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バンクシーへと連なる、ストリートアートの系譜

  • 2019/02/12
  • ライフスタイル・娯楽
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  • アントニオ犬助
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あのバンクシーの絵が都内に出現?

あのバンクシーの絵が都内に出現?
「カワイイねずみの絵が都内にありました!」
こんな風にはしゃいでみせたのは、東京都知事の小池百合子さんだったのです。
都内の防潮堤に残されたネズミの絵が、有名なアーティストの作品ではないか?と、騒ぎになっています。彼の名前はバンクシー、街角に突然出現するステンシル画で有名となり、今や巨匠の貫禄も漂っているのです。

数多くあるバンクシーの作品の中でも、彼の名声を高めたのは、ヨルダン川西岸地区の壁に描いた、2005年の一連の作品。イスラエルとパレスチナが絶えずいざこざを繰り返す曰く付きのエリアだけに、メッセージ性も強いものとなりました。
またサザビーズのオークションに、シュレッダーを仕込んだ作品が出品されたのは昨年。1億5,000万円で落札された途端に、絵画が切り刻まれるという趣向が話題にもなりましたね。

バンクシーが人気を博している理由とは、正体がわからないミステリアスさと、強いメッセージ性、アナーキックなムード、そして落書きからスタートしているストリート感でしょう。

 

ストリートアートの元祖、キース・ヘリング

落書きからスタート、こんなアーティストというのは、何もバンクシーが最初ではありません。ストリートアートの先駆者として知られているのが、1980年代に活躍したキース・へリング。

ニューヨークの地下鉄構内に、独特のドローイングを描くヘリング。誰も依頼していませんから、要は落書きですよね。単純な線で描かれた人物や動物のキャラクター、ビビッドな色使いで評判となり、あっという間に時代の寵児となりました。
彼の作品は親しみやすいムードを持っていますから、Tシャツや日用雑貨としてよく商品化されています。近年ではユニクロもヘリングの作品をプリントしたTシャツを販売していましたから、彼の名前は知らずとも、作品は誰もが知っているという存在。1990年、エイズによる合併症により31歳でこの世を去りました。

 

新表現主義の巨匠、ジャン=ミシェル・バスキア

そんなへリングと同時代に活躍した、ジャン=ミシェル・バスキアもストリートアートの出身。荒々しい線と鮮やかな色彩、難解な詩を書きなぐるという彼の作品は、要は落書きですから最初から歓迎されていたわけではありません。
しかし同じような出自を持つ先述のヘリングの助けを得て、ニューヨークで個展を開催すると大ブレイク。新表現主義の画家として、アメリカでは最重要と評価されるまでになりました。

ヒップホップのアルバムジャケットを手がけたり、自身もバンドで演奏したり。音楽界とも深い関わりを持っていたバスキアは、無名時代のマドンナと交際していたことでも知られています。1988年、薬物の過剰摂取により27歳で死去しましたが、1996年には彼の生涯が映画化されるなど、名声はその後も高まり続けたもの。先日、スタートトゥデイの前澤友作氏がバスキアの作品を日本円にして123億円で落札、大きな話題になりました。

 

つまり楽しんでしまえば、良いのではないだろうか

ヘリングやバスキアの面白さは、作品が魅力的なところだけではありません。
作家の意図しないところで作品が評価されたり、亡くなった途端に作品が高騰したり、知らない間に生活に取り入れられているところ。バスキアもヘリング同様、ユニクロがTシャツとして販売していましたから、それを彼の作品と知ることなく身につけていた人も多いはず。

そして現在、彼らと同様の存在になりつつあるのがバンクシー。
まだ彼の作品かどうかはっきりしていない落書きに対して、過剰な反応を見てしまった都知事を始めとした多くの人々の様子は、バンクシーの(とされる)作品そのものよりも面白かったもの。後日、彼が描いたとされるネズミとよく似たステンシルシートが販売されていることも報道されていましたね。

ヘリング、バスキア、そしてバンクシー。彼らの作品を観ていて教えられるのは、芸術などは難しく考える必要はなく、要は楽しんでしまえばいいんじゃないかな?ということ。ならば真贋はともかく、都知事の反応は美術鑑賞の態度としては、極めて正しかったということになるのではないでしょうか。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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