知っているけど知らない近代五種とは?
- 2018/08/05
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あまりにも過激なスポーツ
近代五種。名前だけは聞いたことがあるというオヤジは少なくないでしょう。では、どういうスポーツなのかと問われれば、よくわからないが5種類の競技をやって結果を競うということしか知らない人も多いようです。
100メートル走や砲丸投げ、やり投げ、110メートルハードル、走り幅跳び、円盤投げとかのあれでしょ?って、それだけで6種類ありますね。それは、陸上競技における十種競技であって、近代五種ではありません。
十種競技も過酷な戦いですが、近代五種はそもそも「なんでこれが一緒なのか?」というくらい、とんでもない組み合わせなのです。
・フェンシング
・水泳
・射撃
・馬術
・ランニング
この5つは、すべてまったく異なるカテゴリの競技です。どれか2つを別々にやる選手ですら滅多にいないでしょう。もっとも、どれかひとつと近代五種を兼ねることは難しいことではないかもしれません。スキージャンプとノルディック複合を兼ねる人がいるように。
そして、5つもの種目をやれるのは、それがひとつの競技になっているからでしょう。トライアスロンなら3つやります。とはいえ、さらに2つ多く、しかも趣がまったく異なる競技とあっては、メジャーでないのも頷けます。
なにより、取り組みへのハードルが高すぎます。水泳とランニングはスポーツの基本みたいなものですから、この2つは大丈夫でしょう。問題は、あとの3つが経済力を要するものだということです。
フェンシングのコスチュームって高いですよね。それ以上に、フェンシングをやれる場所が限られています。
射撃は、日本人には馴染みがなさ過ぎます。しかも、競技用の銃は高い!アウトローが売買するトカレフなどと同じように思っていると、目玉が飛び出すかもしれません。高いものでは数十万円とか。
極めつけは馬術です。馬場馬術といえば、ほとんどの選手は愛馬を所有しているといっても過言ではないでしょう。競馬のジョッキーなら、騎乗馬は別に存在するオーナーが購入し、トレーニングは調教師が経営する厩舎で行われます。
2020東京で見てみたい
しかし、馬場馬術にそのような仕組みはありません。大学の馬術部などでは、元競走馬を譲ってもらって保有するケースもありますが、できるなら、はじめから競技用で訓練された馬がよいともいわれます。
その馬を買おうと思ったら、とんでもない価格でしょうし、他の競技と違って、世話をしなければなりません。その内容は、生き物に対するものです。維持費だけでも莫大となります。
ただし、こと近代五種に限っていえば、馬は自前ではありません。したがって、どこかの乗馬クラブで乗る程度でもやってやれないことはないかも。いや、世界レベルを目指すなら、本番はともかく、練習環境は自前で持っておきたいところです。
ところで、近代五種というからには、古代五種もあったのでしょうか。こちらは、古代オリンピックで行われており、その5つとは、円盤投げ、走り幅跳び、レスリング、槍投げ、短距離走です。当たり前ですが、高度な科学技術を必要とするフェンシングや射撃は存在していません。また、馬術もありません。近代五種に比べれば、とっつきやすい5つといえます。
さて、先ほどノルディック複合の話が出ましたが、近代五種はノルディック複合に似ています。水泳とフェンシング、馬術の3つの成績をタイム換算し、残る射撃アンドランニングのスタート順に反映させるのです。ウインターオリンピックテイスト満載ですね。
「撃っては走り」を繰り返し、最終的にゴールする順位を競うのが近代五種の中身となっています。かなりユニークな競技であることは間違いありません。2020東京オリンピックでは、注目して見てみたいものです。