。
今年も11月8日に発表され、両リーグ合わせて18名の選手が受賞しました。
ところでこのゴールデングラブ賞、選考基準やその方法を詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。
選考対象
ゴールデングラブ賞の投票対象となるのは、各ポジションでチーム試合数の2分の1以上出場した選手です。
ただし投手に限り、規定投球回数以上もしくはチーム試合数の3分の1以上の登板していることが条件となります。
いかに守備が上手い選手でも、こうした試合数の条件を満たさなければ選考対象となることはありません。
選出方法
前述の通り、守備に優れた選手に贈られるゴールデングラブ賞。
それではその守備に優れた選手というのは、どうやって決めるのか。
それは、5年以上の取材キャリアを持った記者による投票となります。
各ポジションごとに1名ずつ選び、相応しいものがいないと判断したポジションは「該当者なし」とすることもできます。
また左翼手・中堅手・右翼手に関しては外野手として統一され、3名が選ばれます。
そのため中堅手の選手が3名選ばれるのも、ゴールデングラブ賞では珍しくない光景です。
ゴールデングラブ賞の問題点
ゴールデングラブ賞の選出は、客観的要素ではなく記者の主観によって決められます。
そしてそんな記者に求められる資格も5年以上の取材キャリアのみなので、それぞれの知識にはバラつきもあります。
メジャー発祥のセイバーなどデータを参考に投票している記者もいるでしょうが、その数はそんなに多くはありません。
そのため毎年のように、この選手よりももっと相応しい選手がいるのでは?という議論が巻き起こっています。
UZRの存在で議論が過熱
ひと昔前までは、守備を評価する指標として「守備率」がよく用いられていました。
これはいかにエラーが少なく堅実な守備をしているかを示す1つの有効な指標ですが、守備範囲に関してはわからないという欠点もあります。
そんな守備率に取って代わりつつあるのが、近年日本でも知られるようになった「UZR」。
この指標は守備範囲なども計算に落とし込んだ総合的な守備指標となっており、「リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだか」を算出します。
ゴールデングラブ賞はこの数値が低い選手が高い選手よりも多くの票を得て受賞することも多く、それが議論をますます過熱化させています。
なお野球データの分析を行っているDELTA社によりますと、野手の受賞者のUZRは下記の通り。
DELTA社ではリーグごとではなく、セリーグもパリーグも同一で計算をしています。
捕手 梅野隆太郎+3.0 甲斐拓也+7.9
一塁 J.ロペス -1.6 中田翔 +2.0
二塁 菊池涼介 +9.8 中村奨吾+6.5
三塁 宮崎敏郎 -11.3 松田宣浩+13.5
遊撃 田中広輔 +2.2 源田壮亮+30.9
外野 大島洋平 +11.9 柳田悠岐+2.1
丸佳浩 -4.3 秋山翔吾-1.2
平田良介 +11.9 西川遥輝+6.2
たとえば+5.0の選手であれば、同ポジションの平均的な選手と比べて5点の失点を防いでいるということになります。
源田選手の凄まじさがわかるのではないでしょうか。
なお外野手は平田良介選手のみ右翼手での数字になり、他の選手は中堅手での数字となります。
これからの選考方法はどうなる?
UZRとて、完璧な指標ではありません。
しかしそれを抜きにしても、野球記者の主観で決められる現行の選考方法は適当過ぎる印象があります。
こうした指標がさらに普及していけば、選考方法を変えようという動きも強まっていくのではないでしょうか。